40 氐宿房宿
青龍第三の房は氐宿房。こんどは竹林の中にあるこの房では、突きの修練が始まりました。
「くぅ~メンマをあてに呑む酒もうめぇ」
美髯仙人さん……
「あぁ、わりぃ主殿。まずは、手前の線から、目の前にある。その穴の先にある皿を突きで割る。こいつが最初の修練だぁ」
はい? 目の前の板に空いている穴……この手元の槍よりもほんの少し大きいくらいですよ? しかも板から5メートルはありますし、腕を伸ばしきってようやくの距離です。
「がんばってくれ」
難易度たかすぎませんかね?
試しに一突き
ガンッ――
バチッ!――
電気が……なんでしょう……昔、バラエティー番組でこういうのありましたね。
美髯仙人さん……笑いながらお酒呑まないで欲しいのですが……
それにしても難易度がかなり高いです。ただ突くだけでなく正確に穴を通さないと……
この日からひたすら突き続けました。ですが1週間たっても上達が感じられません……
「主殿。主殿は板の穴に通すことに意識がいってるのさぁ、目的は皿を割るだぜ?」
……なるほど……なんとなくわかりました。
貫くのは皿です。つまり奥のへと意識を送り……突く!
パリィ!――
おぉ、割れました。この1週間電流に襲われましたが、ようやくできました。
「おっ、やっと割れましたかぁ。では、難易度あげていきましょうぅ」
へっ?
「次は回転する羽の隙間を縫って割って下され」
いや、板の向こうに扇風機の羽みたいなのが……難易度上げ過ぎでは?
この房をクリアーするのに50日かかりました。
難易度は次々に上がり、扇風機の数が2台、3台と増え、それを達成すると、次は、障害物が動くなか、移動する皿を割り、鐘の合図に合わせて突く修行になったかとおもったら最後は、飛んでくる矢を避けながらでの的確に的を貫く修練となりました。
「うんじゃ。次は房宿房だなぁ。なぁにここよりも房宿房は難しくはないとおもうぞぉ。主殿」
今度は葡萄の木に囲まれた房ですか……
――粗糙是風
咆哮雷聲
這不是從
木中誕生
青龍極意――
「悟性を得ることだ。そうすれば、自ずとたどりつかぁ」
そういわれましても……シンさんなにかわかりませんかね?
――この空間には特殊なエネルギーに満ちています――
――【運気調息】により吸収が可能です――
とりあえず、試しますか……
なんでしょう、森林浴でもしているような心地よさが……
これは……木気……そういうことですか……
木気とは、生命の息吹……活性……身体を高める……
風の如く……雷の如く……
頭の中にどんどんと使い方が……
――【青龍心功】が生成されました――
――【槍術】と合わさり【青龍槍術】へと変化しました――
ふぅ……なんとも不思議な感覚です。新しい力がみなぎって……
凄くお腹がすいてますね。
「気が付かれたか主殿」
カンナさん? わたしはどうしていたのでしょうか?
「主度は一週間も瞑想に入られていた」
そんなにですか? 一瞬だった気も……そういわれると急に空腹が……
とりあえず、食事にしますかね。
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