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マジックハンド!  作者: 光輝くニワトリ
第3章 命の価値
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冥眼の海斗誕生!

 あれ……?ここ、何処だ?


 ここは何処だろうか、気づけば俺は黒い地面と白い空で構成された奇妙な世界に居た。

 どの方向を見ても遥か先まで黒と白が続いている。いや、何も無いというのは少し違うのかもしれないな。


 俺は空を見上げた。

 空には黄色い球体が見える、太陽かそれとも月か、ハッキリとはしないがあんな物は地球にも異世界にも無かった。

 ということはここは全くの別世界なんだろう。


 なんだってこんな所に来てしまったのか、意識を失う前の記憶を思い出してみる。


 確かそう、あれはーー


 〜〜〜〜〜〜


 牢に叩き込まれてから色々やってみたが脱出の手がかりは何一つ見つからなかった、それこそベットや洗面所、壁、果ては便器まで探し回ったというのに、だ。


「はぁ〜、俺は出れんのかよ…もしかして一生このまま……!」


 牢屋から出られずヨボヨボのおじいちゃんになって1人寂しく死んでいく未来が脳裏をよぎる。


 絶対に嫌だ、そんな人生を生きるのは。

 だが出る術が無い。どうすれば…


「教えてくれよアンダーソン。頼れるのは君しかいない。」


 そう言って手に持った骸骨を撫でる。

 側から見てもヤベェ奴だが牢の中にただ1人という状況があまりにも辛い、待っても全然助けに来る気配が無いし。


「ていうかアンダーソンの骨格は人間のものじゃ無くね?」


 アンダーソンは頭部の骨に妙な突起が出ている、その上歯が異様に鋭いのが特徴的だ。


 この骨格…まさか獣人が居るのか!?

 ありえるな、エルフが居たんだドワーフや獣人だって居るに違いない!


 そう思った俺はもう一度手がかりを探す事にした。

 アンダーソンを地面に置き、牢の中を歩き回る。とその時、ついうっかりアンダーソンを蹴ってしまった。

 アンダーソンは転がり壁に衝突する。


 ミシッ


 音がした、何かが割れるような音が、アンダーソンから。


「ア、アンダーソン!!!」


 ミシッミシミシベキッ!


 最初の音はヒビだけだったのだろう、次いで響いた音はそのヒビが大きくなっていった音で、そして最後には割れてしまった。


「アンダァァァァァァソォォォォォォン!!」

「うるせぇぞ!」


 隣の牢からまたも怒鳴り声が聞こえてきたが今はそんな事よりもアンダーソンだ、アンダーソンが死んでしまった!


 キィ…バタン


 俺がアンダーソンを失った悲しみに打ちひしがれていると、扉の開く音がする。

 顔を少し上げて見ればそこには俺をこの牢に叩き込んだ兵士が居た。


 お、おぉぉぉぉぉ!漸くここから出られるのか!誰かが助けに来てくれたんだ!


 兵士はこちらに向かって歩いて来る。牢の数の割に収容者はあまり多くなく、兵士の足音が静かな牢に響き渡る。


 コツコツコツコツコツ


 近づいてきた足音が止まる。兵士が目的の牢の前に辿り着いたのだ。


「釈放だ、さぁ出ろ。」


 牢の門が開けられるーー







 ーー隣の牢の。


「……………え?」


 隣の牢から1人の男が出て行った。兵士はそいつの後ろに付いてそのまま離れて行った。


 キィ…バタン!


 牢屋にまた静寂が訪れた。


「………な…なんでだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!俺じゃねぇのかよ!なんで隣の奴なんだよ!みんなは何してんだよぉぉぉぉ!!助けて!誰か!ヘルプミー!」


 返事は無い、もはや怒鳴る声すら聞こえなくなってしまった。


 俺はフラフラとアンダーソンに近づいていく。

 アンダーソンは頭部の割れて中の空洞が丸見えになっていた。


 ん?待て、何か入ってる?


 だがよく見ればアンダーソンの頭部に何かが入っていた。

 その何かを俺は手に取ってみる。


「………布で巻かれた何か?この形…まさか腕!?」


 それは指先が鋭くなった腕の形で布が巻かれていた、布も妙な文字みたいなものが書かれている。


 そう、それはまるで封印された物みたいな…


 は!そうか!これは封印されていた物なんだ!そうに違いない!

 なら(ほど)いてみましょうこの布を、きっとすげぇのが出てくる筈!


 思い立ったが吉日とばかりに布を(ほど)く。


 シュルシュル


「何が出るかな?何が出るかな?」


 何処かで聞いた覚えのある歌を口ずさみながら(ほど)いていく。


 数分後、中の物が漸く姿を見せた。


「これは…籠手?何つーか禍々しいなぁおい。」


 いぶかわしげに籠手を見つめる。籠手は禍々しい色合いで禍々しいオーラを漂わせているが、持っているだけでは何ら変化は無い。


 どうすっかなこれ、折角だし付けてみるか?

 いや待て待て、何か起きたらどうする?しかしリスクを恐れては始まらない…なら!


「付けてみるか!」


 ガチャガチャと籠手の留め具を外し、手を通す。なかなかカッコいいなこれ。


 ガチャっと外した留め具をもう一度取り付けたその時、俺の目の前がぼやけ出した。


「あ…やっば……これ…マズイ……やつ…だ……。」


 バタッ!


 足に力が入らなく地面に倒れる。


 俺の意識は数秒も持たずに闇に呑まれた。


 〜〜〜〜〜〜


 そうだ…俺は確かそれで意識を失って…

 でもここは一体何処なんだ?


 思い出したは良いもののだからと言ってこんな妙な世界に来てしまった理由が分からない。


「教えてやろうか?」


 ゾワリと背筋が寒くなる。

 声は背後から聞こえた。だが思い出して欲しい、俺が周囲を見渡した時には何も無かったんだ。それこそ地平線が見えるくらいの距離まで。


 すぐさまその場を跳びのき声の主を確認する。

 声の主は俺が跳びのいても反応をせず、こちらを見つめているだけだった。


 そいつが動く気配が無いので俺も見つめて観察をする。

 白銀の髪に、スラリとした体形、何よりもオッドアイが俺に奴が何者かを伝えて来る。


 こいつ…厨二病だ!

 何ということだ…こんな世界にも厨二病が居るとは…


 完璧だ、奴の性格は読み切った。後は話を合わせる必要がある。


「貴様何者だ!?我は冥眼の海斗!まさかその正体に気づきし者か!?」

「フ、フハハハハハハ!そうか!貴様は冥眼の海斗というのか!私はデルタ!古代の悪魔なり!貴様の身体は私の物になったのだ!」


 やはり!奴も俺の話に合わせてきた!このままこの世界の情報を引き出す!


 人差し指を中心として3本の指を立てる。その手を顔に当て全力で格好つけつつ言葉を繋げる。


「な!?なにぃ!?貴様我の身体を奪っただと!?許せんな、返して貰うぞ!」


 お気付きの人もいるかも知れないが、俺はこの時奴が本当の事を言っているだなんて気づきもしなかった。

お読みいただきありがとうございます!

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