シリアルキラーの誕生04
……ふふっ。
いや、そんなに真剣に聞いてくれなくてもいいのよ?
同情なんかする必要ないし、私は初めにも言ったけど殺人鬼だから、罰せられるべき者。
まさか重犯罪者に恋する変人じゃあないわよね…
貴方を馬鹿にする方が楽しいけど、まぁ匿って貰ってる代償だもんね、続きを話してあげる。
食後、空き部屋に案内されこれからこの部屋が私の部屋だと言われた。
少し埃っぽくて煤があるけど別にそこまで気にしなかった。
それより部屋を案内される途中にあった階段の向かい側にある地下室への階段?っぽいのが気になった。
今の状況で自分が本能的に悲しみから逃れる逃げ場を探していたのかもしれない。ただただ見てみたいという好奇心に駆られた。
なんでだろ、ほんとさっきまでは不安で仕方なかったのに
衝動が抑えきれず、真夜中に覗いて見る事にした、それが初まりの始まりなんだとも知らずに………。
ゆっくり足音を立てないように階段を降りていく、降りる度に鳴る階段の軋む音に怯えつつ、それでもゆっくりと1歩ずつ下がった。
そしてなんとか地下室の扉の前まで降りきると、まるでその先に魔王でも居るかの様な扉が聳え立っている。
まぁ、居ないんだけどね(笑)
その向こうに待つ謎への恐怖でドアノブにかけた手が震えた。
でも決心して力を入れてドアを開ける。
これもまた結構古い扉らしく軋む音がする。そして扉は奇声を上げながら開く。
ギィィ……ってね。
唾を飲み込んで、ゆっくりと足を進めた先にはたくさんの薬品とたぶん調合なので使う道具、注射器なんかが並んであった。
自然と脚が動き前に進むともう一つ扉がある。
吸い込まれるように私はただ周りを見渡しながらまっすぐに進みその扉も開けた。
そこには白衣姿の男が立っていた。
少し驚いたがおじさんかと思い同時に勝手に入って来てしまったことに悪い事をしたと思い少し戸惑った、だけど
「はは、気になって入ってきたんだね、おいで、面白いもの見せてあげる。」
と言われ怒られなかった事にほっとしつつ優しく振舞ってくれた事が少し暖かく感じた。自然と私は少し安心感が芽生えた
「うん。」と私は頷く。
すると男は一つの水槽の様な物を持ってきた、そして机に置くと、そこに見えたのは一匹のネズミだった。
「このネズミは病気なんだ、みてごらん、後ろ右足を引きずってるだろ、」
確かにそのネズミの足は悪い様だった、私は黙って頷いて見てみる。
「家で育てている薬草を絞ったものを注射するとね、」と言ってゆっくりとネズミの足に注射針を刺し注入していくと、傷は嘘のように無くなりみるみるネズミは元気になる。
驚いて目を見開きそれが確かなのかまじまじと見たけど、確にネズミは正常にもどっていた。
確かにこれには驚かされた。
だけど数分してネズミが首を急にねじらせ奇声を出しながら苦しがりだした。
その生々しい姿が見ていられず後ずさる、
「ね、、ネズミがっ、、苦しがってるよっ!、、どうしたの?!」
全身に鳥肌がたち声を振る私にこの男が発した言葉が
「…なんだ、、また失敗か。」
だった。
この時私は悟った。こいつは危険だって。
震えて後退り棚に背をぶつけ驚いて振り向くと、沢山のネズミが狂い死んでて、 こういうものって嫌なくらいに一つ一つ目に入って来くるのよね、
異常なまでに牙や爪が伸び自ら舌を噛み死んでいるネズミや目が異常に充血し吐血て死んでいるもの、身体か大きくなってたりとか、、死ぬ間際に凄い速さで回り続け狂い途端に倒れるもとか、、
もう自分までおかしくなったみたいで目が割ってきて、自分の両肩を抱きしめ震えながら座り込み叫んだ。
「あはっ!あははっ、まあこんなの見たらさすがに怖いよねー、いやいやっ、まさかこの部屋の鍵を掛け忘れるなんて、気をつけないと。ほんと。」
この男は狂ってるんだって、今更気付いた。
わここを離れたくて立ち上がろうとしたけど震えていて立ち上がれない、
トドメに男が言い放ったその一言が私に終わりを告げる
「ずっと思ってたんだ、、ネズミだから駄目なんだって、、なら魔界人なら、、テイルちゃんなら、、どうかな?」
いや何でそんな考えに至るんだ、狂ってる(笑)
沈黙と共に男を震えた目で振り返るとその
男の目は狂ったネズミと同じような目付きに見えた。
……そこからの記憶ははっきりと覚えてなくて、ただ冷たくてよく音の響く部屋に入れられて押さえ付けられて。
次に何かを注射させられた…それから急に視界が変になった。ここからがほんとに意識が朦朧してたかな、
望遠鏡みたいに遠くが近くにみえたり、一つ一つの物が過敏に目に入って男が落としたペンがやけに遅く地面に落ちる瞬間を見つめてたり、脳が激しく揺れる感覚……。
よく分からないけど、、そのまま目が重くなってきて、、それで私は気を失ったとういうか、死んだのか分からないけど、
死ぬ瞬間の走馬灯なんか無かった。
ただただ苦しかった……。
大変お待たせしてすみませんでした。
仕事が忙しくなかなか手が付けられずにいました。
これからも長くはなると思いますが、できるだけはやめはやめに投稿できるよう、努めて参ります。
また、前書きを必ず主人公のテイルに任せているのは、できるだけ彼女を知って欲しいからであります。
もちろん、自由に話させていますから、話の根本的な部分が掴めない事ばかり言っていますが、ご了承下さい(苦笑)