こってり怒られる
パーパパパーパパぱっぱらパッパッパー。愉快なマーチが聞こえる。僕は一年生の選手として、校庭に特設された舞台の上にいる。開会式の一環で今は帝国音楽団の演奏がなされている。僕の知っているオーケストラの形とは違い、なかなか面白い。杖で指揮してたり、魔術を売って大きな音を立てたり、あるいは楽器の形が風変わりな物であったりだ。僕も暇を見つけて小菫をやってはいるが、だからこそ彼らがとても上手い事がわかる。前世ではオーケストラ音楽を聴いたとて楽団の上手い下手がイマイチわからなかったが、成る程このように自身がやってみればわかってくるものなのか。絵画では、現代アートの甲乙がイマイチ把握できてなかったけどね。
簡易なものではあるが椅子も用意されている。舞台に上がった生徒で僕の他に一年生と二年生はいないので、ちょっと浮いてる気もする。まあそもそも、参加している生徒の大半は上級生なのでそれも当然ではある。舞台から見下ろす人々の姿は、どうもしっくりと来ない。不参加の生徒は勿論のこと、一般の客がジロジロとこちらを不躾に見ている。クロノアデアの姿を探してみるが、人が多くてはよくわからない。魔眼を使って魔力だけを見てようやくわかる程度だった。クロノアデアは、約束通りポミエさんと一緒に来ていた。
目と目が会うと、二人ともにっこり笑ってくれた。こちらも微笑み返す。幸せな時間だが、幸せな時間というのはいつも早く過ぎるものだ。すぐに校長挨拶が始まり、選手の生徒は開会式会場から退場し、試合へ向かう事を求められた。100名近くでやるトーナメントなので、中々初日は忙しい様だ。
「──次、チェルトルカ、ヒデリ、トロツキー。お前らは火の寮二試合目。次、──。」
会場からそう遠く離れていない場所で先生から試合をするメンバーを集められて、試合会場を指定される。トロツキーって……大分凄まじい名前が出たな。前々からここの文化と地球の文化は作為的と思えるほど似通った物だったけれども。ヒデリさんもトロツキーさんも男の上級生だ。ヒデリさんは帯刀してして、トロツキーさんは軽弓と鉈を持っている。トロツキーさんなのに鎌と槌じゃないのか、だったら面白かったのに。
二人とも足が速い、というより子供に足を合わせるという事をしない。それに試合相手だからか知らないが、無言で歩いて火の寮に向かっている。なんだか試合を楽しむ感じがしないというか、少し嫌な感じがする……。火の寮には比較的早くついた。上級生二人がペースという物を考えずにズカズカ進んで行ったためだ。別に校舎と寮の間をダッシュで移動する程度で疲れる程なまっちょろい鍛え方をしている訳じゃないが、それでも無言で走るというのは、軍学校的というか、あまり愉快で楽しいお祭りの一幕とは思えない。
火の寮は地下にダンジョンというか、迷宮的な設備があるのだけれども、観客を収容するには不向きなので、試合自体は裏庭でやるそうだ。火の寮の裏庭に、本当に急設しましたと言わんばかりの長椅子群とテント、それに試合をするステージを示す柵が立てられている。椅子のチケットを販売する場所もある様だ。試合のプログラムも書かれている。先程教員に言われた通り二試合目で3人で戦う様だ。お昼位に一旦休憩が入る、その時には各生徒が一戦目を終える予定らしい。その後、14時あたりに各生徒の二戦目が始まる。なので、休憩後の試合には誰と誰が戦うなどは書かれていない。クロノアデア、僕の試合の席取れるのかな……。
ぞろぞろと僕の組みたいに頭おかしい早さでは来なかった選手たちが集まり始めると、またぞろぞろと一般の人が来た。クロノアデアもすぐ来てくれた、大きく手を振ってアピールすると、近くによって来てくれた。取り敢えず、話す事は何にもないので、二試合目の席を買うのと、お昼からの自由時間は一緒に回ろうねと約束する。まあ、一緒に回る約束を取り付けるのは何度目になるかは知らないが。それだけ楽しみにしているということだ。彼女らもはいはいと子供に対する対応にもなる。
そんな事をしていればすぐに試合だ。まあ、各寮で3人1組で試合が行われるがそれでもおよそ八試合を同じ場所でやらなくてはならないので、少し急ぎ気味なのだろう。一試合目が始まる。試合は選手たちと一般客の観戦場が別なので、一緒に試合を見てあの人の動きはどうだだのと言った、クロノアデアとの意見交換もできない。まあ、仕方がないので大人しく観戦することに回る。
戦うのは小ぶりの剣を二つ持った男と、そこそこ大きいハンマーと盾を持った女の人と、杖を手にした牛の亜人だ。ハンマーは片手で持てはするが、まるで手斧の様な大きさをしているため、相当な強化を使用しなければ女の人は手を痛めそうだ。まあ心配はいらないだろうが。試合が始まる、先に仕掛けたのは女の人だ。ハンマーをおおきく振りかぶって相手に叩きつけようとする。それを受ける男の人は、剣で止めることはできないと判断して、受け流す様にして避けた。
武器としてのハンマーの利点は素人でもある程度は使えるという事と、威力を出しやすいことだ。原初、人の武器は棍棒だった。加工が容易であり、リーチも短く直感的に振り回すことができる。直感的、というのはとても大切だ。SFで人が操縦するロボは、どんなに複雑なものでも人型が限度だろうというのが僕の自論だ。それと言うのも、人は8本の腕を使うことに慣れてはいないからだ。キャタピラーと砲撃程度なら、大変だろうが一人でも運用できるだろう。人型であれば、操作方法によってはまだ一人で扱えるだろう。人型以上に複雑になると、例えば腕が二本追加された物であれば、4本分の腕を操ると言う未知の状態によりさせたい動作自体が脳で処理しづらくなって、更に腕4本分の操作の入力を要求されるのだから手に負えない。あって人型の巨大ロボだ。逆に、四本までなら一人で腕を操ることはできると思っている。複数の人が操ると言うのならば、百足型のロボットだろうと何だろうと操れそうだ。まあ話がズレるのでこれ以上は言わないが。槍では長すぎる、剣では軽すぎる。棍棒が一番直感的に振り回せる。遠心力が軌道の演算を簡単にしてくれるし、小手先のわずかなブレで切っ先が数センチぶれるとなんて事もない。
だから逆に、剣ほど小回りを聞かせることができないと言うのも事実なのだろう。右手でハンマーを振り下ろした女性の人を、男の人が左手の剣で攻撃する。女性の人は左手に盾を持っているので、相手の右手から出される剣の振りは防御しやすいが、その逆は難しい。なんとか弾いた頃には、もう片方の男の剣が迫ってくる。女はそのまま剣を喰らうかと思ったが、盾を裏拳の要領で払う事で寧ろ男に攻撃を与えた。しかし、焦っていたのか軽い物である。女性はすぐに距離を取って離れた。男が受けたダメージとしては、100食らって倒れるとするなら1.5くらいが妥当だろう。五十回食らっても倒れやしないが100を食らう前には倒れる。あまり大した事ないので、今後の試合に響くことはないだろう。技量は同程度、魔術がなければスタミナが多い方が勝ちそうだ。
ハンマーを持った女の人が自分の成果に満足して少し油断すると、牛の人が容赦なく攻撃を仕掛けた。大きな横薙ぎ、女の人が盾で防ぐが、相当な威力があった様で軽く脚がぐらつき、軽く姿勢を崩した。
そこから、好きに漬け込む様に男の人が剣に火を纏わせてから切りかかった。女の人も迎え撃つ様に火を纏わせて殴りつける。今度はお互いが攻撃を避けようとしなかった。剣は女性の上腕を強打し、ハンマーは男性の腹を掠った。リーチの差が出た様だ。剣は魔術師同士の場合、皮膚が固すぎて切り裂くことができず鈍器になるため血は出ていない様だ。いや、痛がり具合からして内出血くらいはしているかもしれない。
「ケニー、腕を上げたね。」
女の人が男の人にそんな事を言うと、ケニーと呼ばれた男の人がそっちこそと挑発的に笑った。二人は知り合いなのだろうか、牛の人が空気を読んで手を止めた。別に勝負なのだから話している最中かななんて遠慮しなくていいのに……。男が無警戒になると女の人が盾で隠しながらこっそりと火の魔術を発動させ、油断しがちなのは変わらないねと火の玉を投げ放った。牛の人が軽くショックを受けてる。男の人が慌てて氷と水の壁を作るが、あまいな。火の玉は脅威となる大きさではなく、壁にぶつかるだけで霧散してしまう。だが、壁を作ることによって生じた隙に女の人は攻め込んだ。壁をハンマーでかち割り、氷壁もろともに男に攻撃を入れた。ケニーが不意打ちされた、この人でなし!
冗談はともかく、不意打ちは中々聞いている様だ 。受けたのは咄嗟にあげた左腕だが、相当効いているようで構えが少し崩れてしまった。壁で幾らか殺されたが相当な勢いがついていた、とっさの強化が間に合っていなければ骨折もありえただろう。骨折はしていないがダメージがでかい、30くらいか。あと二回同じ物を食らえばダウンもありえる。
牛の人は男の人と女の人、何方に攻撃するか一瞬だけ迷い、女の人に攻撃を仕掛けた。杖で突きを放ち、盾で防いだ女の人をまた力に物を言わせぐらつかせる。人の武器は棍棒から剣や槍に進化したと言ったが、そう、進化した武器が槍なのだ。棍棒と槍だったら槍の方が強い。槍特有の圧倒的なリーチと、突きと言う防ぎ難い攻撃が恐ろしい力を発揮する。女の人は槍の間合いへ踏み込んでから出ないとハンマーで攻撃することができない。所が、懐の踏み込まれれば棒を持ち直してリーチを調節し、また鋭い突きを食らわせられる。牛の人は相当な手練れの様だ。男の人に若干の有利に立っていた女の人を手玉にとっている。
不意打ちから復活した男の人が牛の人へ迷わず攻撃にかかる。まあ女性相手なら勝ち目はあるが牛の人にはなさそうだし、妥当ではある。牛の人も二人からの攻めに堪らずすぐダウンするかと思えば、棒をブンブンと振り回して二人に近づかせる事を許さないでいる。結構な力であるが、流石に何度か攻撃を食らってしまい、結構な痛手を負ってしまっていた。大体50かな。このまま攻め続ければ牛の人も倒れたのだろうが、男の人が隙を晒しすぎた様で、女の人がまた不意打ちをした。男の人は、まあ……なぜ女の人が敵であることを忘れたのだろう。2度も不意打されればさすがに無様だ。
しかし、男の人にも意地と言うものがあるのだろうか。全然効かないねと言って、剣を握り直し、攻めに行った。二つの剣による舞うような連撃が繰り出される。女の人は盾とハンマー、二つの剣を防ぐには少々取り回すやすさが足りない。女の人の必死の後退にもまるで猟犬のように食らい付き、五回六回七回、流れるように攻撃を食らわせた。これは、だいたい25くらいのダメージかな。あと三回も同じような攻撃を食らわされれば女の人倒れるだろう。しかし、そうはならないだろう。
男の人はだいぶ消耗していた。元から、彼にはすぎた技なのだろう。先程の剣撃は体を何度も捻り、脚を何度も前へ後ろへと蹴り出し、肩から手首いやさ指の関節までフル稼働させなければ撃てそうにない物だった。事実彼は息を切らし、構えが大きく崩れた。恐らく、ここぞと言う時の決め手としてしか実行するべきではない技だったのだろう。
「ケニー、アンタ……。」
女の人からは続く言葉が紡がれることはなかった。男の人がまた技を繰り出してきたからだ。少し油断していた牛の人にも迫る。剣に纏わりつく火が大きく燃え盛る。昼間なのにハッキリと火がある事を視認できる輝きだ、剣の軌跡を炎がありありと見せる。牛の人と女の人はまた再び必死の後退をする。彼の攻撃に対し、後ろに下がるのはある意味では正しい。リーチが劣るため、彼の攻撃の合間を縫ってハンマーで殴ることは至難の技である。かと言って全てを盾とハンマーで受け止めることはできない。また、左右へ躱す事も彼が両手で剣を扱う以上、体をほんの少し捻るだけで簡単に剣の届く範囲に収められる為、後ろに下がる事こそ一番の解決策なのだ。
後ろに何もなければだが。これは戦いの場が決められた試合なので、普通に追い詰められ、後退することができなくなる。流石に限界かと思ったが、所がどっこい、女の人が牛の人に蹴りを入れた。牛の人が大きく体制を崩し、そこに男の人の攻撃が入る。牛の人はそれを必死に防ぐのだが、二人から離れた女の人が炎の魔術を投げつけたので、男の人もろともに倒れてしまった……。
勝者、サマンサと審判の声が高らかに響き、観客から拍手喝采が起こる。なんだか……いや、戦術なんで文句がつけようのない程女の人は立派に戦ったのだろうが、3人の試合だと2人から一気に攻められると簡単に戦局が傾くのであっという間に終わると言うか、なんだか男の人と牛の人が油断しすぎているせいで女の人がなんだか狡く見えると言うか……。女の人の不意打ちは凄い技術的に優れたものではある。攻撃や隙を見せる事で他の事に注意を引きつけ、相手には全くの予備動作なしで攻撃が仕掛けられた様に見えた事だろう。凄い人だなあ……。
感心しながら、僕は試合の舞台にとことこと歩いて向かった。次は僕の試合だ、選手入場が始まると観客席の入れ替えも始まる。先程まで少し離れた場所で立ち見していたクロノアデアとポミエさんが近くの観客席に座り、こちらに手を振ってくるので、手を振り返して応援しててねと言っておく。
観客も席につき終わりの頃に審判がまた出てきて、僕達三人に準備はいいかと聞いてきた。ここでダメですと言ったら待ってくれるのだろうかと思いつつ、良いですよと答えると他2人も準備ができていると答えた。
「二試合目、チェルトルカ、ヒデリ、トロツキー。試合開始!」
審判がそう宣言するので、ヒデリさんとトロツキーさんが早速試合を始めるかと思えばお互い探り合った。そんなものだから、僕は安心して魔術を使わせてもらった。今回使う魔術は氷系統に限定する、氷の神の家だと思われたいからね。僕は腕を広げ、両手から十本の氷の鎖を生み出していった。一つの指につき一本の鎖だ。僕が予選で使った魔術が氷の檻なので、セットとしてはちょうど良いかと思ったので多少製造が面倒でも鎖にした。
僕がジャラジャラと鎖を両手から作り出していると、流石に僕にこれ以上何かさせるとあとあと面倒かと思ったのか、2人して襲いかかってきた。だがもう遅い、氷の鎖は魔術生物だ。命令を打ち込んで自分で動くようにしておいた。生み出されてそのまま地に落ちた氷の鎖が、バウンドして数センチ跳ねたかと思えば、そのまま先頭が持ち上がったままスルスルと蛇の様に移動した。両手から生み出された沢山の鎖がジャラジャラと音を立てながら舞台に広がっていく。あんまりにもジャラジャラと音を立てるものだから少しうるさい、失敗したかも。まあ、氷の鎖が蛇の様に移動して2人の男の子に噛み付いた。服に引っ付いた部分が凍ったので2人とも驚いてそれを振り払おうとする。火の魔術を使って溶かそうとしたのだろうが、僕の魔術は僕の血相応の魔力が込められているのでそう簡単には融けない上、十本もある鎖のうち二本が2人に纏わり付いて拘束しようとしているだけなので、その二本が溶かされた所で残り八本がある。
溶かすのに時間がかかると判断をして素早く僕の方を叩くと2人は判断して僕の方に殴りかかってくる。2人の武器はヒデリさんは刀、トロツキーさんは鉈と軽弓だ。ヒデリさんはともかく、トロツキーさんは軽弓を打ってくればよかったのにね。僕は両手から鎖が生み出されているので、両手を振ると鎖が鞭の様に波打つ。2人とも氷の鎖囚われた。しかし、トロツキーさんは名前からして資本主義という人々を隷属させる呪われた鎖に対して反逆してくれそうな人だ。鎖を意に介さずそのまま鉈を掲げて向かってきた。とは言え体を凍らせないように氷の鎖がくっついた部分は火の魔術を発動させているため、火達磨になって無言で襲いにかかってくる鉈を持つ鎖に巻かれた男という絵面が完成している。少し、いや尋常じゃなく怖い。B級のホラー映画みたいだ。とにかく物理的な恐怖で怯えさせようとすると言うか、スプラッター映画的な。
とは言え、鎖に巻かれた男だ。ジェイソンだって鎖には苦い思いをしている。彼に僕が能動的に引っ付けた十本もの鎖が複雑にからまり合い、彼を拘束する。ヒデリさんも同様にだ。蛇の様に這う鎖達が2人に飛びかかりグルグルと氷でできた体を巻きつけていく。二人は全身を燃やす勢いで火の魔術を強めた。体を巻かれた手足の自由がなくなると、まるでミミズの様に二人はのたうち回り始めた。
アナコンダに代表される様な大きな蛇は、実は物を丸呑みにしたり毒を持っている他にも驚異的な特徴がある。獲物を絞め殺す事だ。交尾をした後にパートナーをメスが食べる、なんて事は動物においてはまま見られる事だが、蛇とてしないわけではない。毒で相手を殺すと自分で食べることができない、丸呑みにしようとも生きたままでは流石に同体積の相手を飲み込むことはできない。そこで活躍するのが絞め殺しだ。蛇は変温動物なので恒温動物ほど血液に酸素が流れなくても良いのだが、蛇が蛇を殺す際、相手を圧迫する事により血液を流れなくさせて、変温動物でさえも血中酸素濃度が生命維持が出来なくなる程までに下げるのだ。ここまで言えばわかるだろうか、実は氷の鎖には蛇として相手を絞め殺そうが何だろうが僕から命令が入るまではきつく締め続けろと命令を入れているのだ。
しかし、二者はまだ元気にのたうち回り、相当辛いだろうに降参の二文字どころか苦痛の声すら漏らさない。少し以上だ。何が彼らを無言にさせている……?
僕は試合開始から今の今まで手から生み出し続けていた鎖を止め、リングに凍り付けにされた二人に近寄った。まだ抵抗の炎を絶やしてはいない。僕は魔術的な原因があるのかと魔眼を発動させた。氷の鎖が二人の魔力を啜りながら溶けない様に魔術を発動させていたり、氷の鎖を溶かそうと火の魔術を発動させていたりで分かりづらいが、少し違和感がある。
しかし、わからなかったので彼らの頭に手を当てて直接魅了の魔術を当てて思考を停止させた。所詮は人の子、簡単に気を失い、火の魔術がやんだ。強化魔術が切れると氷の鎖で凍傷になったり骨が折れるので慌てて氷の鎖に行動中止の命令を出しておく。
審判を呼び彼らがのされている事を確認してもらうと、勝利判定を貰ったのでクロノアデア達にピースをする。二人はハイハイと笑って手を振った。いや、圧倒的かな圧倒的かな。観衆は先程の熱い試合も好きなのだろうが、圧倒的なパワーで勝つような試合も好きなようで、そこそこの歓声を貰えた。リングから降りて退場すると、すぐに観客席の方へと向かう。
「ねえねえ、ちゃんと見てた? 僕の試合。結構上手くいったと思うんだけど。」
「ええ、ええ、見てましたとも。凄いですねえ坊ちゃんは。いつもあんな感じなんですか? マフスフプスさ、ん……?」
クロノアデアは、どうも、僕が普段とは全く違う戦い方で戦っていたことに関して、いや、あまり真剣に戦っていない事に対して、言いたいことがあったようだ……。
次回はデート回()




