スパルタ
「…………………うそん」
「嘘じゃないわい。」
そんな…馬鹿な…
俺は呆然とした。衝操流とは衝撃波を打てないのか…
「何をそんなに落ち込んでおるのじゃ?衝操流は柔を持って剛となす。相手の力を利用する事が本質じゃ。
まぁ最も、海斗が考えている事も出来ないことは無いがの。」
俺はすぐさま立ち上がる。
「落ち込んでなんか無いっすよ!何事にも切り替えが大事ですからね!なんで技を教えて下さい!」
「はぁ、調子のいいやつじゃ…
メイアよ教えてやれい。」
「おう!でも何を教えるんだ?」
「衝操流の基礎にして、奥義。流衝じゃ。」
流衝?一体どんな技なんだ?
「ふむ、気になるといった顔をしておるの。お前さんには一度見せたじゃろ?」
見せて貰った?ノア師匠に見せて貰った技は撃掌しか…
「あー!そういえばノア師匠に初めて出会った時、俺の拳がとまった時があった!あれですか!?」
「うむ、あれこそ受けた衝撃を足から地へと流し、攻撃を無効化する、流衝じゃ。」
「おぉ!どうやってやるので?」
「簡単じゃ。体に覚えてもらう。メイア!」
「おう!海斗、ちょっと痛てぇかも知れねぇが、我慢しろよな!発衝!」
「え?ちょっ!待っうげぇ!」
ドスッ!ゴロゴロゴロ
メイアねぇさんが突然俺に殴りかかってきた。
そしてその拳が俺に当たり、女子が出せるとは思えない程の衝撃が俺を襲う。
俺は無様に転がった。
「痛って…がはぁ!待ってメイアねぇえぐっ!はぁはぁ、あがぁ!」
まさしくイジメ、そう称するのに相応しいひどい状況になった。
俺の声も聞かずメイアねぇさんは何度も殴りつけてくる。
そしてしばらく経った頃、ようやく手が止まった。
「…ノア爺、もういいだろ?」
「まだじゃ、まだ追い込みが足りん。」
「…………ノア師匠、ゴホッ、もう無理です。何でこんな事を…」
「諦めるのか?あの時のお前さんはどこに行った?儂に殴りかかってきた時の様な気迫はどうした?本気になれい海斗!儂にお主ならば弟子に相応しいと思わせた気迫を持て!それとも命を賭けねば本気になれんか!?立て海斗!お主の本気を見せてみよ!」
ノア…師匠。
「分かりましたよ…見せましょう!本気の俺を!」
「海斗…よし!オレの拳を避けんなよ!」
活を入れて貰った。もう、失望させる様な真似は出来ない。
「こい!」
「発衝!」
さっきから殴られた感覚で分かる。衝撃の動きが、後は出来るはずだ!衝撃をーー
「操る!」
俺は見事に弾き飛ばされた。
あっれぇぇ!?普通これって出来る流れじゃ無いの!?
なんだか2人が冷めた目で見ているような気がする…
「ま、まだです!もっと打ち込んできてくださぁい!」
あれ?何だろう。今人として終わったような気が…
そんな事を考えている間にメイアねぇさんはもう一度殴ってきた。
またしても吹き飛ばされる。
「まだ、まだぁ!全然(練習が)足りない!もっとだぁ!」
ゴスッ!ゴスゴスドスゴスッ!
俺は何発も殴られた。それでも立ち上がり、練習を続けた。
〜〜〜〜〜〜
既に日は暮れて空が赤く染まっている。明日は晴れだろうな。
「かはっ!」
俺は未だに上手くいかずに地面に転がっていた。
体の節々が痛い。流石に限界が近そうだ。だが進展はあった。
この、感覚か…
ようやく俺はコツを掴んだのだ。
「イケる!次の一発でイケる気がする!さぁメイアねぇさん!こい!」
「オレとしては嫌なんだが…い、行くぞ!」
前半が上手く聞こえなかったがメイアねぇさんが同じように打ち込んできた。
「ここ、だぁ!」
そして遂に、俺の腹に当たったメイアねぇさんの拳は、その威力の殆どを無くし、俺の腹に多少めり込んだ所で止まった。
「うっ………しゃあ!」
止めた!何度も殴り飛ばされたメイアねぇさんの拳を!
「う、うむ、まだまだ拙いが、それこそ流衝じゃ。」
「や、やったな!海斗!」
「ああ!ありがとうメイアねぇさん!」
「今日はこれで終わりじゃ。また明日からも頑張るのじゃぞ。」
「はい!」
そうして、俺の修行の1日目が終わったのだった。
「ふむ、まさか1日で基礎とはいえ衝操流を扱うとは…これは将来が楽しみじゃのう。」
ただノア師匠のそんな一言は俺には聞こえていなかった。
〜〜〜〜〜
しかし、夜。
「ヤバい…まさかメイアねぇさんと同じ部屋で寝る事になるとは…どうしよう?」
部屋の関係でメイアねぇさんと同じ部屋で寝る事になってしまった。
目が冴えて眠れない…
合間を縫って書きました…やっぱり厳しかったです…ごめんなさい!コケー!




