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9話 友人達と、会議前

500㎞級衛星型大型商業要塞『アマテラス・ゾーン』


通常、戦略要塞として前線基地に置かれ動くことのないはずのそれを、要塞の片側全てに重力制御装置とブースターを山のようにつぎ込み、もう片側に巨大な商業都市を作りだし、その中に護衛部隊を抱え込んだ、移動露店の究極系ともいえる名前の通り衛星クラスの船である。

月の裏側にもう一つ衛星があるように見えてしまうこの船のメインタワーの会議室に、知り合いが集まっていた。メンバーを紹介すると


まずこの『アマテラス・ゾーン』の統括『天上院てんじょういん てる

名字の天と名前の照を合わせてアマテラス、そしてそれを自分が管理してる場所でゾーン。という分かりやすい船の名前だが、私達は頭とお尻を取ってよく使われるネット通販サイトの名前で隠れて呼んでいる。性格は基本的に優しく温厚ではあるが、取り引きに関しては容赦しない感じの…いわゆる出来るさわやかイケメンというイメージ。まぁ、逆憑依なのだから本当のところはわからないけれど。私の職業は特化型のスペースライナー(定期運搬者)だけど、彼は特化型のオーナー(施設管理者)で固有称号は【一人三津七湊】


次に100㎞級採精練加工付採掘母艦『ドリッテル』の親方『オーア・ジェム』

船の中には造船施設もあり10㎞級までなら収容、修理もできるいわゆる鍛冶と採掘を宇宙でいっぺんに出来る船といった感じ。

そして勘違いしないでほしいのは『オーア・ジェム』は女性であるということ、逆憑依前から顔を見せて会話したことのある人であるので間違いないと思う。ルックスは設定そのままだったので本人はAIから連絡があるまで気づかなかったらしい。性格は一言で言えば質実剛健、クールなお姉さんといった感じ。取引ではテルと張り合うことのできる女傑でもある。職業はハンターの先鋭職のマイナーズ(採掘者)で固有称号は【星を枯らすもの】


次は50㎞級大型護衛空母『イズモ』の艦長『川本かわもと 四十六しじゅうろう

空母という通り中には大小合わせて数十万の機体があるが本質はそこではなく、その数十万の機体や護衛艦にエネルギーと弾薬を母艦にあるものから機体に遠隔で供給させられるオーパーツの船であるという点である。非常に戦術ルーチンの高いAIと優秀なプレイヤーを多数従え、まさに元帥と呼ばれるにふさわしいナイスミドルである。正直に言うと私はこの人がリアルの上司だったらよかったのにと常々思っていた優秀で、でも部下には優しいそんな人。イズモの周囲には、5㎞級巡洋艦30隻、1㎞駆逐艦20隻、500m級フリゲート10隻、ステルス潜宙艦10隻、弾薬生産艦10隻が追従していたが今はイズモ一隻しか確認できなかった。職業は汎用職のハンターで固有称号は【半永久空母打撃群】


次は10㎞級ワームホール研究工作艦『ラボ777(スリーセブン)』の主任『セーガル』

私が最初に連絡したオネエ口調が特徴的な男性。ワームホール、ジャンプゲートを研究することに特化した研究艦で、ジャンプゲートの制作も行える工作艦でもある。

ジャンプゲートの制作自体は技術をミッションで学習すれば作れるが、セーガルの研究艦で作り出すのはごく短時間で作成でき、長期の安定性でジャンプゲートが欲しかった頃にはプレイヤー達に引っ張りだこだったゲートの第一人者。性格は元気でポジティブで明るいと一緒にいて楽しくなる先輩のような人。職業はトランスポーターの特化職のゲートキーパー(門管理者)というのがあるが、セーガル自体はサルベージャー系列の特化職のアーキテクト(設計士)。固有称号は【ゲートプランナー】


最後は5㎞級高機動探索艦『O0Q[オーゼロキュー]』の艦長『ああああ』

速いことに重きを置き、敵は回避し、世界を縮めることに情熱を注いでいる女性。私は「あーしさん」(あがよっつなので)と呼んでいる。彼女の船は5㎞という巨大な物にもかかわらず0から光速まで一瞬で到達し、なおかつ乗組員には一切の影響が出ない流線形のオーパーツ船である。代わりに武装は一切詰めず、通常の5㎞の半分以下の装甲という頭のおかし…尖った性能の高機動船である。彼女はいち早く未開の地へ赴き、宇宙の海図をつくり、後に続くものをの道を作った。性格はおっとり、のんびり、マイペースだけど無駄なことを嫌がる。だから移動にかかる時間を減らしたくてそうなったらしい。職業はトランスポーターの特化職パイオニア(航路開拓者)で称号は【RTAリアルタイムアタッカー


そしてこの6人である。10数隻あったのはイズモのAI護衛艦だったようだ。

そんなこんなで会議を…


「僕の船にようこそ、みんな。まずは落ち着いてお茶でも飲もう。いやー仕入れた茶葉の味まで楽しめるなんて最高だね」

「そうだねぇ~実際に歩いてもこの身体疲れないけど、精神的にはもうぐったりだよ~あ、おいしーこれー」

「そうじゃな、(ずずーっ)おお!いい茶葉じゃな、あとでこれをもらえんか?」

「ちょっと、この前の交易の時私に出さなかったじゃないこれ!私はコーヒー派だけど、このお茶なら買ったんだけど?!」

「お茶菓子とも相性いいわねぇ…んんっ!これはお茶請けの構想がはかどりそうだな!」


…まだもう少し時間がかかりそう、いつものことだけど。私の固有称号?…【縁の下の苦労人】だよ。


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