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125 一時休戦

 二人を拘束した、龍雄に真っ先に襲い掛かったのは、紅骸慈に寄り添っていた二人の美女であった。


「よくも小教主さまに!」

「覚悟……」


 夥しい数の苦無を投げてくる。


「危ないですね。【鎖陣法・螺旋星雲陣】」


 鎖が回転し飛んできた苦無を一つ残らず絡めとる。


「アハハハハ、楽しそうだね右の」

「そうだね左の」


 片腕がない双子が左右から迫る。


「しかたないですね。【武魂顕現】でませい『鵬天』」


 炎が舞い上がると黒い肌の龍雄が姿を現す。


「なんだ、楽しそうなことになってるじゃぁねぇか」

「やり過ぎないでくださいよ。炎双剣『鳳凰』は貸しますから」

「そこそこに遊んでやるよ。主どの」


 鵬天は左右から振るわれた双子の剣戟を受け止めると、体を独楽のように回転させ勢いそのままに蹴り飛ばす。


「今日はラッキーなんだからあたいも参加するよ。なんてたって今日のみずがめ座は星占い二位なんだから」

「今度はなんだ」


 大量の水を纏った大斧を振り下ろすが鵬天は冷静に剣を合わせて一本の剣に変える。


「めんどくせぇな。【鵬鷲天】」


 炎を纏った振り下ろしで水を一気に蒸発させて、余波で少女も吹き飛ぶがそれを包帯を全身に巻きポロイ外套を纏った巨漢が受け止める。


「もう! 哭玄じゃましないでよ!」


 少女の怒りを無視して少女の前に立ち拳を構える。


「吾ら、天魔神教小教主親衛隊『四鬼』覚悟」


 四人の筋骨隆々の男たちはそれぞれ斧二刀流、棘付の棍、槍、大刀を構え龍雄へと襲ってくる。


「【熊解虎伏】」


 左右と上からの衝撃で四人組をねじ伏せる。だが、そんな龍雄の背後から冷たい殺気がせまり咄嗟に【龍牙震脚】の衝撃で吹き飛ばす。


「今のタイミングで外すとは……このような化け物がいるとはね」


 背後から刃を振るったのは先頭を歩いていた黒衣の男だった。


 まさに乱戦。そして、その後の膠着状態へとなった。誰もが下手に動けばただでは済まないとおもったときゆっくりとした声が響く。


「ねぇ。夜見。今日のおとめ座は何位だったかしら?」


 にこやかに笑う修道女のといにガタガタと震えながら、夜見と呼ばれた大斧を振るった少女に問う。


「きょ、今日はおとめ座が一位です。血禽さん」

「そう」


 震える夜見に対してにこやかに答える。


「今日は戦う日ではないと思うのでうちのを引き取りたいのだけど」


 それに続くように仮面の男が声をかけてくる。


「こちらも退かせて頂きたい」


 天魔神教側からも提案される。


「わかりました。退いていただけるのなら」


 そういって拘束した二人を解放したのだが……


「この借りはいずれ返させてもらう」

「クックックック、楽しみにしてやがれ」


 二人から明らかな殺意を向けられる龍雄だった。


 そして、この様子を遠方から覗いている存在がいた。


「騒ぎは大したことなかったか、天魔の息子も暴れん坊じゃの。血魔の小僧も負けてはおらんが……それよりも気になるのは、あの男が使ったのは間違いなく……『玄武球』に『鳳凰』じゃ。うむむ。あの至宝をなぜもっておるのか……紅玉師姐が宝物は管理していたはず……問いたださねばならんようだな」


 そう一人呟くと視界を閉じるのであった。

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