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47 蠍尾獅子

前話後半に、大きく加筆しました。

――闘凶塔四階層――


 四階層は石橋が続いており、龍雄の行く手を塞ぐように、ライオンの体に蝙蝠の翼に老人の顔、サソリの尻尾をもった不気味なモンスターが立ちふさがっていた。


「あのモンスターは……シンさんお願いします」


――了――

――マンティコア――

――戦闘力5589――

――天武クエスト――

――金克木毒『呪蝎尾』の獲得――


「やはり、マンティコアでしたか。それに、ついてますね。もう一つの毒が手に入りそうです」


『ヒッヒッヒッヒッ……旨そうな獲物がきたぞい』


 しゃがれた不気味な声で語りかけてくる。


 槍を持つ手に力が入る。


『【ブラインドネス】』


 ブライドネス――視力を奪う【暗黒魔法】――を龍雄にかけると龍雄の視覚が封じされる。


「ぐっ……」


 マンティコアは卑怯で陰湿ではあるが、魔法を操るモンスターである。


 視力を奪われた龍雄に、前足を振り押すも【星識雲海】で察知してそれを躱す。だが、マンティコアの攻撃は止まらない、老人には似つかわしくないライオンの牙で噛みつきに来るも、それを槍の柄で受け止める。


「凄い力です」


 そう言いつつも、受け止めている龍雄もかなりのものである。


『ほーら、こいつはどうじゃ?』


 蠍の尾を振り下ろす。


「ぐっ【龍牙震脚】」


 地面を強く踏み込み、闘気の刃がマンティコアの腹部に迫るが


『おっと』


 後ろに飛んで距離を十分にとる。


「効果が切れて見えるようになりましたね…数秒でも見えなくできるとは侮れません」


 しっかりと気力を漲らせ、マンティコアを睨みつける。


『これはどうじゃ? 【フォース】』


 バレーボールサイズのエネルギーの弾を放つ。だが龍雄は擱くすことなく態勢を低くして駈ける。


「【天猛兵林】」


 歩法で一気に距離を詰める。


「【精幹(せいかん)】」


 その勢いのままの鋭い突きに飛びのいて避けるが、避けきれずに右の腹部がえぐられる。


『グゥゥゥオノレ【バインド】」


 束縛の魔法を放ち、龍雄の体を拘束をする。


「ぐっ……」


『ガァァァ』


 噛み殺さんと飛び掛かるマンティコアの牙が龍雄に迫る。


「覇ッ!!!」


 気合一閃で拘束を吹き飛ばす。


「【蔓引(まんいん)】」


 攻撃を引き込むようにして、槍を払いカウンターでマンティコアの目を切り払う。


『ギァァァァァァ』


 悍ましい悲鳴を上げるマンティコア。


「ふぅぅぅぅ……七式【百花乱墜(ひゃっからんつい)】」


 槍を振るい、斬りつけていき、血飛沫がまるで舞う花弁の如く飛び散る。


「これでトドメです」


 そういって振った槍で首と尾を切り落とされマンティコアは絶命するのであった。


「かなり強かったですね。少し休憩をしますか……その前にと」


 マンティコアの尾を回収し小休止を済ませて、素材に使えそうなものを回収する。もっとも【百花乱墜】によって傷だらけなので素材としては評価下がるがそれでも有効に使えるところは使う。


「こんなところですね」


 そういって歩き出した龍雄の瞳には、大きなコロシアムが写っていた。

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