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8話 備考欄と、固有称号

キャラクターは名前、種族、年齢などの基本設定と、容姿設定、備考欄設定がある。

容姿設定に関しては身長、体重などの通常の身体測定で行われる情報や、髪の色、瞳の色、肌の色などの細かい設定を書く。

備考欄に関しては、生い立ち、経緯、経歴などの設定を書く、所謂テーブルトークRPGによくあるような感じで設定する。

もちろん「俺は最強で戦闘で負けなし」「私は無敵で船に傷がつくことがない」「私は絶世の美女で男はメロメロになる」なんていうことも記入できるけど、ゲームに反映されることはない。いわゆる備考欄でその設定は【そのままでは】ただの個人が言い張っているだけの主張でしかない。

しかし、それに近いことができるようになることがある。それが【称号】である。

称号は回数をこなせば、何かのセッションをこなせば多人数の人が得られるノーマルな【称号】と、ゲームをしている上で有名になったり、称号の意味が近いものを集めて相当数獲得した上で実績があったり、設定にふさわしい行動をしたりして、それをGMがデータを見て判断し与えられる【固有称号】がある。

『最強』『無敵』は無理かもしれないが、戦闘によって相当数以上、それも格上を含んで負けなしなら『無敗』や『常勝』。それが編隊パーティなら『無敗艦隊』などがパーティ称号として進呈される。容姿設定を細かく、細部まで設定したうえで異性との交渉を数多くこなし成功を収めれば『美人交渉人』など備考欄は基本的にキャラクターの方向性を決めるものとして認識されていた。

そうして得られた称号の数や種類で装備や自分にボーナスがかかる訳ではない。でも、その称号がある事で受けられる専用のミッションのようなものが出たりしていた。

だから今回得た【逸脱した経歴の持ち主が逆憑依されていない】というのはGMのような存在がいるのではと仮定していた。

なのに、私の場合【遺伝子操作により不老処置と脳内ネットワーク、キャパシティを大幅に強化した】この部分は称号でも何でもないのに適応されていた。つまり「逸脱した設定が」有効になっているはずなのだ。


「どういうこと?私のこれは逸脱していないってこと?その境界線はどこからなの?」

「わからないわねぇ…私の口調も身体に引っ張られてつい言っちゃうこともあるからぁ…」

「艦長、推測であれば意見を述べることができますがよろしいでしょうか?」

「スフィ?ええ、聞かせてくれる?」

「はい艦長、聞かせていただいた称号と備考欄の説明でこれであろうという違いは。『周囲に影響があるかどうか』であると推測します。」

「周囲に影響?」

「はい艦長、艦長の設定は本人の能力を上昇させるもので、さらに強化されていますが周囲の頭が悪くなる、などといったものではありません。最強や無敵という言語は自身が強いというのと同時にすべてが自分の下という影響が少なからずあると推測されます。絶世の美女で男を魅了するというのも目を惹きやすくなるのはあると思いますが魅了して他者の精神に干渉する行為が付随していなければ、逸脱したとは取られないのではないかと思います」

「なるほどね、私の思考がもっと行けるはずなのにスフィと同じ考えが出てきても選択できないのは扱いきれてないのかも」


船やコロニー、施設などのゲーム側のものに対しての設定が細かく、バランスがとられた設定だったのもこういうことだったのかな。


「でも77隻しかいない理由は何かしらぁ?んんっ、固有称号持ちや逸脱していない設定の人だってもっといたはずだろ?」

「それはまだわからないかな、スフィはどう?」

「はい艦長、情報が足りないため推測することは不可能です」

「これから残りの77隻のうち知り合いを集めて会議をするから、その時に情報を集めてみよう」

「地球に関しては誰かが「独立記念日」をばらまいたから必要ないものねぇ」

「にやにやしないでセーガル!慌ててたんだから仕方ないじゃん!」

「セーガル様、確かに艦長は大慌てでございました。慌てて窓の外を見に行こうとして足の小指を打ち付けるほどです」

「スフィは余計なこと言わない!」

「はい艦長」


と、とりあえずこれで自分ができる範囲の「己を知る」ということはできたはず。そして頼もしいスフィと仲の良いセーガルもいる。

あとは77隻のうちの私が取引していた相手達と、護衛をお願いしたことのある相手達の生き残りといっていいのかわからないけど知人が十数隻確認されている。

その仲間達と会議して方針を決めよう。

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