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11 日々鍛錬

 修行の朝は早い。


「主殿なにをされておられるのか?」


 いえね。鍛錬の記憶を残して置こうかと思いまして。


「そうか、本日も修練に励まれよ」


 ここでの生活も、もう90日、三ヶ月が経過しました。もっとも外の世界では、半日も過ぎてないのですが……


 まず、一日置きに簾貞(れんてい)霊院にて心法の天武大然心法というらしいのですが、それを二時間行い、霊院なの霊力を吸収し、体内の功力を高めます。最初の頃は苦戦しましたが、【ストレージ】にモノを送り込むことをイメージすると吸収が楽になりました。


 加えて、システムウィンドーさんと解析したところ、七つの星霊門を開くことで絶頂に至ることまでは解りました。


 金霊門・天璇(てんせん)は肛門と陰部の中間。


 水霊門・天枢(てんすう)はツボの天枢とは異なり陰部。


 火霊門・天璣(てんき)は俗に丹田と呼ばれる臍のあたり、現在開いているのはこの天璣門だけですね。


 風霊門・天権(てんけん)は心臓の上。


 虚空霊門・玉衡(ぎょくこう)は喉。


 意霊門・開陽(かいよう)は眉間。


 超越霊門・揺光(ようこう)門は頭頂。


 この場所を活性化するイメージすることで、もう少しで、もう一つの門が開きそうですが、なかなか難しいものです。


 ちなみに、この行を行わないときは馬歩(ばほ)、空気椅子のように中腰になり、背筋をピンと伸ばして腕を伸ばす。最近は、カンナさんから水がめを掴んで更に、太ももに乗せてやるように言われます。というか実行させられます。一つ1000斤だそうです。


 その後は、貪狼流房です。丸太渡りは、今は束でなく太い枝が浮かべられた状態になってます。それでも渡れるようになりました。


「なので、難易度を上げさせていただく」


 なんか、流木が……


「これを渡られよ。主殿」


 いやいや、難易度上がり過ぎじゃありませんかね?


「励まれよ」


 こ、これはまた、難しいです。流れてくる、タイミングがつかみづらいです……神眼モード!


――了――


 なるほど、これは解りました! 音ゲーです。いやー懐かしいですね。ステップ踏むタイプのやつと思えばいけます。なにせ昔はやりこみましたからねダン〇ダン〇レボリューション。


 システムウィンドーさん、音楽もお願いします。


――了――


 前、前、ここで後ろに半歩下がって大きく前に踏み切って左右に右左、くるっと回って……


 ドンッ――


 ベフッ


 ドボンっ――


 な、なんですか!?


「油断されるな主殿」


 いや、そのバレーボールの発射機はなんですか?


「主殿の記憶から、使えそうな修練の道具を作成した」


 そんなのありですか!? た〇し城ですか? たけ〇城の記録ですよね?


「外の世界の、ばらえてぃー番組というのは、なかなか良き修練をされている。さぁ、主殿どんどん励まれよ!」


 最近、カンナさんの表情が、わかるように、なってきました。今は楽しんでますね。


――是――


 こんな感じに楽々渡れないように、邪魔をされるようになってきました。手厳しい。


 その後の毒膳料理も慣れてきました。


「この拉麺という料理は奥が深いと思いませんか主殿」


 カンナさん……拉麺作りに嵌ってます。毒草を薬味にしたり、麺に塗り込んだりと、創意工夫ができてやりがいがあるそうです。


 食後に向かうのは、文曲錬房にある文曲錬塔。ここは五重塔になっており、外功を鍛える場所になっています。


 一階では腕立て伏せを100回、スクワット100回、懸垂100回、腹筋100回、背筋100回。となっています。


 もちろん単純にするわけではありません。


 腕立て伏せも100回やった後に片腕立て伏せも100回ずつ、しかも背中に5000斤の水がめを乗せて行います。


 当然スクワットも、今度は岩を担いで100回、懸垂は指二本で掴み、さらに、砂が詰められた米俵を担いでさせられます。


 腹筋も木の枝にぶら下がりながら、垂直の状態からこなすようになりました。背筋も100斤の水がめを吊るされた紐を咥えながら行うと……これでも慣れたものです。なれたらもっと過酷になりますが……


 けど、このくらいは序の口です。


 二階からが本番です。なにせ、腕を水平に保ち、1000斤の水がめを掴んだまま五階まで登らないといけません。しかも、螺旋階段になっており、途中では丸太が壁から飛び出てるなどの難所があるだけでなく、腕を下ろせないように、二の腕に刃を取り付けられる徹底ぶりです。


 最初のうちは本当に苦戦というか途中で落ちたりしました。よく、がんばれるなとさえ我がことながら、感心しましたよ。


 初めて登り切ったときは、感動しましたが……そこで終わりじゃありませんでした。今度は馬歩の姿勢で滅多打ちにされました。というか今もされてます。打撃に耐えるためだそうです……最近は鉄球など物騒になってきました。


 それを終えて、夕食の毒膳を食べたら禄存(ろくぞん)書院で様々な勉強をします。


 この書院、武功書以外にも方術、陣法、錬丹などの書も多数あり驚かされました。持ち出して売れば、一冊だけでも、すごい値段がつくとは、思いますが、持ち出しはできないそうです。写本は可能でも、外にもちだしたらいろいろと面倒になるだろうと、止めることにしました。


 これが、ここ3ヶ月の私の修練の内容になります。

評価や感想、ご意見など時間がありましたらどうかお願いいたします。

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