表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
銀髪の殺人鬼(シリアルキラー)   作者: もときち
17/17

殺人鬼と吸血鬼_01

結局その後の会話は続かず、俺達は喫茶店を後にした。

そうして暫く会話もないまま辺りをぶらついていた訳だが、流石に飽きてきたので、ここいらで帰ろうかと声を掛けようとした所で、テイルが先を越して俺に振り返り言葉を発した。


「ねぇ、休まない?少し眠りたいわ。」


「あぁ、そうだな?俺も飽きてたとこだし、帰るか。」


「帰らない。」


「は?」


矛盾した返答に素で声が出る。


「だから、家まで待てないわ。それにベッドが良いし、」


「俺の家が貧相で悪かったな……それにしても急だな、いや前からか?」


「余計な力を使ってるから、仕方ないわ。」


「なにか出してるのか?見えない感じの?」


少し茶化すように問いかけて見るも、出てきた答えは期待していたものとは正反対だった。


「……殺意を抑えることよ。」


「あぁ、そうだったな。」


そう、この人間に似て非なる存在の主食は人間だった。


「ホテルで休みたい。」


「え、、あ、ホテル?」


唐突なワードに固まる俺をテイルは気にもとめず、歩き出す。


「(まぁ確かにベッドで休むとなりゃそうかって、、、いやでも流石に無関心すぎるだろ!)」


俺の溝にあの時一発かましてダウン取ったシーンはどうなったんだか。


内心そう思いながらも口にはせず、テイルの後ろを着いて行くとやはりラブホテルに着いた。まあまこれは予想通りだ。


俺くらいの歳の奴はだいたいラブホ=ヤる流れの思考しかないから困る。


当然意識せざるを得ないのだが、これが例え薄い内容の物語であっても、薄い本の展開になる訳には行かないと自分の余計な妄想は飛ばす事にした。


(つまりそう、、休憩しに来た、それだけだ。)


ここ出てお前らに言ってやるよ、期待したか?残念だったな?って。


(……いや誰にだよ。)







「じゃあ、シャワー、浴びてくるわね?」


そう言いテイルはシャワールームへと向かう。そして服のボタンに手をかけ一つ一つ外し始め_


(って何してんだ?!)


「おいおいおい!そこで脱ぐかよっ?」


「何言ってるの、他にないでしょ?」


言われてみれば、辺りを見渡せば何処にも脱衣所なんてないから、そこで脱ぐしかない。


「だよな……」


丁度シャワールームを背にソファがあり、その向かい側にテレビが置いてある。


俺はソファに腰掛け、電源の入れていないテレビを眺める。


「せめて俺の視界が外れてる時に脱いでくれよ、」


「はいはい、」


ここでテレビを付ければ決まってそれらしいモノが映し出されるに決まっている。何度も言うが薄い内容の物語であっても、薄い本の展開になる訳にはいかない。


幸い曇りガラスなお陰で裸体が丸見えなんてことは無く、安心はしたが、、シルエットは見える。だからどの道テイルがシャワーを浴びている間はソファに座って見ないよう顔を伏せる。


……

ともあれ、蛇口を捻る音からシャワーの出る音、見てはいなくても音の情報は入ってくるから厄介だ。


心の中で奮闘して30分くらいだろうか……蛇口を捻る音がして、シャワーが止まり、扉を開く音がする。


「……っ、」


緊張して両膝を握る。どうとでも言ってくれ、俺はまだ16歳なんだよ。


「ねぇ、バスタオル取ってくれない?」


「なっ、、どうやって」


朝一軽い買い物へ行く前に俺に溝打ち決めてきた奴が何を考えてるんだ。


「どうって、あぁ、そういう事。」


そのニュアンスから何かを察してくれたのなら有難い。ただ、それは少し小馬鹿にしているようにも聞き取れる。


ひたひたと素足でフローリングを踏む微かな音、俺の後ろを通り過ぎ、クロゼットを開け、バスタオルを取り出している音がする。


(こいつ。笑ったな?)


「…趵渾(さくま)はいいの?」


「いや、休憩するだけだしな?」


「そう、」


背後ではバスタオルの微かな音と、ハンガーから着替えを取る音がする。


趵渾(さくま)は、何が欲しい?」


「は?急になんだよ。」


足音が近づいてくる。

そして俺の視野に入ってきたテイルを見上げると、バスローブ姿に頭にはバスタオルを巻いた状態で、俺の隣に座ってきた。


「……っ?」


(なんとまぁ無防備な…殺人鬼って怖。)


「正直服まで買って貰えた訳だけど、私は貴方から与えられてばかりだわ……というか、一つつ疑問なのだけれど、あなたのそのお金、何処から出てくるの?」


急な質問転換に少し戸惑いつつも、まあ遅かれ早かれ聞かれるであろう問に、俺はまだ平静を保てそうだ。


「あぁ、まぁ離れて親が暮らしてっから、そこから。毎月金振り込まれて、好きに使えって感じだ、」


「じゃあそれなりに裕福なんだ?」


「……じゃねぇか?興味なんざ無いがな。」


なんたって俺の両親は根っからの仕事人間で、家になんか半年に1度や2度しか帰ってこない、その癖俺含め3人も産んでおいて、しかしそれは単に普通の家族を演出するためだってさ。


俺の覚えがあるうちから無表情で、小学生から中学生までと、怪しまれない為に入学式、行事事、三者面談、卒業式には出席してた。あくまで仕事の一つ二つをこなすみたく、俺らもその時正に久しぶりの対面って感じだ。


家事は全て姉がやっていた。だから姉は母親と電話でやり取りしていた。バイトもかけ持ちし、わざと家の金には手を出さずに自分の必要な物は自分で稼いで買っていた。それが姉なりの反抗なんだろうな。


俺は俺で産まれ付きこんな病であるのに拍車をかけて学校で問題を起こし、親を呼び出そうとしたがダメで、後日ご丁寧に謝罪文と慰謝料が封筒で相手方、また学校側にまでに渡されて、問題を鎮火するのがお決まりのパターンだ。


俺を叱るのはいつも姉で、妹が慰め役だった。


ともあれ一つの大事を起こして縁を切られてからは、何不自由ない金を口座に振り込まれる代わりに一切関わる事を許されなくなったよ。だから家族が何処へ越したのかは分からない。だから金は送金されてくるのに通信手段は一切ない。探知されることを嫌がり携帯も持たせて貰っていないから、言わば飼い殺し状態とい。


「ふーん、、貴方厄介者じゃない、」


(なんだ、話しちまった。)


「問題つっても、全部が全部俺のせいじゃない。妹をいじめた奴に俺がやり返してやっただけだ。」


「何それ、、正義感?」


テイルは自分の片膝を抱き、そこに頬ずえを付き俺をまた茶化すように見つめる


「んなもんなくても、家族が痛めつけられたら無意識で動くもんだろ?」


「……確かに、そうかもね。あなたならそうすると思うわ、」


「私も、一度や二度、誰かと暮らそうなんて考えた時もあったりしたわ。どれも別れて終わったけど。」


テイルは斜め下に目線を落とし、しかし遠くを見るような

感じで、思い出す様にまた口を開く。


「それこそ、前に話した初老の男に監禁された後に町にきて、同じ魔界にいた住人にあったりしたわね、」


「お前以外にも居たのかよ……」


テイル程の殺人鬼が他にもいたとなりゃ、とうとうこの国は、というか世界は未知なる脅威に脅かされやしないか?


「まあそれも長く続かなかったわ。私が原因かしら?」


「わかんねぇよ、そんなの。内容によるだろ?」


「 じゃあ、聞かせてあげる。その上で貴方の答えを聞かせて?」


テイルはそっとまたその紫色の水晶玉の様な瞳で俺を移す。


「あぁ、わかった。」


「私ね、吸血鬼にあった事があるの。」


_____。

第7刻 「殺人鬼(シリアルキラー)吸血鬼(ヴァンパイア)



『現在地_人間界、東洋…島国、……位置詳細、不明……』


『引き続き捜索にあたる。』


_06.


「冬の時期って、当然みんな着込むじゃない?そして体温を保ってるんだろうけど、私も人間程じゃないけど寒いから、コートくらいは羽織るわ。まぁ人間とほぼ同じ容姿だから、人間に混ざって行動するという上でもあるけど。」


「そうね。」


「そして、刀の中の黒豹は人間の血と魂が餌で好物なの、特に熱や臭いで人を感じ取ったりして空腹を感じているらしいわ。」


「そうなの。」


「そう、それは持ち主である私に伝達されて、殺人欲求に変わるって訳。それを放置すると耳鳴りから頭痛まで、まぁ酷かった。この刀で斬りつける事で黒豹にとっては食事になる、だから人間を殺してるの。まぁそういう縛りね。」


「人間からすれば酷い話だわ。」


「私だって生きるためだもの。人間にとって死後なんてどうでもいい話、死後の世界なんて空想と一緒で、今ある現実を見る他ない。気になるのは死に方までよ。」


「その割には貴女、人間を殺した後の貴方も苦しそうね?」


「そう見える……?こんなに楽しいことはないけど、」


「そうは見えないわ。」


小さな手が私の頬に触れる_。


その手に私の手を重ねる。


ひんやりとしていて、少し震えている。


「駄目よ、私は自分の口でこういっているの……その自分に疑問は持たないわ。生きる為の代償よ。」


血も吸っているけど、その大部分、魂を喰らっているから、前に説明した死んだ人間は霊体になるという仕組みはここでは例外、つまり完全に、黒豹が取り込む。私と黒豹が在り続ける限りは。


それは全て私が生きる為の代償。


それはその子には言わなかった。言わなくてもわかる事だから。


「テイル……では私は、自分の在り方に疑問を持って、限界を感じたのが行けなかったのかしら?」


「知らない、それは自分で決めればいい。」


「貴女は強いのね。尊敬するわ。」


「そう、思ってればいい。」


私の胸に頭を乗せ縋る彼女の頭に手を載せる。何に例えるのがいいか私は知らないけど、とても繊細で触り心地のいい金髪を指に通し、優しく撫で下ろす。


身体は私よりも冷たい。でも確かに鼓動はある。周りのことなんてどうでも良い。今はこうして身を寄せあっている時間が、何処か孤独を埋めるような気がして、刀を握っている時の次に、安心感が芽生えた。


「テイル……こうしている今は、何にも変え難いわ。」


「なら話す必要ある?」


「ふふ、冷たいわね。」


「あんたの方が冷たいわよ。」


「ふふふ、おもしろい。」


「そう。」


「私、欲しいものが出来たわ。」


少女は頭を上げる。ルビー色の瞳で、その瞳孔は雫のような透き通り具合で、私を見つめている。


「テイル・ケルウィー、あなたが欲しいわ。」


「少なくとも、今は渡してるじゃない。まぁ、期限付きだけど。」


「永久にというのは無理かしら?」


「無理ね、これ以上の縛りはごめんだわ。」


「愛は縛るものじゃないわ、共に紡ぐものよ。」


「それが糸になるんでしょ?縛っているのと変わらないわ。表現で良くなると思わないことね。私はそんなの赦さないし、許せない。」


「皮肉ばかり言うわね、」


「少しは諦める気になったかしら?」


「無理よ、貴女は優しいから。」


「あんたについて行くんじゃなかった。」


「私は、手を引いてくれて嬉しかったわ。」


「そう、、ほら、私が許している間に触れておいたら?」


「えぇ、そうするわね。」


__。


__話が飛んでる?わざとよ、この前とこの後が私にとってあまり面白く無いもの。まぁ話さなきゃ進まないわね。この子と会う前から。



_01


それは何キロも歩き続け、やっとたどり着いた街で起きたこと。そこはやけに騒がしくて、人の波も激しいくらい。そして暑苦しい。


乗り物の轟音に、街の騒音刀を振るうには人が多すぎる。


そんな中でも黒豹はご馳走だらけだと舌なめずりして居るけど、当然こんな人混みで殺戮ショーなんて開きたい訳じゃない。とは言っても、この街へ来る前に人気のない道中で通りすがった数人ばかりは斬った。ただ老人ばかりだから黒豹はあまりお気に召していない。


初老の男に捕まった時、そこにあった私の私物というか、盗んだ金品は全て置いて来てしまったし、飲まず食わずで歩き続けている。死にはしないんだけどね。


(何ヲ躊躇ウ?)


「別に……。」


私は路地裏を目指して歩き彷徨う事にした。黒豹の空腹のせいか人口密度のせいか息苦しい。


魔界に比べればこの裏道は平和でならない、ここは島国の中でも経済的には発展している。それなりに文化は進んでいる世界のひとつ。そしてこの世界はもう長らく戦争をしていない。お互いの経済成長の為、また友好関係を築き続けるためか中立協定を結び、国から国へ商売の幅を増やしその輪を広げて居る。理想とも言える世界だ。この人間界は。と、この島国とその周りの国がそうなだけで、裏側に位置する大陸のある地域では紛争が耐えないらしい。


なんで知ってるかって?


魔界じゃ拡声器という物で城下町へ城から必要な情報を報告をしていたらしいけど、この世界じゃそんなものは無く、ついでに各々がカードのような手のひらサイズのデバイスから情報を集めたり、またそれを持つもの同士で通信、通話までできるみたい。家には映像を映し出す機器なんかがあるし。これで天候や、それこそさっき説明した世界のことや、各国の通貨の値まで伝えられるし、なんなら娯楽まで流れている。充分富裕層の暮らしに見える。


国民一人一人が平穏に日常を送れるだけの秩序と仕組みが成り立っているという事。兄さんの理想そのものかしら。


「(まぁ、私がそれを乱すのだけれど。)」


ともあれ、この街に来る前と後で私は歩きっぱなしで、体力を浪費し過ぎた気がするし、私は表通りに出て、座れる場所を探す。

そうそう、街中を歩いて居ると外だというのに、長椅子が存在する。これもこの時代の変化で作られた何かへの配慮なのだろう。


少し大きな広間に出ると、そこにも沢山の人々が広間の中央に位置する大きな建物へ波のように出入りしているのを目の前にして、突然鳴り響く警笛に似た音と共に列車の走行音が響くから、どうやらこの大きな建物は駅らしいとわかる。


「(この世界には石炭がなくても走れる列車があるのね……。見るからに個々の乗り物も行き交って居るし、あれも蒸気はでてはない……まぁ私にはどうでもいいか。)」


建物の自動扉を通ると、そこは一気に居心地のよい涼しさへと変わる。


広間の中央の柱周りに設置された長椅子に腰掛けて見上げる大きな電子版に、時刻と行先、また発車時刻が書かれている。この広間の端の方には出店なんかもある。


「はぁ、」


(夜を待つのが面倒くさいわね……はやく斬りたい、、)


(ハヤク、ハヤク血ヲヨコセ……)


自分でもそう思ってしまった。


それと同時に囁かれる黒豹の声に合わさって突発的な発作と、耳鳴り、頭痛、焦燥感、殺人欲が増してきて、自ら胸ぐらを握りしめて蹲り、髪先から落ちる汗を眺める。瞳は既に周囲を遅らせ、汗の水滴が地面に落ちるまでかなりの時間を掛けているように見えてしまう。

もはや周りの人間達の動きも微々たる動きしか表しておらず、ほぼ止まっているのに等しい。


私は目を瞑って必死に抑える。


「…まだ、、待ってよ……」


鼓動を打つ音は速く、耳の奥にずっと居座っているし、そしてやけに神経は研ぎ澄まされて……目を開けると、無意識に胸ぐらに置いていた手は刀を握っていた。


右向かい側からゆっくりとこちらへ向かってくる女性がいる。この状態では勿論、音でさえも同じく速度を落とすから当然何を言っているかは分からない。


(獲物の方から寄ってくるなんて、好都合ね。)


……。


(あぁ、こんな所で殺戮ショーなんて、目立つから嫌なのに。)


なんて理性も多少はある。


「もういっか、、」


Swish_


私は刀を抜き、目の前の女性を斜め下、右下腹部の左から斜め上、女性の左肩までに線を引く、

その地点で未だ女性は何も気づいていない、気づくはずが無い、人間だから。


続いて数メートル先の人間の背中を縦に斬り、またその次、次と斬りつける。


「どう?これで満足っ?」


続いてもう1人、私は高く跳んで背後から背中を思いっきり突き刺す。簡単に貫通するも、背中を足で蹴って引き抜いて、また次の獲物を斬りつける。


「モットダ!モット喰ラワセロッ!」


「ふふふっ!あはははっ!良いよっ!もっとね!」


1つタガが外れれば、もうあとはこの抑え込んできた欲求を満たすだけ。先程までの理性は捨て去り、本能のみで殺人を繰り返す。


大広間いっぱいに静止する人々を一刀両断するかの如く斬り続け、幾度斬ろうが、突き刺そうがその刃は鈍くなることなく、寧ろより鋭く磨かれれている。


いや、この斬れ味なら両断できているか。


「ふふっ!あはははははっ!!!やっぱり人を斬らなきゃ味わえないよねっ!こーんなに気持ちが良いのはっ!」


「ヒサシイ、コノ感触、滾ル…ッ!」


黒豹は黒煙を巻き上げながら走り回る。


そうして広間にいる人間全てを斬り尽くすと、広間の端側にある階段を駆け上がり、上階から広間を辺り一面見渡せる場所に立ち、そして刀を収める。


瞬間私の見えている速度は人間と同等に戻ったかと思えば、人間たちが一斉に身体から沸き上がる血を吹き出し、積み木を崩したように転がり、肉塊をばら撒く。


それから数秒して、私の斬り方からしてかろうじて生きられる者からは悶え苦しむ声を上げ始め、ただでさえ聞いていられない不協和音に、次に今このフロアへ入ってきた人間達の阿鼻叫喚で満たされる。


今回は背に腹はかえられない。できるだけ目立つ行動は避けたかったけれど、こうして今解放してしまうとどうでも良くなる。私の存在が認知されれば、魔界の時同様に追われる身になりかねない、捕まりはしなくても、厄介にはなる。


「あーあ、やっぱ、やり過ぎね、」


ため息混じりに独り言つと、煙のように黒豹が顔を出してきた


「アァ、ウマイ、ウマカッタゾ。」


「そう、ならもう半年は要らないかしら?」


「何ヲ言ウ、又限界マデ飢エサセルツモリカッ、」


「いや、今日で思い知ったから、ちゃんと適度には殺るわよ、、」


「頼ムゾ、、」


「そうそう、ひとつ聞きたいの。」


下の地獄絵図を眺めながら問いかける。


「何ダ?」


「私の姿を消すあの黒煙の他に、なにか加護ってあるの?」


「既二、 感ジテイルト思ウガ、コノ刀ノ刃ハ傷一ツ、錆一ツ着カナイ、、速度、動体視力、為ス技ソノモノハ、貴様ノ技ダ。」


「そうなんだ。」


私は指で髪を回しながら、徐々に動かなくなっていく人を眺める。


「さっきまであんなに叫んでいたのに、、死ぬ間際は静かになる、、疲れたのかしら、それとも死を悟ったのかな、、」


「魂ガ抜ケタノダ。ソシテ我二ソノ魂ハ吸収サレル。」


「そう……そろそろ行こっか。」


死んだ魂は黒豹の宿る刀へ吸収されて取り込まれていくらしいけど、私には見えない。


外で鳴り響く騒音とは逆の方向へ私は踵を返して出口へ向かう。階段を降り、壁際の、少し小さな出口を通って_。






裏手通りを、電車の通る線路下の道を淡々と歩き続ける。その進行方向に、見るからに周りの人間と異なる、魔界にもあったような異国の赤いドレス姿で立つ私より少し背の低い少女が、右に避け通り過ぎようとした私の行く手を阻んだ。


「ねぇ、そこの貴女(あなた)。」


「………」


私は立ち止まり、少女と目を合わせる。肩まで伸びた金髪は癖毛の様だけどバランスはよく、そのアンティークドールのような白い肌にはめ込まれたような見事なルビー色の瞳、瞳孔は鋭く、私も魔界人である以上、同種の気配のようなものを感知する機能があって、どうやら目の前にいる人物から同じものを感じる。


(人間界に紛れているのは、私だけじゃなかった様ね。)


あの男が言っていた通りだ。


さて、どう切り抜けようか、流石にさっきの現場付近で斬りつける訳には行かない。


「見ていたわ。貴女がやっていた事。」


「……だったら何。」


「見たところ独りのようね。」


「………どいてくれる?」


「失礼、久しぶりに面白いものを見たものだから。」


「……そう。」


「自己紹介が遅れたわ、私はリリィ・ブルー・ティターン。廃れたティターン家の末裔よ。」


少女は1歩下がり、丁寧にお辞儀をする。


「…あんたも人間じゃないでしょ?同じ魔界の匂いがする。」


私は抜刀ができるよう鞘の位置を整える。


「ふふ。魔界なんて、懐かしい響きだわ。」


「(懐かしい?そう言うってことは昔からこの人間界へ居座っていた事になるのか。)」


少女は愛想笑いこそするが、まるで見定めているように、そのアンティークドールのような顔を向け、ビー玉のような瞳で私を映す。


「でも、あのやり方はそう長く続かないわ。人間は非力だけど、その分賢いわ。」


「………。」


「この500年と少しで大きく成長している。秩序も常識も定められている故、何時、誰が、何処で、そのルールを逸脱しようとも簡単に見破られるのよ。ほら、そこの”アイ”が見ている。」


彼女は道中に間隔を置いて設置されている柱の上部に置かれているカメラを指さす。


「そう。」


(それくらい知っているわよ。)


魔界にだって人間界の作りに酷似した電子機の類が割と生活なの中で扱われている。


(ま、500年前と言っているからに、この子が魔界に居た頃には普及していなかったのね。)


「貴方、この地に足を付けてまだそんな経っていないでしょう?」


(偉そうに……。)


「ふふっ。同類が恋しくなって声掛けたって感じ?」


私は皮肉を言い挑発する。これに乗ってくれさえすれば、簡単に斬れるきっかけが作れる。激昂して向かってきてくれた方が抜刀し斬り裂くまでが簡単だ。


「否定はしない。貴方さえ良ければ、協力したいと思っているの。効率よく人間を殺せるわよ?」


少女は私の挑発も軽く認め流し、協力を求めてきた。その裏に何を図っているのか疑わない訳がない。自分の利益が優先されなきゃ意味が無い。


ただ2年近く初老の男に拘束され続けてきてやっと外に出られた私が、この自由をまた誰かに害されるというのは嫌でしかない。


「信じられると思う?」


「いいえ、だから提案をするわ。当然あなたと私、2人の力が必要よ。」


吸血鬼は真っ直ぐに私を見つめたまま、私もそうだけど、互いに警戒を解いていない。


そして彼女は私から目を逸らさずに言葉を続ける。


「今の貴方のやり方では、その内人間によって殺される。」


「……はぁ、あのね、仮に私を見つけても、捕まえることも、殺す事も人間にはできないわ。」


これは紛れもない事実。見栄を張るとかそういうのではなく、これまでの私の動きを聞いていたらわかるでしょ?


「…本当にそう言い切れるかしら。人間だからと油断していてはその隙を必ず突かれる事になるわよ?」


挑発をかけても、先に癇癪を起こすのは私だった。そもそも誰かと話すなんて事自体がもう面倒なのだ。


「じゃあ、試してあげようか?」


私は真っ直ぐに少女を見つめつつ、左腰の鞘を掴み斜め上へ傾け右手で柄の縁を握る。


彼女は依然として棒立ちしている。


「私で試してどうするのよ、それにあれ程の騒ぎを起こした場所の傍で」


その問に私は嘲笑して返す。


「ここで暴れれば人間が寄ってくるでしょ?うるさい警報も鳴っているし。」


そう、何処でもいい。ここで片腕でも斬りつけて叫ばせれば簡単に人間が集まってくるだろう。


「はぁ、私も巻き込むのね、」


「まぁ立ってるだけで良いわよ、協力したいんでしょう?人間が沢山狩れるわよ?」


「………」


頭上では列車の騒々しい音が響く、


そして私は出来るだけ早く右足を大きく前に出して左足をその半歩摺り足で進ませ距離を詰め、素早く抜刀し少女の片腕を斬り落とす。


「………」


そしてまた私は右足を下げ、納刀する。


「………」


ただ彼女は黙ってその切り落とされた腕を見つめる。しかしその切り落とされた腕は赤黒い液体に代わり地面に解けていき、腕の断面から再び新しい腕が生えてきた。


「血が減ってしまったわ。」


「なんだ、痛まないんだ。」


「ええ、痛覚はないわね。血が抜けた感覚だわ。全く、服は再生しないのよ?」


「……つまんない、」


「私を殺す気だったのかしら?」


「人間が私の前じゃ為す術がないって見せてあげようとしたのよ、でもあなたが叫んでくれないから、不発に終わったわ。これじゃ寄ってこないじゃない。」


「はぁ、なんて狂気なこと。」


ただ当然、腕を1度切り落としたのだから仕返しなるものがあってもいいはずなのに、この吸血鬼は何もせず、踵を返す間にこう言い捨てた。


「着いてきて貰えるかしら?」


「……」


正直この吸血鬼の事など微塵も信じては、と言うより協力するつもりはなかったけど、興味が湧いた。

私の凶行を見ておいて驚かないのもそう、恐怖もしなければ、私の敵意すら無視する様な物言いで同行を持ちかけてきた。


「何でやり返さないの?」


「元々魔界に居たと言う意味では同族よ、争っても仕方がないわ。」


とんだ平和主義なのか、或いは効率重視で、非効率な戦闘は避けたいのか、馬鹿なのか。私の理解の及ばない相手だと言うのは一つ分かった。


「そう。なんか、悪かったわね、」


(私なんで謝ってるんだろ。)


「良いのよ、このくらい。さぁ場所を変えましょう?」


「え、、うん。」


気のない、気乗らない返事で私は吸血鬼の小さな背中を見を歩く。


切られた相手に良く背を向けて歩けるわね。その点もまた不思議でたまらない。






_02


歩き始めてから約30分、段々と人気(ひとけ)もなくなり、自動車の列が相変わらず続いているくらいだ。


何故か自然と着いていく流れになったな……。


罪悪感?いや私にそんなものはない。やはりさっきも言った興味からなのか。軽い私の謝罪は演技で、背後からまた私が斬りつけるかもしれないというのに、簡単に背を向けて歩けるその内心が知りたい。


そもそも協力なんて生ぬるいことはまずない。だいたいの集合体はみんな利害の一致の上で行動を共にしているはずだ。


兄さんが群衆を束ねたのは魔界の共通の敵、魔王を打ち倒すと言う目的が一致しただけに過ぎない。反旗を翻すなんて言い方もあるわね。


(そうか、つまりこの吸血鬼は獲物の取り合いになりたくないのね。)


確かに無駄な戦闘は避けたい、となると私のとった行動は浅はかで傲慢だったかもしれない。


「……何か、考え事かしら?」


吸血鬼は前を向き先導して歩きながら、私に問いかける。


「ええ。自分の行いを恥じていただけよ。」


「これは偏見なのだけれど……貴女は反省しないのかと思っていたわ。」


「斬るわよ?」


「ごめんなさい、流石に何回も斬られるのは身が持たないわ。」


「因みに、もし私に斬られ続けたら、どうなるの?」


「そうね、私が抵抗をしない事を前提に言うなら、ちゃんと死ぬわよ、血が足りずに。」


「そう。」


(じゃあ、呆ればればすぐに殺せるか。)


正確には縛りが煩わしくなれば、の話ね。


その後は特に会話もなく、もう暫く歩き続けて居るとやがて何も無い平地のひとつに一際目立つ大きな塀に区切られた屋敷のような家にたどり着く。吸血鬼はその入口の閉ざされた門の前で立ち止まり、間もなく何かの起動音と共に扉が開く。


「さぁ、入って?」


「…。」


(身を隠すなんて考えてないわね。)


門を抜けると、魔界の城壁に似た煉瓦造りの通路に、その両脇にはよく手入れのされた庭園が広がっている。なんというか、富裕層の豪邸のモデルといったニュアンスなら伝わるかしら?


とはいえここは吸血鬼の住処。つまり屋敷の時と同じ、門が閉まり、再び私は閉じ込められる事になる。


「ティータイムにしましょう?」


「馴れ合うためにあんたに着いてきた訳じゃないわ。」


「ふふ、つれないわね。心配しなくても、私では貴女に敵わないわ。」


「そう、だから味方につけたいって訳?」


「ええ、そういう事よ、さぁ座って話しましょう?客間があるから。」


「……」


そう言って吸血鬼は再び歩み、大きな扉を開き屋敷の中へ進む。


わざと数秒遅れて私も着いていき、中へ入る。間を開けるのは抜刀時に斬る又は刺す範囲を確保する為だ。


吸血鬼は廊下を進み、一つ、二つ目の扉を開き、中へ入ると、私に手招きする。


そうして私も一定の距離を保って着いていき部屋に入る。


ふとここで疑問に思ったことを聞く。こんな広い場所でまさか一人なんてことはないから。


「召使いは?まさかあなた一人でこの屋敷に住んでいる訳じゃないでしょ?」


「ええ、1人居るわよ。」


「普通は出迎えるんだと思ってたから。」


吸血鬼は客間の中央に位置するテーブルを囲む向かい合わせのソファに座る。


「まだ貴女に安易に会わせられないから、下がってもらっていたの。」


「ふふっ…あんたの下僕ってもしかして人間?」


これは何となくの予想。


「ええ、だから会わせたくないの。」


(当たってしまった。)


「人間なんか糧でしかないのに。」


菊とは訳が違う。食す物と生活すると言うのはそれだけで嫌悪感を感じざるおえない。


「例えずとも、特別な関係だからよ。こればかりはそうとしか言えないわね。」


「そう。」


それ以上は言及しない。この館にいる人数が知れればそれでいい。


程なくして部屋の外側から扉を2度ノックする音と共に幼い少女の声がした。


「ご、ご主人様、紅茶をお持ちいたしましたっ、、」


何処か下僕にしては少しぎこちないような、少し震えの混ざった声だ。そうとう緊張しているみたい。


「えぇ、そこで待ってて。私が受け取るわ。」


「…あ、はい。」


一瞬ドアノブに手をかけ捻り掛ける音がするも、吸血鬼の言葉でドアノブは元の位置に戻される。吸血鬼が立ち上がり扉の方に向かい扉を、半分くらい開けて、トレイを受け取る。それを目で追っていると、吸血鬼の背に隠れて顔は見えないが、その洋風な館の定番の召使いがよく身にまとっている黒と白からなるドレスがはみ出て見える。しかも吸血鬼でさえ私より5センチ位は低い背丈に比べ、その少女はそのまた頭一つ分くらい小さい。それだけでとても幼いという事が分かる。


(幼女を下僕にしてるなんて、、まさか悪趣味な輩に立て続けに会うことになるなんてね……。)


「そういう眼差しは、これから協力する関係としては、印象が悪いわよ。」


「ふふっ、顔に出てた?」


「えぇはっきりと、、幼子を奴隷にする外道と蔑んだ目をしていたわ。」


「まぁ、当たってるけど?」


私は悪戯に笑みを浮かべ、吸血鬼を挑発する事にした。そのうち殺る気になるはずだから。


正直この落ち着いて対応するその顔を歪ませてやりたくてたまらない。


「まぁ、訳を話せば少し長くなる…けど、聞きたいのではないのでしょう?」


「まったく興味ないわね。」


吸血鬼はそのまま中央にあるテーブルにトレイを置き、ソファに座ると、ティーポットとティーカップを手にして、紅茶を注ぐ。


そう、挑発してはその落ち着きを壊し、怒りを露わにして襲いかかる所で斬り伏せようとしている私を前に、堂々と両手を塞ぐ姿はまさに「いつでも斬って」と言っている様なものである。


「あんた、私を挑発しているの?」


「最初にも話した通り、私は貴女に協力を持ちかけているの。だからここまで招いたし、あなたも少なからず話を聞いてくれるつもりで着いてきたという認識だったのだけれど?だから、私から貴女に壁を作ったらそれこそ悪い結果になるわ。」


「ふふっ、ほんとバカみたい、隙だらけなのよ、あんた。私に斬られたいの?私はあんたのその隙だらけな舐めた態度が気に入らないわ。」


SHWUP!


結果、またも先に牙を向けたのは私だった。抜いた刀の鋒は吸血鬼の目先に向けられる。


「……。」


吸血鬼はゆっくりティーポットを置き、カップを口に運びゆっくりと縁に上唇を乗せ カップを傾け、上品に紅茶を飲む。


「……チッ、」


吸血鬼は一息つき、私を見上げる。その瞳は私を睨む訳ではなく、しかし真っ直ぐと私に目を合わせブレない。


「いい事、私は貴女と戦う気はない。ここで無駄に殺し合いをしても同族がまた一人消えるだけ、私達は希少な存在なの。これからは助け合って生きるべきだと思うわ。貴女が私を警戒し続けるのは、今まで周りが敵だらけだったから、仕方の無いこと。だけどどうか信じて欲しい……私には敵意も、まして陥れる等と考えていない事を。今はこうして言葉しか持ち合わせて居ないけれど、、」


私は刀を収め、吸血鬼の向かい側のソファに腰をおろし座る。


何も食い下がったとかじゃなくて……どうだろう。ここまではっきりと、真っ直ぐに言葉を伝えられた経験がないから、怖気付いたのかもしれない。


「…ありがとう。」


「それで、具体的に、協力ってどうすればいいの?共闘なんてしたことないから分からないわ。」


なんて言って、動揺を隠すように私は上から目線で話す。


「えぇ。でもその前に、まだ貴女の名前を聞いてなかったわ。」


「…テイル。」


「家名は?」


「はぁ、ケルウィーよ。」


「そう。ケルウィー家だったの。」


「なんで知ってんのよ。」


「魔界で役目を得ているなんて、魔王の他にまずケルウィー家が上がるものだわ。あとは魔界人の奴隷か。」


そう、いつかも話したわね。でもまさかここまで名が知れ渡ってるなんてね。


「そういえば、風の噂で聞いたけれど、魔王が代わったと聞いたわ、あれは本当なの?」


「知らないわよ。」


家名を出したのは私だ。家族構成や生い立ちを聞かれるのは、、捨てた自分を話すようで嫌悪感が生まれる。


「ふふ、釣れないのね。」


吸血鬼はまたカップに口をつける。


「ところで貴女は、人間を狩る以外でどのように過ごしているのかしら?」


(だから世間話をするために来たんじゃない……)


「……はぁ、、人間と変わらないわ。レストランとか、商店街で食べ歩くわよ。」


「好きな食べ物は?」


「アイスクリーム。」


「あら、私も好きよ。フレーバーは何が好み?」


「別になんでも良いでしょ……」


急に話を振られて、何故か吸血鬼のペースで話を進められて、うんざりだわ。


「良くないわよ、これから関わる相手の事は少しでも知っておかなきゃいけないわ。」


「まだあんたと協力する気はないわよ。」


「ふふ、分かったわ。では、その話をしましょうか。」





_03


「そもそも吸血鬼には魅了を使う事ができるのと、人払いもできる、魅了は催眠術に近いわね。だから自分の意思が強い人間には効かない。人払いはその名の通り、だいたい私から800m圏内が有効ね。これはもう集団催眠に近いのだけれど、魅了と違うのは、掛かった事にすら気付かないから、自然とその範囲内には誰も近づかない、そこに家屋があるなら、住人は外へ出ることもしない。そんな程度の能力よ。」


と、吸血鬼は紅茶をまたポットからカップに注ぎ話す。


「だから、貴方のその素早さに増して、獲物以外の人間に認知されないなら、付き纏われる心配も無いでしょう?」


「私の速さなら捕まる心配もないけど、、まぁでも、確かに、面倒のひとつは減るかもね。」


「それと聞きたいのだけれど、貴方の場合、人間の血を食らっているのはその刀よね?」


「そうだけど?」


刀を取り出し、吸血鬼の目の前で軽く半分まで抜き、刃を半分見せる


「この中に契約した黒豹が入ってるの、黒豹の空腹は私に殺人欲求と頭痛で伝達されるから、それで満足いく、つまり黒豹の腹が満たされるまで斬り続けるだけ。ただ頭痛まで行くと末期で具合も悪くなるから、適度に殺らないと行けない。」


「…それは契約というより、、縛りではなくて?」


「だから、これ以上は増やしたくないの。余計な事に振り回されたりね。」


「そう。」


刀を収めると、再び影に戻す。


「影も自在に操れるのね?」


「これも黒豹の力よ、流石に持って歩いていたらそれだけで目立つから、使う時以外はこうして隠してるわ。」


ソファの背もたれにもたれかかり、天井を見上げる。天井は高く、部屋の中央、つまりこの部屋のソファの前のテーブルを中心としてその真上にシャンデリアが吊り下げられている。


ここまで飲まず食わずで歩き続けて来たせいか、餓死はしなくても疲労は溜まっているらしく、軽い眠気に苛まれる。


私がここで考えていることは一つ。この吸血鬼に協力するか否かということ。


確かに縛られるのはもううんざりだ。共闘し、共存していくという事でさえ、今の私にとっては鬱陶しい。自由を奪っているに違いない。


「なら、この家を自由に出入りしても良いわ。寝室と食事、それからシャワーも、着替えも好きな物を用意するわ…どうかしら?」


(は?)


この吸血鬼。急に表情を少し柔らかくして、言い表すには難しい、まさに隙だらけに拍車をかけているような、私に謎に輝かしいオーラの眼差しを向けてくる、その瞳に私は悪寒がし、思わず立ち上がる。


「はっ……なに、急に…」


「あら、気に入るかと思ったのだけれど。」


「いや、急に待遇が上がるからよ……余計怪しいわ。私の方にしか利益がない、なにが狙いなの?」


妙?いや…変だ。吸血鬼のプライドの高さはだいたい知っている。家名を名乗る辺りからもうそうだと決めつけていた。


なのになんだこのふざけた条件は。思い返せば初めから気品さは出ていたけれど、傲慢でも、横柄でも、尊大でもないし。

というかさっきまでもあんなに煽っていたのに苛立ちすら見せなかった時点で気づくべきだった。


「私にとって貴方ははそれくらいの対価を払える程の価値があるからよ。所詮吸血鬼だって数で攻められれば人間に殺されてしまうし、何より天敵が太陽だもの。」


確かに誰かの家やホテルを転々とする方が面倒だ、それに衣食住に困らないなら、それもいいかもしれない。


「……先ずは実戦してから、それで判断する」


「ええ。よろしくお願いするわ、テイル。でも、私が得意とするのは夜なの、」


「知ってるわよ。でも思っていたより日差しが苦手でもないみたいね?さっきだって普通に太陽の下を歩いていたでしょう?」


「これは防護魔法で身を包んで居るからよ。まぁ、だから長時間は出歩けないわね。」


「ふぅん。」


私はソファに座り直し、宙を見上げ、一息つく


「日没まで時間があるわ、別室を案内するわよ?」


吸血鬼はまたカップの紅茶を口に運び、飲み終えたと思うと再びティーポットからカップへ注ぐ。


「まだ協力すると認めた訳じゃない、お互いそんな立ち位置の相手の巣で眠れる訳ないでしょう?」


「でも、こうして敵意もない相手に警戒をし続けるのは疲れないかしら?」


そう言われようと、私は警戒を解く気はない。現にこうして居る今だって、いつでも刀を抜くことができるようにしている。


「気にしないで。」


「魔界人だからなのか、とても警戒心が強いわね。訳でもあるの?」


過去私が薄暗い闇の中でひたすらに魔物を斬らされて、1日のノルマが終われば牢に入れられ、次を待つの繰り返し、1週間に1回、直射でホースから真水を浴びさせられるのと、パンがひとつもらえるだけだった。そうして自由を奪われていた日々は今でも鮮明に、とまでは言えないけど覚えている。まぁ、黒豹と契約して少しの間は記憶がないから、そこだけははっきりしないわね。


冷たく凹凸のある地面、魔物の体液と血で臭う空間。聞こえる魔物の雄叫びから喉を鳴らす音や涎を啜る音、爪が土を抉る音、そして私が斬った時の悲鳴や切り落とされた断面から湧き出る血と熱気。


「はぁ、、話すのが疲れたわ。少し黙っててくれない?」


私はそんな記憶が一瞬脳裏でフラッシュバックすると同時に頭痛がして、頭を抑えて俯く。


「あら、ごめんなさい。こうして誰かを招くのはもう何十年も前だったものだから……でも、そうであるからこそ気になるわ。あなたどうやってこの人間界に来たの?」


(止める気ないじゃない……)


私は大きくため息を着き、立ち上がる。


「…しつこい、別にまだ馴れ合う気はないわ。」


「ふふ、短気ね?でもまだと言うことは、これから関係を築けば良い訳ね。」


「…チッ」


まぁこうして自分の過去を話している私も、この吸血鬼に似て口数が減らないのかもしれない。


ただこの時は特に面倒に思っていたわ。探られていると思っていたから。私は人付き合いなんてしたことが無い。生まれてから家族としか共に暮らし、まともに会話したことがない。


「ここで斬って上げてもいいのよ?頭を飛ばせば流石に話さないかしら?」


と暴力的に吸血鬼に言ったところで、やはり吸血鬼の表情は変わらず何処か気分がいい様な雰囲気をしているように見える。


「ふふ、わかったわ。お話はここまでにしましょう。カルチャーショックとはこの事ね。いえ、あなたの生い立ちが関係しているのでしょうね、これは。」


「意味わかんない、生まれた世界が同じだけの初めて会う相手に質問攻めされたら、誰でも鬱陶しいと思うけど?」


「そうね、しつこかったわ。ごめんなさい。」


「……。」


この吸血鬼、やはり変わってる。私の知っている吸血鬼とはプライドが高く、そう簡単に自分の非を認めないのだ。まぁこれも、わたしの偏見なのだろう。そしてこうして謝られる事がなかったから、正直どう返せば良いか分からず、黙ってソファに座り直す事にした。


吸血鬼はその後、カップをトレイに置き自ら持ち部屋を出る。出る間際にこの部屋でなら好きにしていいと言われ、日没にまたここでと言い残す。


「(つまり、ここから出ちゃいけないんじゃない、)」


まぁ、ここまで疑い警戒心を露わにしても敵意を向けてこないのだから、少しは警戒を解いていいのかもしれない。

暫しの休憩だと思って、私は深く背もたれに体重を預け、刀を取り出し、それを抱いて眠る。左手では鞘を、右手で持ち手を。寝込みに襲われても逆手で抜刀できるように。






_04


ドアをノックする音で目が覚める。辺りはすっかり暗くなっていた。


驚き半分で警戒心も再起して咄嗟に両手に力を込める、、結構長く寝てしまっていたせいで此処に居る記憶が一瞬飛んでいた。


「入って良いかしら?」


「……えぇ。」


(そっか、此処は吸血鬼の屋敷だったわね)


扉が開かれ、吸血鬼が部屋に入ってくる。服は午後に見た西洋のドレスと違い、今の人間と何ら変わりない。私服姿、正確には上には少々オーバーサイズのパーカーに、下はジーンズを履いている。ドレスで全体が広がっていたた分、いまはシルエットがくっきりしているため、ラフな上着からの少々締めつけのあるジーンズで細身が目立つ。


「…ふぅん。割と幼いのね?」


「魔界人と同じよ、必要最低限しか成長しないもの。科学的に言うなら個体差があるけれどね。老いなんてデメリットでしかないでしょう?」


「魔界人は少し違うわ。魔界人はちゃんと老いるわよ、ただ成人で止まる。その後は人間の何百倍か進みが遅いだけ。老死はしないけど。」


「初めて聞いたわ。あぁそうそう、魔界人も繁殖できるんでしょう?」


「どの種族もするでしょ、でなきゃとっくに絶滅してるわ……ほら、くだらない話は置いて、出るわよ、退屈で仕方ないの。」


とまた質問攻めが始まる前に話を切り捨て、私は入口に向かう。


「そうしましょうか。」




外に出ると、満月が空を街灯の次に街を照らしている。


門を抜けて吸血鬼が駆け出し、道の中央で満月を見下ろし微笑む。


「ふふ、誰かと街を歩くなんて、初めてだわ。高揚してきたわ。」


「……あなたそんなキャラだったっけ」


(貴族的な感じだったはずだけど……)


「あら、そんな肩書きを気にしているのかしら ?このリリィ・ブルー・ティターンという存在が出てきたからには自由に歩かせて貰うわよ。設定なんて始めから細かく明記してある訳じゃないんだから。生まれながらに貴方はこういう在り方なんて言われないでしょ?」


「…そうだけど、」


(……吸血鬼らしさは外見だけだったわね。)


夜道をスキップして歩く吸血鬼の斜め後ろで私は少々、いや9割はこいつとはたまたま進行方向が同じだけの他人だと主張するように目を合わせず歩く。


「テイルっ、私は上手く人間に溶け込めているかしら?」


「……急に明るく声を張らないでくれる?、馬鹿な子に見えるわ。」


「そう、難しいわね。」


吸血鬼はスキップを止め、私の歩幅に合わせて歩く。


「それで、どこに向かってるのよ。」


無理やり本題に戻す。


「賑わっている所に行くわ。繁華街に。」


「…私と同じく大量に狩るつもり?」


「品定めよ。人間の血にも種類があって、美味しいのものと不味いものがあるの。」


「ふぅん。それで?」


「私がウィンクすれば魅了がかかる、後は自由自在よ、先導して、そこで襲うわ。」


「あぁそう。」


まぁ私は斬れるならそれでいいと思ったけど、黒豹も言ってたな、老人は不味いって、、だから私も中々頭痛が収まらなかった。


そういう意味では、ひとり斬るだけで暫く必要ない様な、そんな極上の獲物にあり付ければ楽できそうね?


「…そうそう、服やバッグを見に行こうかしら、若い子が多いわ。」


進んで行く内、徐々にに人混みも増えてくる。しかし吸血鬼は品定めと言いつつも辺りを見渡すこと無く真っ直ぐ前を見つめ歩き続けている。


「……」


「……ねぇ」


「何かしら?」


「どうやって、価値を決めるの?」


「……簡単よ。視覚と嗅覚で分かるわ。視覚で若さを、嗅覚で中身をね。中身は健康状態を指すわ。」


吸血鬼はそのまま服屋の並ぶ商店街に入り、人混みを進む。吸血鬼の背丈ではやがて飲まれて見えなくなるんじゃないかと、逸れるのは後で探すのが面倒だ。だがそんな懸念をすぐに吸血鬼は解消する。


「腕、借りても?」


「……なにそれ、」


「こういう事よ。」


そう言い吸血鬼は私の右腕に自分の左腕を潜らせ組んで来る。


「これで、はぐれないでしょ?」


「あんた、私の内心でも読んでる?」


「ふふ、吸血鬼にそんな能力はないわ。」


吸血鬼は無邪気に笑う。別に遊びに来ているんじゃないというのに、何が楽しいのだろう。これから私たちは人間を殺し、食べるというのに、人間らしく振舞っているの事に気味悪く感じる。だがそうして装わなくては生きられない。


仕方なくともこれも縛りだ。結局自分の生き方に縛られている。


そして吸血鬼と歩きながら思った。これでは刀が抜けないではないか。


(隙を突いてくる気か?)


「んふふっ、、何度も言っていたように、敵意はないわ。だから気にせず歩いて?」


「絶対読んでるでしょ……。」


「顔に出てるわ。」


「……意味わかんない。」


(こんなにも表情から思っている事を的確に読まれることってある?)


私は顔を少し下げ目線は進行方向に向けて前に進む。そこに鏡があったわけじゃない、単に不機嫌だ。


今思えばこれさえ明らかに分かりやすい、まるで子供ね。


しばらくお互い何も話さぬまま、歩き続ける。服屋はとうに過ぎて、段々と街の騒音も人混みも遠くなって行く。なんなら裏路地方面に足を運んでいる、、ここまでただ歩いていただけだ。


何をしているのか全く分からない。


「で、どこまで行くの?」


「まぁ待ちなさい。もうすぐだから。」


「……」


夜闇を歩き続け、明かりの灯っていない 大きな建物の前で吸血鬼が立ち止まる。


「ここは廃ビルだけれど、一応私が所有しているの。だから、ここに集めるのよ、その方が周りの目を気にする事はないわ。人避けも済んでるから、誰に見つかることも無いわ。」


「それで、肝心の獲物は?」


「ええ、もうすぐ会えるわ。」


そう言うと吸血鬼はビルの中へ入っていく。私は辺りを見渡して、人の気配が無いか見るけど、足音ひとつしない。それどころか無音に近い。


(意味わかんなんない。)


私は遅れて廃ビルの中へ入り、吸血鬼に着いていく。

薄暗くて、非常灯なるものしか点灯していない、響くのは私と吸血鬼の足音だけ。


「こっちよ?」


大きな柱が中央に、そのまわりにはまだ広い空間があるが、基本殺風景で何が置かれている訳では無い。吸血鬼が右奥の柱の前に立つと、起動音と作動音、どうやらエレベーターだったらしい。

乗り場が降りてくる。


「………。」


黙って私は吸血鬼の後に着き、エレベーターの中へ入る。

入って左手側に階数表示とボタン。このビルは11階まである様だ。


吸血鬼はまっすぐ指を立て11階のボタンを押す。

そして自動的にドアは閉まり。上階へ上がっていく。


「…ひとつ、言い忘れて居たのだけれど。」


吸血鬼はこちらに振り向いて私を見つめる。


「もう1人、協力者が居たの……少し前まで…」


「……そう。じゃあなに?騙し討ちがしたいの?」


「いいえ、そんなつもりでは無いし、そんな事、したくないわ。」


私の警戒は再発する。さっきまでだってそれを少し疑ってはいたけれど、今こうして確かなものになった。


私は騙されたんだと。


そしてわたしは分かりやすく陰から刀を取り出す。


「でもそれは、ここに来るまでの話で私に嘘をついたって事でいいのよね?」


「そうね。たしかに嘘があった事は認める。でも全てじゃないわ。」


標準の大人の体格で考えて横に3人、縦に2人、計6人程乗りの空間でも、私と吸血鬼しか乗っていないこの空間なら刀を抜くのは容易だ。直ぐにでも背中を斬り付けられる。


「例え全てじゃなくても、その一つ嘘で、私はあんたを信用出来ない。」


「午後に切り落とした私の腕ひとつの分で許してくれるかしら?」


「その件は謝ったわ。あんたはそれを許した、この件と結びつけることは無理よ。」


「そう。」


吸血鬼は俯き、静かに溜め息を吐く。


「なら言い訳を聞いてくれないかしら、テイル・ケルウィー。」


8階まで登った辺りで彼女は10階のボタンを押す。


(時間稼ぎか…)


間もなくエレベーターは10階の表示を指し停止して、ドアが開く。廃ビルというからに当然明かりは付いていない。非常灯のみで、真っ暗だ。


吸血鬼が一歩踏み出し、前に出て、こちらに振り向き、手を広げて見せ、ゆっくりと下がる。私は後を追うように、刀を左手に握り少し前に向けながらついて行く。


「…話すわ、協力者のこと。でも先に結論を言うと、その協力者を先に殺って欲しいの。奴とは縁を切ったの、、でも、それが逆恨みに繋がって…時より追われるの、、」


「……じゃあ、その為に私を利用したかった訳ね。周りくどい茶番言っていないで、そう言えば良いのに。」


「素直に言って、貴女は着いてくると?面倒でしょう。」


無駄足を踏んで打ち明けられたことに腹が立つ。簡単に騙される自分が恥ずかしい。はやく斬ってしまいたい。でも最後にひとつ、疑問があった。聞かなきゃ良かったと今でも後悔していること。


「でもなんで、あんたはここで気が変わったの?このまま言わなければ私は簡単に騙せたでしょう?」


「そう…ここに来て、ここまで本当にうまくやれていたわ …なのにね、どういう訳か……もう、騙すのが嫌になったのよ。」


「だから何?」


私にとってこの対話はもう関係がないこと。今重要なのは、これが明かされたもう1人との時間稼ぎかどうか、だとしたら奴の潜伏場所は何処かだ。


いや、この後襲われる展開に何も後悔している訳じゃない。


はやくこの吸血鬼を斬って置けば良かったということ。そのことだけだ。


「……今日に限ってどうして、、、」


彼女は小さく、ぎりぎり聞こえる声で言った。


「…何が?」


後ろから起動音がする。それは扉の開閉音だ。


どうやら上階からエレベーターが下がってきたらしい。


Swish!


私は瞬時に身をかがめると同時に刀を抜きしゃがみの姿勢で右足先を軸に回り背後に振り替える。頭上にはエレベーターの証明を遮る大男とその大剣…だろうか。こちらに気づいて降りてきた様だ。


私の動作が1秒でも遅ければ串刺しにされていただろう。


まぁ今まで私のことを聞いてきたなら、そんな事ないということがわかるでしょうけど、もちろん危険を察知しなきゃこの動体視力は働かないから、不意打ちなら私を倒せなくはないわね。


「なんだ、貴様は。」


頭上で錆び付いた声が聞こえる。


「また貴様呼び、、それ漢字で書けばなかな身分高そうな文字になるわよ?」


「………」


(こんなジョークで1秒でもくれれば私の勝ちは確定ね。)


問題は吸血鬼に背を向けているということ。これもまた警戒しなきゃいけないわね。


だから私はその場で真横に転がり、大剣の挙動範囲から外れると、立ち上がり、構え直す。


大剣の大男は私はまだ正面を向いている。これはいつも通り、私の速度についていけるわけがない。対する吸血鬼は__


なんの敵意も無い_


なんなら私を見てもいない、正面の大男を前にして。


今までのポーカーフェイスでも、夜道を歩いていた時の無邪気な笑顔でもない。


よく知っている顔をしていた_


魔獣を初めて目にした時の、私の表情そっくりだった__。


また半年過ぎましたね。それ以上か。

……って、これを言うのも何回目だって話か。

なんて言うかもう、いいですね。なんども宣言した通りで、書き切るだけ。


もっと後にここに描き残そうと思っていたけど、毎年更新頻度が遅いので、こうして伝えたいことは今伝えます。


物書きしている以上当然周りより私の脳内はバグってます。

そして他人のためじゃなく、その脳内で生まれたキャラクターや世界、それらを自分自身はやはり書き残す責任があると思う。と最近ふと感じた訳です。

何だが報われない気がして、僕の厨二病的思考では、頭の中で生まれたこの物語たちを止めてしまったら、そこで生まれた彼らの時間は止まったまま一生進まない訳で、そこで誰に気づかれるでもなく死んでしまうと思ったら、どこか悲しくて、でもそれはこの先を描かない自分のせいで、自分が彼らとその世界を殺したことになるわけです。

そう思った時、今書いている物語や、まだ投稿すらせずメモに残っている物を書ききらないと嫌なんです。

重荷を背負っているように取れますが、実際そうではありません。たかが僕自身がそう思っただけです。

世の中値札がついてなきゃ価値もなければ認めちゃくれないでしょう。

でもそれでいいです、今言った事が全てで、読んでくれた方がいる限り書き続けると言いましたが、実際居なくても書き続けます。好きな事だから。

ただ読んでくれている人には感謝で、そだけでモチベになるのは確かです。正直まだまだ序盤で、何を伝えたいのか全く分からないでしょう(笑)

とはいえ評価されたい訳ではないです、でも承認欲求もどこかにあって、こうして形に、人生賭けて何か残したいだけです。でもってハイリスクノーリターン。収入得るつもりで書いてないです。

ではまた半年後くらいに……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ