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48 髑髏騎士

 ポータルとは異界へと続く門であるが、その先に広がる世界は多種多様ではあるが、3種類へと分類される。


 まずは、異境と呼ばれる、魔物や様々な霊草に希少な鉱物がある世界であり、管理者が不在の世界である、ポータルの約7割はこのタイプである。


 次は異郷。亜人と呼ばれるコミュニケーション可能な異種族が治める世界であり、王と呼ばれる管理者が存在する世界。


 最後は異篋(いきょう)。ほんの僅かだが、意思疎通が可能なポータルマスターが管理する世界。


 ポータルマスターの趣味嗜好でことなるが、共通点とし挑戦者を受け入れ、試練を与え突破したものに報奨を与える。そして、闘凶塔は、その異篋に当たる。


 龍雄が到達したコロシアムは観客に沸いていた。


「……こういう場に立つ日が来るとは思いませんでしたが……相手は」


『さぁ、みなさま本日のメインイベントは、この二人の対決! みなさま是非、お愉しみください』


 興行主の声が響き、龍雄が出てきた扉の反対側には、骸骨の馬に跨った甲冑を纏った髑髏の騎士がランスを構えていた。


「デュラハンではないですよね?」


――是――

――アンデッドナイトとアンデッドホース――

――戦闘力推定8000――

――データーが不足している為正確な数値はわかません――


「……そうですか、ですが、やる事はかわませんから『武着』」


 武龍の鎧を纏い槍を構える。それを合図にアンデッドナイトはアンデッドホースを走らせる。その加速はロケットエンジンを点火させたかのような爆発的な加速。龍雄の眼前にランスが迫っていた。


「くっ……」


 寸でのところで躱すが、ランスが触れた地面が凍り付く。


「これは……氷属性?」


――否――

――強力な陰気がエネルギーをマイナスにしています――


「とんでもないですね」


――是――

――触れたらひとたまりもないと思われます――


「では、これを使いますか『青龍牌』」


 取り出した青く輝く牌をバックルにはめ込む。


――青! 青! 青!――


――GO! 青! 龍!――


――モード・青龍――


 青い掛け軸が龍雄を包み込み、砕け花弁が舞うと、両肩に龍の意匠が施された青い鎧へと変わる。


「でませい! 赤兎馬威駆」


 ストレージから赤兎馬威駆を取り出すと、跨ると赤兎馬威駆の形が流線型になり色が青いメタリックカラーへと変わる。


「これは?」


――赤兎馬威駆・TYPE青龍――

――スピード特化の形態です――

――最高速度は1200㎞/時速です――


 異種騎馬戦。


 会場は盛り上がり、高速で槍とランスがぶつかり合い余波だけであたりが凍り付く。


「【百花乱墜】」


「カッカッカッカッカカカ」


 ぶつかり合う乱撃、高速で駆け回る骸骨の馬と青い鉄馬。


 一合、二合、五合…十、百と何度もぶつかり合い、ついにその時が来た。


 一閃が走ると胴が滑り落ちた。骸骨の馬の首とともに……


――やりましたねマスター――


「あっ……シンさんなんてことを……それはフラグですよ」


――えっ?――


 龍雄のその嫌な予感は的中した。落ちた胴体が跳ね起きて、骸骨馬の首の位置にくっつく。


「スケルトンケンタウロスでしょうか?」


 ランスを巧みに操り、突き刺してくる。ただ、安定した動きにはなったが、加速力は落ちていた。


「収納!」


 龍雄は赤兎馬威駆を収納すると、スケルトンケンタウロスの前に立ちふさがり、応戦する。


「【伏柢】」


 石突でランスを絡め取り軌道をそらし


「【芽天】」


 懐に飛び込み槍を胸部に突き立て


「【誘葉】」


 舞う葉の如く攻撃を誘導しながら槍を払い


「【蔓引】」


 刃先で前足を絡め払いバランスを崩し


「【連理】」


 殴打へと切り替えての乱打。斬、突、打。それを切り替えてこその槍の真骨頂。


 しかし、スケルトンケンタウロスも一筋縄ではいかない難敵。砕けた骨は再生し、ランスも二本へと増えていた。


「一撃で決めるしかありませんね。【雷功】!」


 雷を纏い、棒高跳びの要領で高く跳びあがると、槍に雷の力を込める。


「【迎暴流虞(げいぼるぐ)】」


 槍を投擲すると雷光となって、スケルトンケンタウロスに突き刺さり雷がスケルトンケンタウロスを拘束する。


「【雷功・龍皇脚】」


 龍皇脚に雷の力を加えた蹴りを槍に叩き込み、その一撃で、粉々に砕け散った。


「ふぅ……なんとか勝てましたね『着脱』」


 そう呟き、武装を解除した。



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