44 闘凶迷宮
『闘凶塔』
半年に一度だけ開く珍しいタイプのポータルです。更に一度入場すると一年は入場できなくなるという大変、特殊なポータルであり。
加えて入場できるのはCからA-ランクまでの限られた探検者となっています。
参加人数は1000人程度ですが、完全に個人参加と一種の試験的なポータルともいえます。
そして、入場の際には一枚の名刺サイズの金属板を渡されます。この板に触れて脱出と唱えれると外に出ることができるそうです。
このポータル内は5つの階層に分かれていて、それぞれの階層には、試練が設けられており、それらを突破すると報酬がもらえるそうですね。ちょっとしたアトラクションみたいでちょっとワクワクしますね。
そうこうしているうちに、わたしの入場の番へとなりましたか……では、いざいきますかね。
――∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬――
――闘凶塔一階層――
龍雄が降り立ったのは八角形の部屋に、八つの扉がある。
「うーん。最初は迷宮ですかね? とりあえず、扉をあけてみましょう」
扉を開けた先は再び八角形の部屋。ただ今度は扉の数が減り6枚の扉があった。
「とりあえず、この入ってきた扉はそのままに、別の扉を開けて……うん? どの扉も開きませんね……」
少し考える龍雄。
「もしかして……」
そういって龍雄は、自分が入ってきた扉を閉めると、その扉は壁に溶け込み消える。
「今度はどうでしょうか?」
再び扉に手をかけると、今度はあっさりと開いた。
「やはりこういう仕掛けですか……」
何度目かの扉を抜ける。途中に破壊された木造や箱などが落ちており、そういった部屋の扉は、2つか3つしかなかったりした。
「今度の部屋は……巨大な岩? これはもしかして、鉄鉱石でしょうか?」
その岩の前に木札が、立てられ「この岩を砕け」と書かれていた。
「砕くですか……ならば【螺旋龍硬拳】」
ガガガガガァァァァン――
まるで掘削機のような音が響くと、岩は砕け散り、その岩の中から、こぶしよりも一回り小さな明らかに違う材質の塊がでてきた。
「ふぅ……いがいといけますね。うん? これは鉄鉱石ではないようですが……シンさんわかりますか?」
――是――
――アダマンタイト――
「アダマンタイトて希少金属で非常に重いと聞きましたが…そこまではない気がします。ですが、わかりました。こうやって試練を突破すると、こういったものが手に入るのですね」
龍雄は【ストレージ】にアダマンタイトの塊を収納すると、次の関門へと向かっていくのであった。
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