始まり
「やばい…はやく学校に行かないと…」
大翔は大慌てで家を出た。自転車登校なのでさほど時間はかからないと思うが。だが学校までの道のりは結構険しい方だった。
「坂多すぎだろまじで…」
「おぉーい大翔ー!」
遠くから声が聞こえた。後ろを振り向くと幼なじみの麻美だった。麻美は中学生の頃バスケ部に入っていてクラスではムードメーカーってやつ。俺とは真逆だ。しかも美人。最強だろ。
「なんで麻美がいるんだよ」
「そっちこそ、なんで大翔がいるの」
「俺は…寝坊したんだよ…」
「え、寝坊したの?」
ニヤリと笑い馬鹿にしたような顔で麻美は言った。
「お前もだろ」
「違うよ、起きて時間をみたらこの時間だったの!」
「それを寝坊と言うんだよ…」
しばらく話している間に学校の校門前に着いた。結構キツかった。運動不足だ。自転車から降りて急いでクラスを確認しすぐその教室に向かった。
「はぁ…はぁ…」
ガラガラガラとドアを開けた。
「遅れてすいません!」
既に自分以外の生徒はみんな来ていたようだ。当たり前だが…すると先生が
「遅いじゃないの、もうとっくに入学式は終わったわよ」
「はい…ごめんなさい…」
「まぁいいわ、君の席は…窓側の1番後ろね」
「分かりました!」
少し先生の顔は怖かったが女の先生だし、しかも美人だった。最高。これは幸先いいのではと思ってたが…
まさかこんなことになるとは、それは普通に廊下で歩いていたら…