story8.手に入れた幸せ
story8.手に入れた幸せ
:登場人物:
・鈴原 琳寧
・早乙女 ありす
・結城 魁人
・星蜜 レイ
(電話…出るかな……)
静かな家の中発信音が鳴り響く…1回…2回…3回…今の電話で発信回数は6回目なかなか出ず「もう他に女の人が居るんじゃ…」と考え始めた頃電話が繋がった
(!…繋がった!!)「あ、あの!カイリさん…」
『はい、決まりましたか?』
「…決まりました……あの私もし…もしカイリさんが大丈夫であれば…また一緒に出かけたり…したいです…」
『そうですか……無事決まり良かったですね。私は全然大丈夫ですので今度からまた都合が合う休日とか出掛けましょうか』
「その他にも言いたい事…あるんです…」
『はい?なんでしょうか』
「まずは…さっき言い忘れたのですが…この前はごめんなさい……返事はいつでも良いんです。聞いてくれるだけで良いです…私カイリさんの事好きです……最初…出会った時は「あ、この人が友達の推し」なんだ…と言う気持ちでメールアドレスも電話番号も知っても好きの気持ちはなくってただただ良いのかなって…でも…会って一緒に出かけたりしてる内に…好きになっていって……都合のいいと思われてもおかしくはないと思いますが…カイリさん…私と…付き合ってください…!」
『良いですよ。それではこれから恋人同士ですね』
「!……はい…」
嬉しく顔が緩み声までもトーンが変わってしまいそうになる。
『それじゃぁ失礼しますね。』
「はいっ…」
電話が切れベットに崩れ落ちる
「良かった……」
ーーーーーーーー
「って感じ」
「それじゃぁその後は交際続けて私の知ってる所って訳?」
「そう、招待状のね所からご存知の通り」
「なるほど」
ーーーーーーーー
招待状の届いた日の事…
「ん?結婚式の招待状?早乙女ありす……ありすからの招待状…?えっと…相手は…結城 魁人…?会社の人でもないよね…ん〜っ……聞いた事ない名前。でも参加しないわけないし丸…っと」
丸を付けてそして結婚式の当日となった…
(おっきい会場。過去に数回従姉やらの結婚式は行った事あるけど…ここまでおっきい会場初めてかも)
そう思いながら足を進め自分の座席へ向かう
(こんなおっきいなら…きっと人も沢山呼んでるんだろうなぁ。ありす人脈広そうだし…あ、ここかな…うん。ここだ)
自分の席へと着席する。着席ししばらく経った後に続々と人が入ってくる。そこで目の止まる人が数人…
「!?」(嘘!?ヴィネルイの……え!?あっちって新郎側の招待者だよね…どういう事…ユキト…エレン……レオ……イリヤ…ハヤト…嘘カイリ以外全員……居る)
『あ、ここかな』
『はぁ〜良かったわ〜全員休み取れて』
『ほんとほんと!あいつの嫁さん拝みたいしお祝いしたいもんな!』
『良いのかなぁ…俺なんか招待してもらっちゃって』
『コラ皆さん静かにするのですよ。行儀悪いです。煉、そんな考えしてはいけません、魁人が私達を招待したいから今日私達がここに招待されたのです。』
(発言順から…イリヤ…レオ…ハヤト…エレン…ユキト……エレンの事を煉って呼んでるって事は本名…軽々と言って大丈夫なのかな?)
『んだよ〜侑希〜式始まったら大人しくするからさァ〜』
(ユキトは侑希…)
聞き耳を立てながらこっそり5人の話を聞いて居てふと辺り見渡した時にある事に気が付く
「新婦側……男の人がありすのお父さんと凄く美形の男性以外居ない…」(と言うかあの男の人肌白い!!わぁ…めっちゃくちゃ綺麗な顔…透き通った様な綺麗な瞳…まつげ長い…足長…え、待って本当に男の人???言葉に出来ない……ありすの元カレ??いやでも元カレ結婚式に呼ぶ訳ないよね……あ、女の人が男の人の方行った……聞き耳を立てさせて頂こうかな)
『レイ!久しぶり、あんたアレ辞めたの?』
『ん?あ、久しぶり。流石にあれで結婚式来れると思う?』
『絶ッ対無理ね。変人扱いよ』
『だったら出来ないから』
『ねぇなんでレイがありすと結婚しなかった訳?美男美女だし幼馴染でしょ?それにありすの御両親と1番仲良い異性じゃない。レイありすの事好きでしょ?』
『好きだしその意見は言われると思ってたよ。告白だってした事あるよ』
『え!?マジ!?ありすの返答は!?』
『返答は「私もレイの事は好きだし大好きだしずっ〜と一緒に居たいよ。異性としても見れる。レイと結婚したって良い、だけど私はもう少しレイとこのままの関係で居たい。25になってもお互い相手いなかったら…結婚しよ」だ。』
『ありすらしい…でもさ結婚したってありすはレイと会う事辞めないんじゃない?だってありすの唯一の信頼出来る異性なんだからさ』
『まぁ俺も辞める気はないからな』
『ところで今度ウチにメイク教えてくんない?今度合コンでさぁ〜出来れば服も見繕って!髪もアレンジとかしてほしいし』
『その話後な』
『お!分かった!』
(あの人レイって言うんだ…あの女の人の話の内容的にありすと幼馴染で…仲が良くって…親友みたいな感じ…?)
そして式始まった…次々と進んでいく式みんなが祝福ムードでいっぱいの時に新郎新婦のそれぞれの友人からスピーチとなった。新郎側はカイリこと魁人の腐れ縁だと言うユキトが務めた。新郎側は終わり新婦側のスピーチの番、当然琳寧はスピーチを頼まれたこともないし招待状来るまで結婚は知らなかった
(ありすの方は誰がスピーチするんだろう…親族の御両親のどちらか?)
「それでは新婦の幼馴染星蜜レイさん宜しくお願い致します。」
(あ…男の人がやるんだ…幼馴染なんだ…ありすの幼馴染かぁ〜きっと昔のムービー流れながらスピーチするんだろうなぁ〜)
レイは静かに席を立ち移動しマイクを持ち紙もなしで話し始めた
(!?…ユキトは紙ありで読んでスピーチしていたのに…記憶力良いの?)
「この度は御結婚誠におめでとうございます。お二人の結婚を心から祝福致します。さっきスタッフさんがおっしゃられたように私はありすの幼馴染です。昔から傍で見てきましたがありすは本当に私以外の男とは必要な用事等以外喋らず接しもせず、困った時は手を差し伸べる事しか異性と接点もなく告白も全て断っていたあのありすがようやく好きな人を見つけめでたいことに結婚。時がありすを成長させたんだなと思います。小さい頃から人形の様に可愛く綺麗でフリル服も似合い、優しい心を持ち誰であろうと人を敬い気遣い、何事も努力を重ね実力を手に入れる努力家で何事も完璧にこなすありすですが、天然でドジっ子で…放っておけない一面もある…最初は外見で惚れた新郎も付き合って行く内に中身で再度惚れ直したかと思います。老若男女問わず愛される人柄…そして」
スラスラと沢山の事を喋って新婦をベタ褒め止まる事の無いずっしりとまとめられた内容、ありすは赤面のままだったかそろそろ自分で止めに入った。新婦の席から立ち上がりスピーチの場所へと行き幼馴染だと言う男の袖を掴みクイクイと引っ張る
「ありす?」
「れ……れい……も…もう恥ずかしい…からやめて…」
赤面で恥ずかしさのあまりうるっとなった瞳で身長差もある為上目遣いになってしまったありすにストップを入れられレイはそっとマイクを手から離し「ごめんなありすもう止めるよ」と言い席に戻って行く
(あの私の頭一個分は身長が高いありすが横に並んだらちっさく見えるって事は身長高いんだなぁ……カイリでさえ同じぐらいかちょっとほんの少しだけ上ぐらいなのに)
そしてその後は食事会となった。新郎は新郎側の招待客達と食事、新婦も新婦側の招待客達と食事。
新郎は両端が両親だが新婦は右が幼馴染、左2席に両親と言った感じで少し配置に不思議さを感じつつ食事をする
「ありす本当に結婚おめでと〜まさかカイリと結婚するなんて〜」
「琳寧ありがとう。ビックリした?これでも琳寧招待迷ったんだよ?招待して縁切られちゃったら悲しいから」
「ビックリはしたけど縁切らないよ〜」
「良かった。」
「お幸せにね!」
「うん!」
「ところで…あの聞いて良い?」
「ん?何?」
「どうしてありす側はお父さんと幼馴染?の人以外男の人がいないの?」
「あ……あのね。男友達とか私居ないからこうなっちゃったの、かと言って仕事の男の人ともそんな仲良い訳じゃなくってね…」
「あぁ…なるほど、それにしても美形過ぎない…?見惚れる程なんだけども……」
「そう?見慣れると普通にしか思えなくなるよ?」
「羨ましい〜」
何事も無く食事会も終わり結婚式は終了した。
次回へつづく・・・
皆様後書き失礼致します。
まず星蜜レイに関しましては正真正銘ありすと同い歳の成人「男性」です。
戻るかと前回言っていたのは女の姿でありすの隣でいるのをやめてありすの結婚を気に素に戻る。と言う意味です。
もちろん幼馴染でお互いが産まれた時から両親同士仲が良く子供同士も仲良くなり幼稚園 小学校 中学校 高校全て一緒で学生時代は男姿で過ごしていたのでありすはレイが男だと言う事を知っております。
成人して少しの間は素の姿でありすの隣に居たのですが、それが原因で他の男から怒りを買ってしまいありすが怖い目に会い始めてしまったのが原因でもう怖い思いはさせまいと渋々女装の道に行ったという事です。
これからは素の「男」としてレイは登場しますのでご理解頂けると幸いです。
それと「ローイズの野望」と同じように「友達が推しと結婚しました」も本日からリアルが忙しくなり感想返信が出来なくなります。
こちらの感想も隙間時間にどうかな?と思い見ますし1,2件だけでも返信するかも知れませんのでご理解頂けると幸いです…(*・ω・)*_ _)ペコリ