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28 怪人探究

「ハチスカが死んだよ。フウさん悲しいネ」


 ブラッディ・スパイダーのたまり場であり、いまはフウの研究室としても使われている。


 ザワっ――


 その話をきき、メンバーがざわつく。


「とっても締まりがよかったのに……本当に残念よ」


「確かになッ。それでヤッた奴は解るかぁ?」


「残念だけど、解るけどわかんないよ」


「はぁ?」


「全身鎧を身に着けてたやつみたいなのよ。フウさんの『生命符』は死の直前に見たモノだけしか映し出されないのよ」


 そういって、厄雲にトレーディングカードサイズのカードを投げ渡す。


「確かになぁ。しかし、こんだけ目立つならわかりそうだが……まぁ、いいとりあえず、お前らこいつを探せ」


 そう指示をだされ、慌てて飛び出していく。


「はぁ……ムカつく。ちと暴れてくるかぁ」


「お土産に強い魔物狩ってきてくれるとフウさん、うれしいネ」


 その言葉に応えるように手を振りたまり場を後にする厄雲であった。



――∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬――


 蜂須賀さんを殺しました。しかたのない事とはいえ、やはり後味は最悪です。本当に……最悪です。


 ……嫌な事も思い出してしまいました。


 遺骸は現在は軍の研究機関で、調査中。


 丹薬についての見解を聞くために、本日は帝都大学へと足を運んできたしだいです。


「龍雄さん、お待ちしてました」


 柚恵さん直々に出迎えてくだされいました。お忙しいのに申し訳ない。


「い、いえ。わたくしがしたかった事ですので、ではいきましょう」


 そうですね。やはり部外者ですので、生徒さんの視線が集まっています。


 それにしても大学ですか……わたしも、もう一度受験勉強してみますかね? 四神宿房で勉強したら何とかなるかもしれません。


「こちらへどうぞ」


 狭いですが、個人の研究室まであるとは流石、帝都大学ですね。


「研究データの管理もありますので、どの大学も私室が与えられているんですよ」


 そういうものなんですね。


「さて、結論から申し上げますと、この丹薬には魔石が使用されています。それも数種類の」


 そこまで調査が進んでるんですね。とりあえず頷いておきましょう。


「問題は、これを多量に摂取すると人が魔物になります。その摂取量は不明ですが、暴れていた人にも、その兆候がある人もでてきています」


 ギリッ――


「龍雄さん?」


 おっと、怒りで歯を食いしばりすぎましたね。申し訳ありませんでした。


「こんな事例は、聞いたことがありませんが、今後は、政府の専門機関で行われるとのことでした……なので龍雄さんも事件にはかかわらない方がいいと思います」


 そうですか、本日は、ありがとうございました。


「いえ、こちらこそ。もし、丹薬などでお困りのことがありましたら、ご連絡ください。お力になれるとおもいますので」


 社交辞令でしょうが……とりあえず連絡先を交換させてもらいました。


 それにしても……人の魔物化……20年前の事件ににてますね。アンゴルモア事件に……年号が変わっても、あの事件と似たことが起きようとしているんでしょうか……はぁ……最悪です。

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