10 修練軽功
ふむ、この【神識】は知りたいことなどを明確にイメージすると、それら確認できるみたいですね。
試しに【ストレージ】内の物品もリスト化してくれました。
「主殿? 聞かれてますか?」
あっ、すみません。ぼーとしてました。
「心法が入門に入りましたので、これよりは、本格的な修練のお手伝いをさせていただきます」
よろしくお願いします。
「まずは、食事をとられると、よいであろう。食房へとご案内いたす」
食『房』ですか……ここでの房とは修練をする場所のはず……
――是――
ほら、システムウィンドーさんもそう表示してます。しかし、食事で鍛えるとはどんなところなのでしょうか?
「主殿、食房へは、この『貪狼流房』を超えていかねばなりません」
えっと、房というよりは川の上に、木が数本束ねられたものが、浮いているだけなのですが?
「難易度は今回は一番簡単なものとなっております。対岸まで軽功で渡り切ってください」
おぉ、軽やかに渡りきりましたね。軽功は身体を羽毛のように軽くし、跳躍力を高めたり高速で動き、極めれば水の上を走れる特殊な功夫ですね。
では、わたしも、いきます! とりゃぁぁぁ
ドボンッゴン……
げほっげほっ……落ちてしまいました。う~ん、力の入れ方がわるかったのでしょうか?
――否――
システムウィンドーさん違うのですか?
――是――
――神眼モードへの移行を推奨します――
神眼モード? 試してみますか。
――神眼モード――
おぉ、システムウィンドーさんがコンタクトみたいに。
――過去事象を解析しますか?――
――是/否――
これは是ですね。さて、どうなるのでしょうか?
――過去の事象を再現を開始します――
おお、先ほどのカンナさんの動きが、再生されてます。
なるほど、功力? うーん、いろいろと言葉がとりあえず、武功ですから功力としておきましょう。
――了、以後『功力』と呼称――
おっと、脱線してしまいましたが、足に功力で薄い膜というか板を瞬間的に作って移動してますね。
なるほど、そうすることで、木に衝撃を伝えないようにしてたんですね。面白いです。軽く試してみましょう。チャクラを足から放出するような感じですかね? ほうほう、なんとかできますね。
では、いきます。
トンッ! トンッ!
おっ、いい感じに行けますね。
ドボン!!!!
ゲホッゲホッ……し、失敗しました。調子に乗り過ぎましたね。
けど、楽しいですね。コレ。
ふぅ……、なんとか渡り切りました。三回ほど落ちましたけど……神眼の過去事象の解析で自分の動きを解析すればよかったんですね。
――是――
――解説、過去の事象解析は主の観測したことのみに適用されます――
――神眼は、観測した事象を元に未来を予想することも可能です――
凄いですね。神眼モード。
「渡り切られたようですが、主殿。その姿では食房には入れません」
あっハイ、めちゃくちゃ怒られました。
服装を整えて案内されました。
「ここは巨門食房の巨門食殿となります。では、こちらへ」
おぉ、凄い豪華な食事が、料理名はわかりませんけど。
「どうぞ召し上がってください」
凄い量ですが、食が進みます。けど、なんか痺れが……
「本日の献立は毒膳料理となっている。死ぬことはないから安心されよ」
安心て……あっ、なか呂律が回らなくなってきてるのに意識ははっきりと……
「将来的な万毒不侵を習得させていただく」
あっ、そうですか……最初に言ってもらえません。
「それに功力を高める霊草などもあるが、毒性もあるためにまずは十毒不侵からが妥当であると提案する」
提案というか、既に実行されてますが?
「毒があると伝えると、躊躇されると思い、このような、だまし討ちになったのは謝罪する。毒は功力を巡回させれば緩和されるので、励まれよ」
がんばります。
「そのまま、きかれよ。万毒不侵には前段階で百毒不侵に至る必要があります。その為には、五毒物が必要になります」
それ以外はあるのですね。
「ここには、様々な霊物や毒物が収められているので、食事は安心されよ」
なにを安心すればいいのか、わかりません……
あっ、痺れが抜けてきました。
でも、やはり最初にいって頂ければ……
「善処する。他にも寒暑不侵や金剛不壊などの習得もしていただくぞ主殿」
ふぅ……なんとか落ち着いてきました。
「こちらには、毒物はありませんのでご安心を」
……毒入りでも美味しく食べれるのは凄いですね。修行、がんばります。
評価や感想、ご意見など時間がありましたらどうかお願いいたします。




