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Opening

チカチカと明滅を繰り返すたくさんのスポットライトと、ガンガンと痛いほど響く音楽。


狭いホールの中で、ひしめき合う人達の中マイクを通して凛と透き通った歌声。


「オレは本気が見てぇんだ、ほらもっと声出せ!」


汗で張り付いた髪を振り乱して、舞台に乗った男の人_____桜井 千秋は、もっとと声をあげた。


私の好きな人…そう、「ConTraSt」のボーカル千秋は、キラキラと輝く笑顔を振りまいて「上出来だ!」と叫ぶ。


あぁ、好きだ。


その声も顔も、全て好き。



恋愛なんて夢のまた夢で、私は一介のファンの一人で。


それでも好き。

ファンっていう立場だけでも、充分だよ。


そうしてまた、意識を千秋に向けて、ひたすらその声と顔を脳に焼き付けていた。




「あ~、つっかれた…」


未だに頭の中で反響する千秋の声と、音楽と、たくさんの悲鳴。

私もそれを上げていた1人なんだろうけど、全く気にならないくらい周りが大きかった。


久しぶりに行われた「ConTraSt」のライブは上々、結成当時からファンな私にとっては喜ばしい限り。


「千秋のリストバンドゲット…!」


本日の戦利品は千秋が帰り間際に投げたリストバンド。

もちろん入場する前に私も同じ物を買ったけど、千秋が付けていたというなら尚更レアで。


「埃つかないように飾っとかなきゃ」


私が付けていた物と重ねて置き、ベッドへ飛び込んだ。



寝る前にいつも考えるのは、「ConTraSt」のこと。

もう一度枕元に置いたリストバンドを見つめて、そっと目を閉じた。



いい夢が見れますように。






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