12 修行無常
修行開始から205日目。
ようやく、ようやく、風霊門・天権を開くことができました。
そして、貪狼流房の方は、今は川を流れてくるのは、笹の葉になりました。あとバレーボールの射出機が3台になりました。
ですが、今のわたしなら、前、後ろ、くるっと回ってイナバウアーからのバク転、右、左、左、左、右、前に半歩でて、からの、イナバウアー、からの前転宙返りと、かなり上達しました。
「主殿も見事に成長されて、我もうれしくおもいます」
ありがとうございます。カンナさん。毒膳にもなれてきましたしね。
「既に、【十毒不侵】は身についていると、推察いたします。次の段階には五毒が必要になります」
身についたんですかね? 実感はありませんが……
――是――
システムウィンドーさんがそういうのなら間違いはないでしょう。
それにしても、五毒とは、どういうものなのでしょうか?
「五毒は五行相克にならい、本来なら共存するはずのない、二つの性質をもつ霊物が持っている毒素になります」
五行相克ですか、土は水に、水は火に、火は金に、金は木に、木は土に勝つという奴ですね。
「その通りです。主殿がご存知で安心しました」
一応、東洋魔術の基礎みたいなものですからね。西洋魔術との違いともいわれてますが……
「ですので、この組み合わせの霊物を探してこられよ主殿」
ダンジョンとかにあるんですかね?
「そろそろ主殿も基礎ができてきたので、新たな修練を始めようとおもうのだが、いかがか?」
それは望むところですね。
「では、本日よりは武曲感房へと向かうとしようぞ」
今度はどんなところなのでしょうか?
「こちらが武曲暗堂にございます」
なんというか……巨大な岩にお堂が、めり込んでいますね。歴史文化財とかにありそうです。
中は真っ暗ですね。カンナさんがもっているランタンがなかったら何も見えません。
「では、第一の試練です。主殿そこに立たれよ」
ここですか? あの、なんか枠が降りてきて頭を包みましたが?
「動いてはなりませんよ? その枠は顔を動かさなければなんともありませんから」
つまり、動かしたら何かあると?
「この房の試練は3つ。第一の試練はこのランタンを動かしますので目だけでおってくだされ」
それだけですか?
「それだけです」
ふむ、マイクスタンドみたいなものにランタンをかける。なるほど、下が半球になっていますね。あぁ、つまり起き上がりこぼしになっているのですね。
「では、はじめさせていただく」
左右に動かすだけですか? それならなんとも……
「速度を上げますぞ」
これは、なかなか早く。えっ!? 止める!? ちょっ、待ってください!
ジュゥゥゥゥ――
あっつぅぅぅぅぅぅい。この枠。めちゃくちゃ熱いです。
「そうなりますので気を付けられよ」
最初に行ってほしかったです。
これからが大変でした。フェイントを加えたかと思ったら、急加速からの緩やかな動きなど、この訓練になれるのにも三日かかりました。
「では、次の試練です。主殿」
こんどはなんでしょう?
「光った石像を攻撃してください」
それだけですか?
「攻撃できるまで、他の石像が攻撃してきます」
アッ、ハイ。
石像は六体。胸のところに光が付きます。そして、時間がたつと色が変わって攻撃も激しくなる。だれですか、この仕様考えたの!?
『【珠環】!!』
いま光線がでませんでした!?
けど、わたしだって、ただでは、やられませんよ!
貪狼流房に隠されていた歩法。その名も【武星流歩】。あの流木の流れに歩法が隠されていることに気が付いた時には、年甲斐もなくワクワクしてしまいました。
攻撃は、なんとか避けれます。けど……殴るのを間違うと。
『狂戦士もーどニ移行シマス』
はい! やっぱり攻撃が激しさをましますよね。予想してましたけど……てっ、ちょっと待ってください。こん棒じゃなくて、それ石柱ですよね!?
…
……
………
…………
死ぬかと思いました。文曲錬塔で鍛えられてなかったら、死んでますね。というかかなり頑丈になっていますね。
「当然でございます。主殿は【硬気功体】も既に入門の域にあります故。でなければ、この試練は受けさせておりません」
いつのまにか、武功が身についてたんですね……ちょっとまってくださいよ。システムウィンドーさん、もしかして、私の武功とか解ります?
――是――
では、教えてもらえますか?
――了――
――名・竹田 龍雄――
――年齢・46歳――
――性別・男――
――習得スキル――
――【ストレージ】――
――【神識】――
――【運気調息】――
――【換骨奪胎】――
└【返老還童】
―ー【星霊心法・修練】――
――【軽功・修練】――
└【武星流歩・入門】――
――【十毒不侵】――
――【硬気功体・入門】――
――【????】――
かなりスキルが増えてますね。というか不明なのが……これは?
――未覚醒のスキルとなっております――
なるほど。そうだシステムウィンドーさん、呼びづらいのでシンさんにできますか?
――可――
では、ヘイ、シンを起動ワードでお願いします。
――了――
よし、では改め、がんばりますか。
評価や感想、ご意見など時間がありましたらどうかお願いいたします。




