42 桃園箕宿
桃園に囲まれた闘技場。
それが最後の箕宿房でした。
「さぁて、始めようかのぉ。主殿」
美髯仙人さんの武器は青龍偃月刀ですか…
「この房は簡単だぁ。ワシを倒すことじゃ」
やはりそうですか……
ブン――
一閃。なんとか見えましたが……ただ軽く振っただけなのに、早いですね。それに重い一撃です。
「さすが主殿。はぁぁぁ」
くっ、連続突き……なんとか捌けますが……
いえ、これは! 捌かされてますね。
「まずは一本」
槍を弾きとばされました。
この後、50試合しました。が、槍を飛ばされ続けました。
毎日毎日の実戦訓練。かすりもしない日が続きます。
殴られ、切り傷も絶えません。
ようやく、槍を一振りできるようになったのは、20日かかりました。
何度も何度も槍を併せ、互角に近い戦いが可能になり、1日の試合の長さは伸び、試合数は日に日に減ってきました。
招式の活用法、応用、繋げ方。日々上達しました。
下手に招式を繰り出すと逆に返り討ちにあうこと数百回。
気絶するまでに殴られ、吹き飛ばされ。実戦形式で骨の髄まで叩き込まれる地獄の日々。
その結果が結実するのに47日もかかりました。
「ふぅ、お見事。まさかここまで早いとは思わんかったぞ」
紙一重でようやく槍が届きました。
「まぁ、ギリギリ及第点じゃがな」
うっ……
「しかし、合格は合格。その褒美を渡そう」
おぉ、それはうれしいですね。
「まずは『青龍牌』これは武龍の鎧に使うとわかるじゃろ。それから、『青龍槍』に『天木金龍眼丹』も受け取られよ」
『青龍槍』は竜の飾りが彫られた槍ですが、重さも非常に使いやすいですね。
『天木金龍眼丹』はつよい火気と共に服用しないと効果が薄いとのことなので、しばらくは保留ですね。
そして、『青龍牌』は武龍の帯にはめることができ。そうすることで『青帝の鎧』へと変化しました。ただ消耗が更に激しくなるので使い分けが必要ですが……
「さて、一応、青龍七房は終わったが……どうする?」
もちろん、続けますよ?
この日から最終日までずっと七つの房をクリアーしていく日々になりましたが、地獄の特訓でした。
美髯仙人さんとの戦いは、木人が追加されつづけました。
本当に、辛い日々でした。
あっ写本は終わらせるどころか127冊しました。
こうして、二度目の四神宿房での修行を終えたのですが……
「主殿。こちらで世話になる」
カンナさんが、外の世界に出てくることが可能になりました……えっ、なんで!?
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