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マジックハンド!  作者: 光輝くニワトリ
第2章 緑の奇跡
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次の目的地

ユールスティアの名前が読みづらかったのでユーティウスに変更しました。ご迷惑をおかけします。コケ〜。

 3日後、俺達はエルフの村の入り口へと来ていた。

 今日、村を出るのだ。


「なんだかあっという間だったわね?」

「色々あったかんなぁ…」


 この村にはまだ一週間程しか居なかったが、かなり濃密な日々だった。


「さてと、サーラ。準備出来たか?」

「ん、バッチリ。」


 突然ではあるが、旅の仲間にサーラが加わった。

 昨日の夜、村長エルフから「旅に出そうとは思っていたが、可愛い一人娘だ。一人で旅に出させるのはいささか不安でな、お前達の旅について行かせてやってくれないか?」との事で俺達はそれを了承した。サーラも元々いつかは行くつもりであったようなので今回は丁度良いとの事だ。


「ではな!異世界人!今回は助かったぞ!」


 大声を出して俺達にお礼を言うのはいつぞやの隊長エルフだ。


「サーラ様!どうかお元気で!」

「ん、ありがと。」


 来ているのは隊長エルフだけではない、他にも様々なエルフが見送りに来ていた。


「サーラ様!お気をつけて!」 「また戻って来て下さい!」 「今度会う時を楽しみにしているぞー!」 「行ってらっしゃーい!」


 様々な声がかけられる。その様子にサーラは涙を浮かべた。


 サーラを連れて旅に行く身として、一言言っておくべきかな?


 思い至った俺は、大きく息を吸う。


「すぅー、みなさぁぁぁん!!サーラは!俺達が守ります!安心して下さぁぁぁぁぁい!」

「「「「「…………………」」」」」


 あれ?俺もしかしてやっちまった?


 エルフ達の声が聞こえなくなったので酷く不安になる。


 だが、そんな不安は杞憂だった。


「いいぞー!化け物!」 「よく言った!必ず守れよ!」 「嘘ついたら許さないからねー!」 「頼んだぞー!化け物ー!」


 途端に来る声の衝撃が、俺達を襲う。

 相変わらずの化け物呼ばわりだったが、俺達の事を認めてくれたみたいだ。


「サーラちゃん!また遊ぼうね!」 「僕達は友達だからねー!」 「行ってらっしゃーい!」


 その時どこからか高い声が聞こえてくる。


 俺は辺りを見回して声の主を探す。

 そして右手の木の上に居るのに気づいた。


「エルフの、子供?この村に居たのか…」

「あれ?海斗君会ったことなかったの?」

「一度も無い。」


 実は俺はこの村に居ながらエルフの子供を一度も見た事が無かった、だからサーラ以外にはこの村には居ないものと思っていたがこの様子では普通に居るようだ。


「みんな怖がって海斗には近づかなかったんだと思う。海斗はオーラの量が化け物だし、顔も化け物だしね?」

「ふ〜ん、ん?待ってサーラ今何つった!?」


 振り向いたもののサーラは既に居なく、エルフの子供達のところに行っていた。

 サーラは向こうでエルフの子供達と楽しそうに話し込んでいる。


「ったく。」

「海斗、準備終わったぞ。」


 メイアねぇさんは明後日の方向に向かって話す。

 どういうわけか炎魔人(イフリート)と戦った日から目を合わせてくれないのだ。


「そんじゃあ出発すんぞ。」

「あぁ、そうだな。」

「また旅の日々の始まりだね。」

「サーラはいいの?」

「っと、そうだった。サーラ!行くぞー!」


 火野さんに言われ、サーラを呼ぶ。サーラは気づいたようで走ってきた。


「もう、行くの?」

「あぁ、いつまでも止まる訳には行かねぇかんな。」

「そう…分かった。」

「寂しそうにすんなよ。また来るさ。」

「ん。分かってる。」

「よし!次の目的地はラフリオ!この先の歩道を歩いていけばある街だ!楽しんで行こうぜ!」


 村長に貰った地図を見て次の目的地を決める。

 ラフリオ、人間の街だ。


「娘を頼んだぞ!小僧!いや、海斗!」

「……!はい!それではまた!」

「ああ!達者でな!」


 手を振り、森を進んで行く。




 しばらくすればエルフ達の姿は霧に飲まれ、見えなくなった。


「ラフリオか、どんな街かな?」

「行ってみれば分かるわよ。」

「そうだな。楽しみだ!」


 俺達は新しい目的地へと歩き出した。



 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 ???


「はぁっ、はぁっ。まさかあんなんがおるとは…予想外や…」


 男は血の滲んだ腹を抑えながら荒くなった息を整える。

 男のいる場所は何処かの家の中のようだ。


()っ!くそっ!なんでや!どうして気づいた…」


 男が悪態をついていると、外から声が聞こえてくる。


「ここに逃げ込んだのか?」

「はい!奴はここで閉じ篭っております!」


 しもた!居場所がバレた!


 男は焦る。村のエルフ達から何とか逃げ切り、身を隠したというのに早くも居場所がバレてしまった。


 バァン!!


 家の扉が乱暴に蹴やぶられる。そして何人ものエルフ達が入って行った。


「ここまでだ!大人しくしろ!」

「はぁっ、はぁっ、ワイはまだ捕まる訳にはいかんのや!」

「お前が何と言おうとここで捕まえる。」


 槍を構え、男を捕まえようとしているエルフ達の中から一人の女エルフが現れる。


「まさかアンタまで出てくるとはなぁ…見送りはええんか?村長はん。」

「見送りなら終わった、その後直ぐにここに向かったのだ。それだけ今回の事件は許されざる事だと言う事だ。エルフ殺し、及び炎魔人召喚の黒幕、ユーティウスよ。」

「はぁっはぁっ、どうやって気づいたんや…証拠は残さへんかった筈や。」

「あぁ、何。メイアがお前が怪しいと教えてくれてな。翔太と出会った時に何故気づかなかったのか気にかかるとな?そこで監視をつけておったのだ。」

「メイア?あの男みたいな女かっ!」


 翔太の仲間達とあった時の自己紹介を思い出す。そういえばそんな奴がおった。


 せやかてあの女、たったそれだけのことでワイを疑いよったのか…くそっ!あの時気づいていない振りはマズかったかっ!


「あやつの異能は良きものだ。こうしてお前を見つけ出せたのだからな。」

「はぁっ、まさか、イレギュラーが2人も居るとはなぁ。流石に予想外や…」

「海斗とメイアの事か?こちらとしては居てくれて助かったがな。さて、そろそろ無駄話は終わりとしようか。」


 村長は片手を前に突き出し魔法陣をユーティウスの足元に展開した。


「くっ!」


 だがユーティウスは跳びのき地面から出てきた樹木を躱した。


「変わるべきなんや!ワイらは、エルフは、選ばれた種族なんや!人間を滅ぼすんや!」

「選ばれた種族だと?下らんな、そんな事の為に同胞が殺されたのか…」

「下らんやと!?よく考えぇ、あんな強欲で傲慢で怠惰で愚かで醜い種族を生かしておく理由がどこにある!?」

「我はあくまでも同胞の味方だ。そんなに人間を滅ぼしたいのなら好きにすれば良いが他を巻き込むな。」


 村長はまたも魔法陣を展開する。


「その傷だ、もう意識を保つのも辛いだろう。大人しく捕まれ。」


 そこから出てきた樹木がユーティウスを捕まえようとしたその時ーー


 バコォォォォン!!


 家の天井を突き破って何かが現れた。


「あ、あなた様は!?」


 その何かはユーティウスを掴み、空へと飛んぶ。


「鳥!?くっ!逃がすか!」

「すいませんが貴方ほどの方と荷物を載せて戦えるとは思っていないのでしてね。」


 鳥のような何かは手に持った球を放り投げた。

 球は破裂し砕け散る。


「ぬ!?何だ!?何も見えん!」

「魔力玉です。翡翠眼では何も見えないでしょう?それではさようなら。命樹姫(めいじゅひめ)リーリア様。」


 鳥のような何かはユーティウスを掴んで空に消えていった。


「…………くそっ、何者だ奴は?」


 だがその答えを知る者はもう既に居なかった。

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