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39 角宿亢宿

 はぁ……いい湯です。


 わたしは何故か、お風呂に入っています。


「風呂ではなく。浴行です。主殿」


 入浴剤まで入れてもらっているのですか……カンナさん。


「入浴剤ではくなく、浴薬です。間違っても呑まないでください。体がもちませんので」


 ……そんなのに入っていて大丈夫なんでしょうか?


「心配されるな主殿。それよりも【運気調息】をされよ。この浴薬は、皮膚を強化する効果に気運を強化する効果があるゆえ」


 どれくらい入っていればいいのでしょう?


「二時間は入られよ」


 長風呂は得意ではないのですが……


「この後、角宿房(かくしゃくぼう)の本番である。最低でも二時間は入浴できねば辛いであろう」


 ……なんか、体に痛みが……ぐっ……なんですかコレ……


「その痛みに耐えられよ」


 が、がんばります。


 …


 ……


 …………


 一時間しか持ちませんでした……


 なんか凄い負荷をかけられたような感覚が……


「それでは、主殿。こちらを飲まれよ」


 なんでしょうか?


「李の砂糖漬けを酢で割ったものだ」


 あぁ、サワードリンクですか。うん、甘酸っぱくて美味しいですね。


「そして、こちらに着替えられよ」


 ……これレオタードですよね?


「ここでの行には丁度よき衣装故」


 カンナさんもレオタード姿に!?


「では、主殿始めますぞ」


 えっ、これはストレッチ!? いたた。


「普段動かしてない筋も動かされよ」


 これはキツイですね。


「励まれよ」


 ストレッチの後は、槍の基礎、基礎、基礎。


 修練のメニューは薬浴行に2時間。ストレッチを2時間。それから、ひたすら突きと払いを8時間。さらにストレッチを2時間。瞑想を2時間。


 さらに、写本を行い一日を終える。


 このサイクルを繰り返すこと三ヶ月。


 ふぅ……【水霊門・天枢】開門!


 簾貞霊院でようやく門を開くことができました。


「おめでとうございます。漸く一甲子ほどの内功をえらましたね」


 一甲子?


「60年分の内功になります。もっとも主殿であれば、3甲子は収めることができるはずなのですが……」


 そうなのですか?


「ですが、これで基礎がさらに高まりました」


 シンさん、戦闘力を算出してもらえますか?


――了――

――戦闘力・4911――


 おぉ、随分とあがりましたね。


 それに写本も25冊できました。


「では、本日よりは浴行は一時間、柔軟は一時間そして、亢宿(こうしゅく)房にまいりましょうぞ」 


 角宿房の奥の扉から続いているのですね。こんどはザクロが植えてありますね。


「よぉ、まってたぜ。早いような遅いような。まぁ、いいさぁねぇ」


 美髯仙人さん。申し訳ないですね。


「ここは飛んでくる矢を払うだけぇだ。簡単だろ?」


 いやいや、なんですかそれ。


「まぁ、飛んでくる矢に番号が振ってあるから、順番通りに落とさなかったり別の落とすと大変なことになるからな?」


 ……もう、嫌な予感しかません。


 はい、地獄でした。


 まず、矢が思ったよりも小さい。というかダーツですね。


 そして、間違ったものを払い落とすとなぜか、電流が流れます。


 払い逃すと爆発もします。


 さらに変化球まで来ますし、同じ軌道で飛んできたり、微妙に矢の大きさを変えたものが混じってたりと……鬼畜でした。


 なんとか合格点を採れるようになったのは40日後でした……


 まだまだ、あるんですよね……

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