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110 綴李調書

 書調綴李(かきしらべ つづり)です。


 『龍天武院』の調査をさせてもらうことになりました。


 まず向かったのは、工房があるとのことでしたので、向かいました。この規模なら、そこまで大掛かりなものはないと思ったのですが……我が家の専属工房と大差ないレベルの工房が目の前に……おまけにドワーフが働いています。我が家でも一人しか雇えませんでしたが、十人はいます。


 けど、奇抜な武器が多いような。いえ、むしろまともなものが少ない気すらさせられます。


「それは、主殿が好きに作っていいと言われたからに候」


 あなたが工房長のサーシャさんですか?


「いかにも、話は聞いておる故に質問があれば自由にされよ」


 それでは、まずこれだけの物を作る資材はどこから?


「この敷地内にある鉱山から、傀儡『がんばれもぐら君2号』とともに採掘しておる」


 その、かわいいデフォルメされたものですか。可愛いです。


「かなり便利で掘ってくれる。ちなみに昨日の成果はあちらだ」


 仕訳けられてますが……魔鉄にミスリルにアダマンタイト…魔法金属のオンパレード。これだけでもそれなりの財産になります。


「使い道がないので、好きに使ってよいとの事なので、インゴットにして保管しておる」


 ドワーフ製のインゴットとは……交渉できないですかね?


「里ではできなかった研究が捗っておるぞ」


 写真などもとらせてもらいましょう。


 奇刀も多いですが、名品もありますね。


 次は、丹薬殿です。錬丹術師があの、薬師寺柚恵とは、凄いですね。彼女は准教授ですが、下級の丹薬の錬丹においては日ノ本でも五指に入る人材です。


 丹薬殿も西条家に負けないレベルです。


「えっと綴李さんでしたよね?」


 はい、見学させてもらっても。


「構いませんけど、いまから素材をとりにいきますけど」


 薬草園も見させてください。


「ここの薬草園は凄いんですよ。霊物や霊果なんかも手に入るんです。おかげで研究が捗るんです」


 普通に霊物や霊果が手に入るのはおかしいと思うのですが?


「そういうものかと」


 楽しそうに錬丹をしてますが、凄いですね。精密に炎を操っています。


 薬草園も見せてもらいましたが、そこまで等級は高くありませんが、安定して手に入るのならむしろありがたいものばかりですね。


 ……報告書に細かく書かないといけませんよね。兄上……みためチンピラぽいのに妙に細かいところありますから記載漏れしてたら多分お説教ですね。正座で。わたしもう27なのですが……


 この龍天武院の情報。これだけでも扱いが困ります。もう帰りたい気がします。


 商殿にも立ち寄ってみましたが、いい商品が揃っていますね。A級の魔石と交換した筆……一角獣の角と尾でできてますけど……いくら積んでも普通は手に入らないのですが……


「かまへんよ。それウチが扱ってる筆やと下から二番目やし」


 ちなみに何段階でしょうか?


「九段階やで。ちなみに最上級やと龍王の角と鳳雛の産毛で作られた筆やね」


 それは、どうやれば手に入りますか?


「最上級は、門弟やないとだせへんよ。そういう決まりやし」


 くっ……惜しいです。


 後ろ髪を引かれる思いですが、この筆もいいものです。わたしのスキルと相性がよさそうですね。


 さて、修練場を見学させてもらいましょう。


 修練をしているのは、赤坂燕慈(あかさか えんじ)さんですか、どんな功法を修練しているのでしょうか?


「ふぅ…【火燕】」


 あれは火の燕を召喚した? 召喚系のスキルは非常にレアです。特に十家以外で所有しているとは……成長次第ではS級になれる人材ですね。


 召喚系のスキルが手に入る秘訣があるとは、書院にいってみましょう。


「どうかされたか綴李殿?」


 カンナさん。書院を見学させていただきたいと思いまして。


「ふむ……書院の観覧は門下のみの掟故,それはできぬ」


 そこを何とかなりませんか?


「ふむ。書院の黄級未満の訣書が収められている別館なら構わぬか、そこから一冊は差し上げても構わぬと主殿もいわれておるしな。ついてこられよ」


 書院も立派ですね。ちょっとした図書館です。その隣に簡素な建物が別館でしょうか?


「然り。中には未整理の書が収められている」


 これが……あれ? 黄級未満て言ってましたけど……これは地級クラスの秘訣なのでは? あっ、けど、一部が欠損して不完全になってますね。


 こ、これは!?


――画天竜筆戯功――


 画功の秘訣書。しかもほぼ完全なモノです。


「ふむ。画功は、あまり修練をされるものがいない。望まれるのならもっていかれよ」


 わたしのスキルは【画霊召喚】これこそわたしの探してた武功書。ほんとうに貰っても?


「うむ。その代わりに」


 任せてください。このお礼は必ず……あと、お兄様にはしっかりと友好関係を構築するよう進言しなければ,凄い収穫を得ることができました。

評価や感想、ご意見など時間がありましたらどうかお願いいたします。


左手が腱鞘炎気味なのと、年末は忙しいため、本年の更新は今回が最後となります。

早ければ元旦に投稿できると思いますのでよいお年を

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