story12.想う気持ち
story12.想う気持ち
:登場人物:
・鈴原 琳寧
・結城 魁人
・早乙女 ありす
・星蜜 レイ
俺達はお互いの母親が知り合いだったと言う事でまだ物心もなく言葉もまともに喋れない頃から常に一緒に遊んでた。
毎日のように一緒に遊んでたまに喧嘩に近い事をして俺がありすを泣かせてしまった事だってある。小さい頃なんて正直覚えてなく小学生の時程から現在までの記憶しか覚えてない。
実家帰省をすれば2人で昔のアルバムを見たりお互いの覚えてる範囲で昔の事を話したり、周りから見れば十分に仲が良くって兄妹みたいとか言われる事が多い…だけど俺は物心ついた頃からずっとありすが好きだった。兄妹とかそんな手の届きそうで届かない様な関係に見られているのが嫌いだった
自分の想いを伝えても返って来たのはYESかNOの返事ではなかった…
「レイ?珍しい。私に用事あるからどこかに来てくれ…なんて、どうしたの?」
「ありす急に呼び出して申し訳ない。実は言いたい事があるんだ。」
「……なぁに?もしかして学校で会うのやめよう〜とか?」
「違うんだ…ありす好きだ、良ければこんな俺と付き合ってくれないか?」
「!……私もレイの事は好きだし大好きだし……叶うならずっ〜と一緒に居たいよ。レイの事異性としても見れる。レイと結婚したって良い、だけど私はもう少しレイとこのままの関係で居たい……な…25になってもお互い相手いなかったら…結婚しよ」
「…そうか……分かった…」
「私のこの返事じゃNOの返答に思うかもだけど…そうでもない…って言うのは…分かってほしい……」
「分かってるさ、悪いな。急に…じゃぁ俺先に帰るからまた明日な」
「う……うん…」
告白の返事は約束で結果ありすは自分が好きになった奴と結婚した…
ありすの前では平然を装っててもいつも相談されたり話をされて聞いてるのが辛い…
(あこれで確実に俺の恋は終わったと思うと…覚悟は出来ていたのに泣きそうだ…いざとなると心に来るや…)
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「レイ…ごめんね……昔から…ずっと…迷惑ばかりかけて……大人になればレイに迷惑かける事無くなると思ってたのに変わらず迷惑かけて…」
「気にする事はない。ありすは1人で抱え込むと考え過ぎたり色々してしまうからな。俺で大丈夫なら何でもするさ、だから気にせずに…な?」
「……うん…ありがとう…レイ…」
「体調はどうなんだ?どこか痛かったりとかするのか?」
「頭痛いとか…お腹痛いとか……そういうのじゃないの…」
「じゃぁ気持ち悪かったり体が重いダルい……とかか?」
「…ううん…そうでもない…」
「そうか…あまり深くは聞かないし俺が言えるのは、ゆっくり休みなって事だけだ。必要な時以外無理に動かずゆっくりしてな、急に起き上がるんじゃないぞ?それじゃぁな。」
そう言い立ち上がりありすの頭を撫でて部屋から出て行くレイ
「私……諦めの悪い女なのかな………」(結婚したのに……新しい人と出会ったのに…まだ私…引きづってる…どんな行動が正しいの…?誰か…教えて…)
布団の中にうずくまったその時扉をノックする音が聞こえた
「はい……」
『あ、ありす…入って…大丈夫かな?』
「…ごめんなさい…今日はもう疲れたんです…」
『そ、そうか…疲れてるのにすまない…』
「はい…申し訳ございません……おやすみなさい…」
『あ、あぁ…おやすみ…』
扉の向こうで遠くなって行く足音、他の人には会えたのに旦那には会う気力がない自分に嫌気がさす
「きっとガッカリしてるだろうな……本当にごめんなさい…魁人さん……」
そう呟き眠りにつく、翌日仕事が休みだと言う事で昼頃から琳寧が様子見に来た。それから夕方程迄色々喋ったりし帰り際…
「ねぇ、ありす今度私数日ほんの少しの間ね。出張的なのに行くの、お土産買って来ようかなぁ〜なんて思ってるんだけど何がいい?お菓子系統かキーホルダーとかそう言う系統か!決めてくれればありすの好きそうなの買ってくるよ」
「出張……?ふふっ、そうだなぁ……無くなっちゃう物より…残る物がいいな…」
「キーホルダーとかそう言う系統?」
「うん、その出張先にどんなのがあるかは分からないから…詳しくは言わないけど…琳寧が選んでくれたものなら何でも嬉しいよ」
「りょーかいっ!あまり期待しないで待っててね」
「分かった。期待してる」
「しないでって〜!も〜っ……」
「友達からのお土産に期待しちゃダメだなんて嫌だなぁ〜……」
「じゃぁその期待に応えられるように頑張ってお土産選びするよ!」
「楽しみ」
そう言って微笑むありす。
「ささ、あまり起き上がってると悪化しちゃうかも!メンタル問題だとしても上司に聞いたんだからね〜っ?入社してから会社自体の休み以外休んだ事ない上にどこの社員より何倍も働いてたんだってね?ありすが気付いてないだけで体に負担とか色々来てるかも!安静にしよ?」
「ふふっ……うん、ありがとう…完全に安静…とは言えないかもだけど…休むよ」
「それで良いと思う。よし!じゃぁ私はここで失礼するね。長くお邪魔しちゃってごめんね。喋って疲れたでしょ…?」
「良いの気にしないで嬉しいから」
「それじゃ、また来るね。ばいばい」
「うん…ばいばい」
琳寧が部屋から出て行き振ってた手を下げ俯いてしまう
(1人になると……寂しい…魁人さんはいるけど…旦那さんとかそう言うのでの寂しいじゃなくてって友人としての人肌恋しい…感じが凄い…本当は引き止めたいけど迷惑かけちゃうだろうし……それに…これ以上は長時間私といたくないかも…ううん、ダメダメこんな精神状態じゃいつまでも治らないからダメダメ!!)
首を左右に振り前を見上げる。
(早く治して仕事復帰して会社の人の手伝いとかして…家事とかもしなきゃいけないし暗く考えてる暇あったら治す事に専念しなきゃ会社に迷惑かかるし周りの人に心配させ続けちゃうよ…頑張れ私…!!早く治して…琳寧とどこか…出掛けたいな…レイとも…出掛けたいな…魁人さんとも出掛けたい…3人と出掛けたいな…その為にはこの状況治さなきゃ)
次回へつづく・・・




