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銀髪の殺人鬼(シリアルキラー)   作者: もときち
2/15

シリアルキラーの誕生01


2016年の8月、ある日の昼下がり、俺は怪しくも美しい、銀髪の女性に出会う。


彼女は何者から追われ逃げていて、外傷が酷く、そんな状況下で俺とばったりって感じ。ロマンチックか?


当然匿ってあげて3日にもなる訳だからこのあとの話に繋がるのだけど、どうも礼儀っていうか、助けてあげてるっていうのに恩が伝わらない。口を開けば俺を茶化してくる。


そんな彼女に何者なんだと聞いてみた。


彼女は初めて自分の事を語ってくれた。




「銀髪の殺人鬼の名を語り継がれる前、私がどういう経緯でこうなったかをまずはその生い立ち、簡単にまとめると


私の名はテイル・ケルウィー。魔界の少し裕福な家に生まれたなんの取り柄もないごく普通の少女だった。


父は自由な魔界の中で唯一仕事がある城の管理官を務めている。正義感が強かったな、名はヴレン・ケルウィー。


母は主婦で、結構冷静さがあり綺麗な長い黒髪だったのを覚えている。 それだけ。名は零烙(レイラ)・ケルウィー。


そして今後魔界を一変する、普通ならこの人の物語にスポットライトを当てた方が良い存在。それが長男。名は紅霊(グレイ)・ケルウィー。


兄は父よりも正義感が熱かったな。でもリーダーを務められるほど周りをまとめられいた訳じゃないけど、事(魔界戦争)を起こしたのは兄だから、それに皆賛同する形で、兄が主将になって、見事暴虐な魔王からその座を勝ち取った。


こんな感じで家族の紹介は終わり、じゃあそろそろ、この私の過去について語ってあげる。」


テイル・ケルウィーは宙を見上げ語り始めた。



「…静かな夜、白銀の月、鈴虫の鳴く声。

こんな夜は人間界でしか見ることができない。


今日も軽くスキップしながら夜風にあたる



私が手に持っているこの刀も、この場所だとほんとに良く輝いている。でも、その牙も今はまだ口を閉じて隠す……


そして獲物を見たら瞬時に口を開き首元に喰らい付く……


今日も私は人を斬った。



鈍い音と共に斬られた事に気づかず倒れ る獲物(人)。この瞬間(とき)自然と私はにやついている。


その後見つめていると焦げ色のアスファルトにそれは赤黒いが生き物のように一定の粘土を持って進み、広がっていく……。


この時初めてにやけていた口元から声が漏れる。


「ふふっ。」


と。


でも同時に苦しくもなる。だから自然と涙が溢れる。


……そうそう、前に街中で私の瞳を見たある占い師は


「貴女の瞳は紫色の水晶玉の様に美しいのだが、何処か暗く濁っている様にも見える、外見は美しくも中身に大きな闇を持っていそう…不思議だ…君は、とても壮絶な人生を生き抜いて来たみたいだね、」


だってさ、大袈裟ね。

……壮絶だったのはその通り、でも綺麗じゃない。私は人殺し、いや殺人鬼か……。


石を真上に軽く投げその石が地に落ちるまでに5人は殺せる。


そんな者の眼が美しいなんて事ない、人殺しの目はいつだって暗く不自然で、人を()る時は刃の様に鋭い目付きへと変わる。


そう……一度人を殺してしまえば、二度と輝いた眼に戻れるわけない…二度と……。


数々の殺人鬼はだいたい人を殺した時に快感を覚える、そして次々と殺していく…。



”でも私は好きで殺ってるんじゃない”



信じられる?





第一刻「悲劇と恐怖のはじまり」


あの時を振り返ると、ほんとに酷かったな…。


魔界戦争が始まって、ほとんどの魔界人は家にこもった。兄が始めたこの戦争は父を殺した魔王への復讐と魔界に法を作るため。


魔界は当時酷く荒れていて、城下の街はいつも荒れほうだい。酒に溺れ大暴れ、そんな連中ばかりだった。ろくに道も歩けないくらいに。


そんな魔界を安泰にしようと最初に魔王に押し掛け意見を述べたのは父だった……。


けれど魔王は聴く耳持たず父を反逆者とみなし公開処刑。


私はその時母と家にこもっていて、その光景を見ていたのは兄で、多分それで火がついたのかもしれない。


その二日後の早朝に私が目を覚ましリビングへ行くと、母が首を吊っていた。


私は当時まだ幼なく、当然か弱く、ビクビクと震えていた、それを見た時は声も出せなかった。


でも、兄が続けてリビングに入ってきてそれを見た時、真っ先に私を慰めてくれた。


「大丈夫、お兄ちゃんは居なくならないよ。」


てね。


今思えば、妹である私が居たから兄として泣かなかったのかもしれない。その時の兄の手の握り拳はとても怒りで震えて見えた。

でもその手は直ぐに開きそっと優しく私を抱き締め慰めてくれた…。


でも正直それじゃ落ち着けなかった、


その後兄は集めた仲間と毎度前線に立って戦うと言って仲間を集めた、そのうち死んじゃうんじゃないかって不安だった。


怖かったし、嫌だった。だから思い切って聞いていみた事がある。


「なんで魔王と喧嘩するの?、反抗しなければ何もされないよ?」


でも兄はこう言った、


「何もしなかったら何も変わらない、父さんと母さんの為にも、俺は魔王に勝たなきゃいけない、そしたら俺が魔王になってこの魔界を絶対、安泰にしてみせるから、それまで待っててな、」


そうして兄は仲間と共に宣戦布告し、魔界戦争の最前線へ向かう。


どうしてそこまで必死なのか当時の私には理解できなかった。


でも、戦況はそう有利ではなかった。魔王側の荒くれた軍は勢力を上げている一方、こちら側の反乱軍は数が少なく、圧されていた。


この時兄はとても辛かった思う。仲間を一日でいくつも亡くしたのだから。


戦争は等々私の住んでいる地域にまで広まった。


そう、そこで兄は私を親戚の居る田舎町まで避難させ、その避難先で私の人生は狂った。


兄が悪い訳ではない。ただ、疎開先の親戚が狂い者だっただけ…。


先ずはその話をしてあげる……。




ご覧になって頂き、誠にありがとうございます。


今後も少しずつ、投稿してまいりますので、是非読んで頂けたらなと思います。


何分初めての投稿なので、至らない所も多いですが、よろしくお願いします。


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