脱出成功!
お待たせしました!
私情が一旦落ち着きましたのでマジックハンド!更新再開です!
痛てててて…
そこかしこが痛む、痛みには慣れてきたつもりだったけど痛いものは痛い、思わず痛んだ腹をさする。
「海斗君大丈夫?治すから少しじっとしててちょうだい。」
「あぁ悪い、頼むよ火野さん。」
「えぇ、不死鳥の魂。」
火野さんが手をかざすと俺の体が炎に包まれた。痛みが少しづつ和らいでいく。
だがしばらく経った頃、異変が起きた。
さ…寒い…体が冷える…
どういうわけか急に体が冷えてきた、心なしか霜が降りてきた様に感じる。
鳥肌のたった腕をさすった。
「なぁ、海斗唇青くなってねぇか?」
「え?……あ!ごめんなさい!」
フッと俺の体を包んでいた炎が消える。見れば腕が白みがかっている。
「海斗はなんで寒がってんの?」
「私の異能の効果、覚えてるかしら?
私の異能は熱を使って傷を治すのよ。だから傷に対しての熱が足り無くなって今度は冷えてきちゃったんだと思うわ。」
成る程…だから俺だけが凍えたわけか……
火野さんの推測に納得する。
まだ痛みは残っているため治して貰いたいが凍え死んでは元も子もないので回復は後にしてもらう事にした。
「取り敢えずここを出るぜ。外なら少しは回復出来るだろうからよ。」
「あ〜、ちょっと俺捕まってて出られないんだけど…」
「知ってるわよ。その件については片付いたわ。ほら、行くわよ。」
「うぇぇ!?マジで!?」
「マジマジ、僕等がこんなに遅れたのはそのせいだから。」
そうか…みんなが俺の事を忘れていただなんて思っちまって恥ずかしいな。正直翔太は忘れてるものとばかり思ってたんだがこの様子ならきっと探してくれてたんだろうな。
「ありがとな、みんな。そいじゃ出るか!」
照れ臭くて直ぐに話を切り替えてしまった。
みんなそれが分かっているのかニヤついているのが見える。ただ翔太が口を押さえて笑っているのが気になったがなんでも無いだろうと気にしないことにした。
「っとそうだ!俺の籠手って…あれ?」
「海斗君どうかした?」
「あの籠手は…どこいった?」
「「「「っ!?」」」」
俺の言葉に全員が気付く。確かに今まで腕にはめていたはずの籠手が無くなっているという事に。
ど…どういう事だ?俺は確かに腕にはめていた、なのに突然無くなったなんて、そんな事あるか?
あの籠手をはめていた右腕をまじまじと見つめる。
そして腕に妙な模様が描かれているのを発見した。
「なんだこの模様…タトゥー?」
眉間に皺を寄せてじっと見つめるが模様に変化は無い。
とそこでサーラが近づいてきた。
「ん?どうしたんだサーラ。」
「それ…多分さっきの籠手。多分海斗は憑かれた。」
「はぁ!?おいサーラ、冗談は止めろよ!」
「メ、メイアねぇさん突然どうした?何を焦ってるんだ?」
「知らねぇのかお前!憑かれるってのはな!身体に寄生されちまったって事だ!要はもうお前は…その籠手を、取り外せねぇ…病魔に侵された様なもんなんだよ…」
俺の胸ぐらを掴みながら、泣きそうな顔でそう言ったメイアねぇさんは顔を伏せてしまった。
見ればサーラも心配そうにこちらを見ている。
「ど、どういう事?病魔?意味分っかんねぇよ。」
「海斗はこれから先もずっと、今回の様に身体を奪われる可能性がある、普通なら乗っ取られる前に捕まるか殺される。」
「嘘よ…そんなの絶対嘘よ!ねぇサーラ、本当は嘘なんでしょう!?」
サーラは答えなかった。
それは明確にその言葉が本当の事である事を示していた。
「は…はは、そっか…俺はここまでなのか…。なんか随分と呆気ない終わりーー」
パァン!
続く言葉は乾いた音と共に止められる。
頰を平手で叩かれた様で頰の皮が波打った。動揺していたせいで流衝が反射的に使えなく、思わずたたらを踏む。
随分と容赦の無い一撃だった、誰が引っ叩いたのかと睨みつける様に見る。
そこにはやはりと言うべきか、こちらをじっと見つめる翔太がいた。
………え?翔太!?
おかしくね!?ここは普通メイアねぇさんとか火野さんとかが引っ叩くもんじゃねェの!?何故に翔太!?
「ごめんごめん、女々しくてウザいからつい引っ叩いちゃった。」
こいつぅぅぅ!状況見てんのか!?俺がどんな思いでいると思ってやがる!
「おまっ!お前ふざけんなよ!なんでお前が引っ叩くんだよ!?せめて引っ叩かれるのなら女子が良かったわ!」
「思ったよりも手が痛いな…」
「話し聞けよ!」
翔太は俺をおちょくっているのか自分の手に息を吹きかけている。っていうかこれ絶対おちょくってんだろ!
「……そもそもさ。」
「ん?」
突然翔太の雰囲気が変わる。先程とは打って変わって真剣な表情でこちらを見てくる。
思わず足を引いてしまった。
「そもそもなんで自ら捕まる必要があるのさ?」
「はぁ?どういう意味だよ?」
「要はさ、バレなきゃいいんだよ。バレなきゃ犯罪じゃ無いってね。」
「だからまた身体を奪われる可能性があるって言ってんだろ!?」
「何?もしかしてまた身体を奪われるつもり?」
「っ!」
言葉に詰まった。
俺は…何を弱気になったんだよ?俺らしくねぇぞ!
パァン!
今度は自分で、自分の頰を引っ叩いた。
弱気になった己に喝を入れたのだ。
「悪い、弱気になった。そうだな、バレなきゃ犯罪じゃ無い!さっさとここから出よう!」
「そうね、隠せばいいのよ!」
「ん、同意。」
「は、はは!そうだよな!宿は取ってある、オレに付いてきてくれ!」
俺たちは憑かれた事を隠して、この先過ごす事を決めたのだった。
〜〜〜〜〜〜
約一刻半後、俺たちは宿に到着していた。
監視官に多少いぶかわしげな目で見られたが、なんとかバレずに脱出に成功したのだ。




