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マジックハンド!  作者: 光輝くニワトリ
第3章 命の価値
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迷う2人

ボチボチ投稿するとか言っておきながらなかなか投稿しなかった為今回は長めです!すいません!コケー!

 火野視点


「なぁなぁ、これなんてどうだ?」

「う〜ん、良いと思うけど少し高くない?それならこっちの方が良いと思うわ。」


 私は手に持った服をメイアに見せる。

 この服は私達の服だ。旅をして来た以上服は直ぐにボロボロになってしまう、その為此処でいくつか買いためておかなくちゃいけない。


 特に海斗君は直ぐに服を駄目にするし…


「そうだな、そっちの方が良いか。サーラはこいつで良いか?」

「ん、問題ない。でも下着の事も考えないと…」

「確かにそうね。メイア、今いくら残ってるの?」

「えーっと、2万3000レクトってところだな。ただ宿代もあるからそんなに使えねぇぞ。」


 メイアはお財布を取り出して中を確認する。でも思ったより残っていないみたい。


「まぁ何にせよ、金稼がねぇとどうしようも無い訳だし…働くとこ探すか〜」

「え!?私達此処に長くは滞在しないわよ?それなのに雇ってくれる所なんて…」

「ギルド…」

「ギルド?サーラ、それって一体何なの?」


 私の疑問にポツリと答えたサーラだけど、私には何のことかよく分からない。

 とそこでメイアが荷物袋にお財布をしまいながら答えた。


「ギルドってのはいわば組合みたいなもんだ。色々とあるんだが…まぁ商業(カーマス)ギルドとか狩人(ハンター)ギルド、あとは魔法(マジック)ギルドなんかが有名どころだな。」

「有名どころって事は他にもあるの?」

「他は採取(コレクター)ギルド、料理(クック)ギルド、調教(テイマー)ギルドとかがあるぜ。」

「料理ギルド?料理を教えてもらえたりするのかしら?」

「どうだろうな?流石にオレも行ってみなきゃ分かんねぇぜ。」


 確かにそうよね…それによく考えてみたらメイアに教わった方が効率が良さそうだし。


「まぁ何にせよ先ずは金を稼ぐ、オレ達なら狩人ギルド辺りが良いだろうから行くぜ。」

「えぇ、分かったわ。」

「ん、了解。」


 そうして私達は手に持っていた服をお会計に持って行く。ただやっぱり此処は地球じゃ無いのでお会計は算盤(そろばん)みたいな物でやっていた。


 しばらくすると計算が終わったのか商品の服を畳み出す。


「それでは合わせて1万2000レクトになります。」


 メイアがお財布を取り出しお金を渡した。


「……はい確かに。それではまたのお越しをお待ちしています。」


 そして私達は店を出たのだった。


 それにしても服5着で1万2000って、やっぱり高いな…


「そんじゃ、ギルド行くか!今の所持金じゃ下着買えねぇかんな。」

「お金、稼がないと。」

「そうね。あ、海斗君達は…」

「別にいいだろ。それに、多分呼ばなくても問題ねぇと思うし…」


 そう言ったメイアは何処か遠い目をしていた。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 海斗視点


「はぁっ、はぁっ、追って…来てるか?」


 後ろを振り返れば人の居ない静かな裏通りが見える。どうやら追っては来なかったようだ。


「助かった〜…」

「逃げ切れたんだ?」

「うおぅ!?」


 安堵している所に突然聞こえて来た声に驚き思わず裏拳をかましそうになる。だが声の主が翔太だと気づいた俺はギリギリの所で腕を押し留めた。


「ちょっ!?い、いきなり殴ろうとしないでよ…」

「お前が脅かすからだろ、この世界で背後を取られたら終わりだぜ?」

「それどこ情報なのさ?」

「フッ、漫画及びラノベだ!」

「キメ顔やめい、ん?海斗、手に持ってるそれ何?」


 とそこで翔太は俺が手に持っている物に気づいたようで何なのかを聞いてくる。


「これ?これはデルタの封印を一時的に出来る判子らしい、スフィアさんに貰ったんだよ。」

「ほえ〜、使ってみないの?」

「それはみんなのいる所でだな、なんかあったら危ないし。」


 そう、これをくれたスフィアさんには悪いが問題は封印が出来なかった場合なのだ。もしも封印に失敗して俺がデルタに身体を奪われたら確実に詰む。それだけは避けなくてはならない事態の為、万が一の時に俺を止めてくれるみんながいる所で使うつもりだった。


「それより此処どこだ?がむしゃらに走って来た所為で場所が分かんねぇんだけど。」

「さぁ?僕は海斗について来ただけだし…近くに居る人に聞いてみれば?」

「マジかよ…。まぁいいや、人探すか。」


 という事で俺たちは人気の無い裏通りをぶらぶらと歩く事にした。


 しばらくゆっくりと歩けば色々な物が見えてくる。例えば壁に描かれた子供の落書き、例えば石畳の地面をぶち抜いて育つ雑草。例えば首に鉄の首輪をつけて歩くケモ耳少年…………は?


 え?待って何それ?奴隷?あんな小さな子供が奴隷なのか…?


 奴隷とは本来戦争をしてその時に捕まえた大人達がなるものだ。間違ってもあんな少年がなっていいものでは無い。そうなれば必然、俺の脳はとある答えを導き出した。


「まさかあるのかよ…奴隷狩り!」


 くそっ!くそがっ!ふざけんなよ!何でそんなもんがある!?何で誰もが黙認している!?いや、落ち着け。勘違いの可能性も無くは無い、なら俺のする事は決まっているだろ。


「よし、翔太手伝ってくれ。あの首輪をぶっ壊す。」

「落ち着けよ海斗。何を考えたかは何となく分かるけどあれ見なよ。」


 走り出そうとした俺を羽交い締めにして抑える翔太が視線で示す方向に目を向ける。そこにはさっきのケモ耳少年を抱き上げる人間の女性が居た。2人とも笑顔で何かを話している。


「少なくとも僕等が危険を犯してまであの首輪を外す必要はなく無いでしょ。」

「…………だけど…!」

「海斗、僕等はもう異世界の住人なんだ。傍観者の気分で動いてたら長くは生きていられないよ?」


 体の力が抜ける。


 そうだ…確かに俺はどこか傍観者の気分で居た。此処は紛れも無く異世界で、だけどもラノベの世界じゃ無い。そんな事に気付かなかったから街に入る時も、そして今も、法律も何も考えずに行動しようとしてしまった。そういう行為は俺だけでなくみんなも危険に晒す。


「悪い、もう大丈夫だ。」


 俺がそう言うと翔太は腕を外す。そしていつもの調子で俺をおちょくってきた。


「ていうかまだラノベの主人公気分抜けてなかったの?草生えるわ。」

「だっ、誰がラノベの主人公気分だ!?言い掛かりつけんなし!」

「言い掛かり?事実でしょ、どもったのがその証拠じゃん。」

「どもってねぇし!お前の勘違いだろ?」

「いい加減認めなよ、自分が結構な厨二病だって。」

「まだ俺は常識がある範囲だ!」


 一言多い翔太の所為で結局言い争いになってしまった。最終的に低レベルな罵り合いを続けるようになった頃、俺の服の裾が引っ張られる。


「この空気野郎!……ん?」

「誰が空気野郎だ…し…?」


 俺の服の裾を引っ張っていたのはさっきのケモ耳少年だった。ケモ耳少年はその小さな口を開き言う。


「に、兄ちゃん達…喧嘩はやめてよ。」


 ケモ耳少年の言っていることは何も間違っていない。その為に余計に恥ずかしさを覚えた俺達はワシワシと少年の頭を撫でる。


「安心して、ただのじゃれあいだからさ。」

「そうそう、僕等は喧嘩していた訳じゃ無いの。」

「ほんと!?良かった!」


 花開くように笑顔になったケモ耳少年はその後振り返ってトテトテと歩いて行き女性の元に向かって行った。


 俺達はその女性に苦笑いを浮かべならがら会釈する。


「はは、どうも恥ずかしい所を見せました。」

「ふふ、仲がよろしいんですね?」

「えぇ、まぁ。あ、すいません。ちょっと道に迷ってしまって、どこに行けば大通りに出られるか教えてもらえませんか?」


 会話の途中で自分達が道に迷っている事を思い出した俺は女性に聞く。

 女性は少し可笑しそうに笑いながら道を教えてくれたのだった。


 〜〜〜〜〜


 数分後、俺達は大通りに辿り着いた。


「ふぅ、何とか辿り着いたか…さて、宿はどっちだったかな?」

「待ちなよ海斗。もう少しぶらぶらして行かない?」

「…そうだな。よっしゃ!色々見て回ろうぜ!」


 翔太の提案に乗って街を見て回る事にする。人の流れに乗って歩いて行くと、俺はとある店に目が引かれた。

 その店は入り口の上に剣の看板がかけてある。武器屋か何かだろうか?


「なぁ翔太、あそこ行ってみようぜ?」

「りょ、何だろあの店。」

「さぁな、どの道文字は読めねぇし行って見るっきゃ無いだろ?」


 実は俺達はこの世界の文字を読む事が出来ない。言葉は通じるものの文字は読めなかったのだ。ただ奇跡的に今まで気にする必要が無かったので勉強しなくて済んだのだが、そろそろ勉強しなくてはまずいだろう。


 とにかく俺達は店の入り口に向かう。そして扉に手をかけ、扉を開いーー


「海斗君?何でこんな所に居るのよ?」


 聞こえてきた火野さんの声に手が止まったのだった。


 やっべぇ、振り向けねぇ…

最近筆が進みません!スランプかな!?でもちゃんと投稿はするのでどうか大目に見てください!

面白いと思ったら評価、感想、よろしくお願いします!コケッ!

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