31 森羅万象
家門を創る。
つまり、自分のクラウンを立ち上げるということですが……
そもそも何を目的とするのか……探検者としての成功を掴みたいのであれば、いまでも十分とはいえますが、どうせなら高みを目指したいですね。
――紅玉クエスト――
――・門弟を3人集めよう――
└報酬『宿舎』
―─・錬丹術師を門下へ加えよう――
└報酬『丹薬殿』
――・鍛冶師を門下に加えよう――
└報酬『鍛冶場』
――・霊果・霊草を10種類集めよう――
└報酬『薬草園』
――・霊物を10種類集めよう――
└報酬『鉱山』
――・建物を手に入れよう――
└報酬『傀儡房』
このクエスト達成には名声と実績が必要ですね。
クリアーが簡単そうなのは、霊果・霊草10種ですね。これなら東京へと戻れば、多数の霊果・霊草がある霊樹の森がありますね。
――∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬――
霊樹の森――
中心部に行くほど、難易度があがるが、その分多くの霊果や霊草が存在する森である。
つまり裏を返せば外縁部なら難易度は低く、ある程度の稼ぎが望める人気スポットのはずなのだが、人が思いのほか少ない。
「はて?」
不思議に思いつつも龍雄は森の奥へと進む。外縁部での採取をする人はソロの場合が多いため、龍雄が一人で行動しても不思議におもう人は少ない。
「『翠晶瓜』ですね。いいものが見つかりました」
森の中層部へと龍雄は、たどり着いていた。
「ここら辺になると、いいものがありますね。それに【神眼】のおかげでよいものが見つかります」
霊果や霊草は、ぱっと見では、見つけづらいが、龍雄の【神眼】ならば
思いのほか見つけやすい。
「『金糸葛』に『麒麟筍』、『孔雀薔薇』ほんとうに良品が見つかりますね」
順調に集めながら更に奥へ奥へと進むと、こんどは七色に輝く葡萄を一房見つけた。
「まさか中層で『虹色葡萄』を見つかるとは、ついてますね」
葡萄へと手を伸ばした瞬間。背後からの殺気を感じ取り、葡萄を掴みながら空中で1回転しながら背後を振り返る。
「ちっ、外したか」
「おいおい、見られちまったじゃないか」
見覚えのある、白い制服をきた強面の大柄の男がふたりそこにはいた。
「その制服……なぜ、自警団の方がこのような蛮行を」
【ストレージ】に『虹色葡萄』をしまいながら構える。
「ほら、お前のせいだぞめんどくさいことになったぞ」
「なーに、大丈夫だよ。その葡萄寄付してくれるよなお兄さん? 俺たち自警団の活動費にするからよ」
にこやかに、ゆっくりと龍雄に一人が近づいてくる。
「断ったら?」
にっと口角をゆがめる男。
「少しばかり痛い目にあってもらうだけだよ」
そういって男はボクシングの構えをとると、左ジャブを3連打。龍雄は上半身を後方に逸らして回避する。
「ボクシングじゃないんだよ!」
そういって回し蹴りを放つが、龍雄はそれも難なく躱す。
「どうやら、面倒なことになりそうですね」
龍雄は二人を見据えて構えをとるのであった。
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