閑話 神官の本性 後編
次からは主人公ラント視点に戻ります。
「……ん…ここ、は…?」
どこかで私は目を覚ました。私は埃まみれの古びた机と椅子だけが置いてある部屋に横たわっていた。
私が周囲を観察していると、アイツが入ってきた。「おはよぉーう!リ・ム・ルちゃん!!いやー寝顔もかわいかったけど、やっぱり起き抜けは最っ高だね!リ・ム・ルちゃん!」
私はこの声を聞くだけで吐き気を覚える体質になってしまったようだ。拭いようの無い嫌悪感が体中を駆け巡る。
「一体アンタは何がしたいの!?もうやめてよ!!」
私が体の底から搾り出したこの言葉で、アイツの態度が一変した。
「だまれ!お前なんかが僕様に勝てるわけがないんだ!何が剣聖だ!馬鹿馬鹿しい!僕様の方が凄いに決まっているんだ!」
そう言うとアイツは私の横にある花の花瓶をドン!と叩いて割った。
つい反射的にビクッ!としてしまったけど、あくまでも動じていない振りをしながら話しかける。
「アンタは私にどうして欲しいの!?」
「簡単なことだ。僕様に逆らうな。あとネズミを退治しろ。わかったか?」
私が聞くとアイツが淡々と話し出した。
「…どうだ。そろそろやる気にはならないか」
「ええ、全く」そうだ。私は動じていない。
まだアイツよりかは穏やかに話す事が出来ている。
少なくとも今は私の方が有利だ。
「ああ、そうかい。残念だなぁ!この僕様に従う気が無いなんて!良いかい?僕様に逆らうとこうなるんだよっと!」
そう言うとアイツは私のことを殴り始めた。
何発も何発も。しかも殴るフリをして胸をまさぐっている。
「ひゃっ!?触らないで!」
私はそう言って手をはねのけた。
しかしアイツはそれすら楽しんでいるようで、
ずっと笑っている。
「ハァ…!良いよォ…!これこそ僕様の下僕となるに相応しい女だ!」
そう言うとまた胸を触ってきた。
「だからやめてって言っているでしょ!!」
また手を跳ね除けたが、アイツは喜んでいるようだ。
……怖い。気味が悪い。
私は少しずつ恐怖に蝕まれていたようで、
とうとう私は本能的に勝てない、と分かってしまったようで、体が動かせなくなった。
「もう終わりかい…?しょうがないなー!でも流石は剣聖だ。ねえリムルちゃん!この薬知ってる?」
そう言って私の目の前に瓶に入った薬を差し出した。
「ああそうか!知らないんだね!この薬はね、強制洗脳剤って言ってね、相手に従うようにすることができるんだ!」
強制洗脳剤…!そんなものを使ってまで剣聖を手なずけようと…
私は体を動かして薬を口に入れないようにするが、
当然そんなことで避けられるわけが無い。
私の口の中を薬が伝って行く。
「さあ…!早く僕様のものになってね!リ・ム・ルちゃん!」
薬を全部入れられたようだ。
「----っ!」
なんとも言い表せない激痛が走る。
その痛みを最後に、私は何かを忘れた。
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「リムルちゃん!まず冒険者ギルドに行って適当にやっておいてね!一ヶ月後にネズミを退治するからね!」
……ああ。そうだった。私は彼のためにネズミを殺さなきゃなんだ。
「はい分かりました。ご主人様」
私は冒険者ギルドに向かった。
【最後に】
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