事故はこわい
俺は、浜口洸太。
36歳。
未婚。
至って普通のサラリーマンだ。
証券会社に務めてる。
家に帰って「ただいまー」と言っても誰も答えてくれない。
上司からは、罵声を浴びせられることもしばしば。
ローンの返済にも追われてる。
働き方改革のせいで、残業が出来なく、年収は300万円程度。
そんな俺、毎日が平凡で孤独な俺の日常が180度変わる日が来るとは夢にも思っていなかった。
俺は、その日軽自動車で家に帰ろうとしていた。
その日は、10年に一度と言われる程のの豪雨で、バンパーを最大の速さにしても前が見えないくらいだった。
そんな時だった。俺が交差点を4、50キロくらい出して右折しようとした時、対向車の存在に気が付かず、激しく衝突してしまったのだ。
俺は、車に身体を打ち付けた。その日は何故か、シートベルトをするのを忘れていた。また、横からの衝突だったのでエアバックが作動しなかったのだ。
それだけだったら怪我で済んだかもしれない。
だが、エンジンオイルが漏れだしそれに俺のタバコの吸い殻が引火してしまったのだ。それが致命傷となった。衝突の衝撃でドアは凹み、開かなくなった。
車内から出ることも出来ずにそのまま俺は息絶えた。
その、豪雨のお陰で火が燃え広がったり周りに被害が及ぶことがなかったのは、不幸中の幸いかも知れない。