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114 初夜結後

 荻の襲撃を受けてから一週間がたちました。満足さんの伝手で荻城へとつないでもらいことのあらましを説明したら、詫び状とお酒が5樽送られてきました。今は、引退して蔵元になっていると。どうやら刃は、荻家の荒くれ者を引き連れて家出をしていたみたいですね。智も今は農家て……あの謀略の貴公子と呼ばれた彼がねぇ……時代は流れていたみたいです。


 そんなわけで、折角のお酒を楽しませてもらったのですが……やっちゃいました……


 ベッドには、いくつかのシミと……赤いシミ。そして、全裸の柚恵さん。なんとなく、記憶もありますが……これは確実に……その……


「起きられたか主殿」


 カ、カンナさんこ、これはですね。


「みなまで言うな。こういう場合は、今の時代では、『昨晩はお愉しみでしたね』といえばよいのであろう?」


 ノォォォォォォォォォォォォォォオ


「なにか間違っていたか? アヤカがこの様に言うのがよいといっていたのだが」


 あの……わたし【百毒不侵】があるから酔わない筈では?」


「確かにそうではあるが、良薬であったのだろう。あの酒は、霊薬もつけてあった薬酒だったが故に薬として吸収されたのであろう」


 そういうことが……いえ、けど……


「責任を取られよ。タオルと桶それと、柚恵殿の着替えは置いていく。では失礼する()()


 奥方て……柚恵さん?


 思わず視線を柚恵さんへと向けると


「あの……その……昨晩は……いろいろと……えっと……はうぅぅう」 


 布団に包まる姿も可愛い。いえ、そうではなく……うん、ここはやはりケジメが大事です。


「その……私も……受け入れたので……そんなに気にしないでください……」


 情けないですね。わたし。門主として『龍天武院』を率いるというのに、惚れた女性一人満足させられないとは不甲斐なし。


「満足できないとかは……そのなかったですよ?……どちらかというと気持ちよかったですし……その……」


 いえ、そうではないのですが、とりあえず、先延ばしになって申し訳ありませんが、とりあえず結婚式は1年以内に行いましょう。プロポーズもちゃんとしますので。


「た、楽しみにしてますね。エヘヘヘ」


 ふぅ……それにしても、なんで理性が効かなかったのでしょうか?


(本当に上手く行きましたけど……ここまで効果があるなんてしりませんよぉ)


――龍雄は知らなかった。酒の肴として出された、貝料理とホルモン料理。それを調理したのは、柚恵自身。単体では無害なものでも体内で吸収されれば養分となり、精力を強化する媚薬薬膳。

 ホルモンは発情させた牛、豚、鶏の内臓や肉を使用し、さらに香草なども松の実やクルミ、珍しいものならトリュフ塩なども使用していた。

 ある種の才能開花であったが、その事実を知ることになるのはだいぶ後の話。

 余談であるが、巻き添えで四名ほど、悶々として寝れない夜を過ごしたのは秘密である――


 してしましたが……してしまったのですが……


――【千輻霊門・揺光 開門】――


 凄いく実力が上がりました。今の戦闘力はどれくらいですかシンさん?


――解――

――92821――


 ここまで増えるものなんですか?


――解――

――薬師寺柚恵は【玄托体】でも最上位の一つ【天地陰玄托体】です――


 それはいったい?


――解――

――番となった伴侶の実力を引き上げる体質の女性のことです――


 そんな体質の人もいるのですね。


 なにはともあれ『武林祭』についてですが、会場となるのは武林盟少林寺ですか、かなりの資源が手に入る異篋とかかわりから日ノ本で影響力を発揮していますからね。


 みなさんなんか寝不足ですが修練を開始しましたし、カンナさんとアヤカさんとで『武林祭』の対策をしないといけませんね。


「それにしてもカンナ。この競技って」


「走破、狩猟、剛力、囲碁、書画、芸事、利酒、比武、宴席……九天連破ですね。これ、偶然でしょうか?」


「どうやろな。もしかしたら残ってたかもしれへんな」


 お二人ともご存知なんですか?


「天武神帝さまが催していた祭典に似ているのです」


「孫弟子がどんどん増えて、挨拶を受けるのが大変になったちゅうさかい、うちら核心弟子で集まって決めのが九天連破」


 もしかして、美髯老仙(びぜんろうせん)さんや律朱(りっしゅ)さんや雀呂(ざくろ)さん獅甲(しこう)さんに巳姫(みき)さんとかもですか?


「せや、あとはサワやんとカンちゃんもおって楽しかったな。アイツもあの頃は……」


「そう……ですね。皆で賑やかに……」


 何かあったのでしょうね。


「ルールもうちらがやっとたんと変わらんな。師匠一人と弟子を最大8人までやし」


「然り、囲碁と書画と芸事と利酒は比武の前の余興。宴席は締めとなる振る舞い料理を用意し天武神帝へ食事を献上するのが最後となる」


 つまり、本質は走破、狩猟、剛力、比武が大事と?


「そうでもあるが、他も疎かにするのはよろしくない」


「せや。特に宴席はしっかりせな門派の恥になってまうし、そこらへんもしっかりと練習せなあかん」


 なるほど。利き酒はわたしが出るしかありませんね。えっと芸事は確か朱里さんがダンスが得意といってましたし、演奏は菜桜さんがいいですかね。書画は、真守さんが書はやるそうですし、囲碁は……


「燕慈殿に任されよ。良き腕をしている」


「せやせや燕慈坊がええで」


 お二人から推挙とは上手いのですか?


「うむ。流れを読む才がある」


「珍しくカンナが負けてたもんな」


「むっ、それをいうならアヤカもであろう」


 囲碁は燕慈さんと。


 これでいいですね。宴席は柚恵さんメインでいきましょう。

評価や感想、ご意見など時間がありましたらどうかお願いいたします。


ようやく、体長が戻りました。コロナヤバかったです。

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