50 日常茶飯
闘凶塔を攻略したことは直ぐに情報が広がるでしょう。あの最上階の観客席にいたのは特別な地位にいる人ばかりですからね。
「それで、コレが、主殿が手に入れられたものかいな?」
はい、アヤカさん。とりあえず、まずはクリアーした証明のトロフィーですね。これはとりあえず応接室に……そういえばまだ、ありませんでしたね。
「本殿の改築は功労点が必要やで」
なるほど。
「それで他は?」
運営資金として一千万を手に入れました。それからこれですね。
「これは…食材?」
はい、高級ダンジョン食材100選セットです。
「なんや、もう少し別のもんもろうてくればよかったのに」
けど、丹薬や武具は商殿で手に入りますし……というか武龍の鎧よりも上等な武具はないですし……
「そういえば、せやな」
なので食材にしてみました。
「良いのではないか主殿。こういった物は後々に役立つであろう」
では、カンナさんにアヤカさん、今日も一日お願いします。
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朝4時――
龍雄たちの朝は早い。カンナは法律と税金関係、アヤカは、近代の商業形態や商売販路の勉強を開始している。
龍雄は、馬歩から始まり、柔軟を終えてから軽い鍛錬を終えて、7時ごろに朝食を終えてから、探検者協会公認のアプリで依頼を確認をする。
受けるのは難易度が低い採取依頼。一見すると稼ぎは悪く見えるが、【ストレージ】スキルをもつ龍雄にとっては、この手の依頼は稼ぎやすい。更に治癒系ポーションの材料になるものは定期買取があるので、それらの素材も納品する。
次に、過疎率が高いポータルを選択し予約を入れておく。フリーの探検者同士が集中するとトラブルにつながる為の管理措置として、フリーのポータルには事前予約が必要になる。
受ける依頼は一日で終わるような簡単なものを受ける。簡単といっても油断すればあっさりと死ぬのが探検者だ。それでも、龍雄はモンスターを討伐したり、採取を行う。特に採取作業は20年以上のベテラン。下積み時代からコツコツ続けてきたモノなのでお手の物。
なので提出する品質もどれも安定した水準であるので受けもよい。
細い依頼達成などを積み重ね。徐々に知名度が上がり続ける龍雄であった。
評価や感想、ご意見など時間がありましたらどうかお願いいたします。




