■ 第九話 「仲間の罪状」
――え?
思わず間の抜けた声が出た。
「……朱、お前、何やったんだ?」
俺が小声で聞くと、朱は明らかに狼狽えた様子で首を振る。
「お、俺なんも悪いことやってないよ!?」
だがその瞬間、横に置かれていた真偽判定の石がピカッと光った。
門番の目が一瞬で鋭くなる。
俺と竜星は同時に朱を見る。
(アウトじゃね?)
門番は無言でカルト診断石に近づいた。しばらくじっと眺めたあと、突然くつくつと笑い出す。
「……なるほどな」
そう言うと門番は朱の耳元に顔を寄せ、何かを小声で囁いた。
次の瞬間。
朱は一瞬ぽかんとした顔になり、そして――みるみるうちに顔が赤くなる。
「――っ!? ち、違うんですっ!門番さん!?」
朱が慌てて叫んだ。
「ただ好きになったのが小さい子だっただけなんです!」
……自分でバラした。
アホか?
竜星と知能レベル変わんねーぞ?
周囲からの視線が一斉に朱に集まる。
冷たい。
非常に冷たい。
門番は腹を抱えて笑った。
「ハハッ、もう入っていいぞ」
そして最後に釘を刺す。
「――性癖は別に構わんが、くれぐれも街で変なことするなよ?」
朱くんは門番からしっかり警告を受けていた。
自業自得である。
◇
街の中を歩きながらの会話。
「おーい、朱く〜ん」
「……なんだ?」
まだ落ち込んでいるらしい。
俺は肩を叩いた。
「君に名誉挽回のチャンスを与えようじゃないか」
「冒険者ギルドですべきことを簡潔に答えてみせろ」
朱は少し考えたあと答えた。
「冒険者登録……と、今まで倒した魔物の魔石とかドロップの売却かな?」
「70点ってとこかな」
俺は頷いた。
ちなみに竜星には聞かない。
聞くわけがない。
答えられるわけがないのだから。
「大抵のラノベで俺たちみたいな年齢のやつがギルドに行くとさ」
「絡んでくる輩がいるっていう定番があるだろ?」
竜星が頷く。
「あるある」
「そしたら、それを叩きのめして実力を見せて、舐めたやつが出ないようにする」
「――ってのが正解だ」
「なるほど」
「ほうほう……ほう?」
なぜかカインさんが少し引いたような顔をしていた。
……気のせいだ。
うん。きっとそう。
◇
しばらく歩くと、大きな建物が見えてきた。
「見えた。あそこが冒険者ギルドだ」
カインが指差す。
木と石で作られた立派な建物だった。
「俺はギルマスに報告しに行くから、あとは自由にしていいぞ」
「わかりました」
カインは別の入口から中に入っていった。
俺は二人を見る。
「よし、竜星と朱」
「冒険者登録をしよう」
「了解」
受付に向かう。
そこには可愛い受付嬢がいた。
これぞラノベの王道である。
「冒険者登録をお願いします」
「わかりました」
受付嬢は微笑みながら、カウンターの上に水晶を置いた。
「こちらの水晶にお触れください」
(……一応鑑定)
――――――――――
戦闘力診断石
個人の技術、スキル、ステータスなどを元に
冒険者ランクを判定する。
F級なら緑色。
そこから色が変わり、
S級なら金色に光る。
――――――――――
ほう、面白い。
というか異世界の石って高性能すぎないか?
人間より役に立つんじゃないか??
少なくとも竜星よりは。
――ラノベだったらここで。
「おい、なんか今失礼なこと考えてただろ」
とか言われる展開だが。
竜星はギルドの中をキョロキョロ見回している。
興味津々である。
気づくわけがない。
――話を戻そう。
俺は水晶に手を触れた。
ラノベだと割れたりすることもあるが……。
次の瞬間。
水晶がまばゆく輝いた。
金色だ。
受付嬢の目が大きく開く。
「う、嘘でしょ……?」
「タイキ=アオヤマに続いて二人目!?」
ギルド内がざわめき始める。
……正直、気持ちいい。
その後、竜星と朱も触れた。
二人とも――金色。
受付嬢が完全にパニックになった。
「しょ、少々お待ちくださいっ!」
慌てて奥へ走っていく。
残された俺たち。
そのとき。
「おい坊主たち!」
知らない男に声をかけられた。
俺たちは一瞬警戒する。
だが男は笑顔だった。
「お前ら見かけによらず、いい腕してるんだな!」
「これからよろしく頼む!」
フレンドリーすぎて逆に戸惑う。
さっきまでの警戒は何だったのか。
そんなこんなで待っていると――。
奥の扉が開いた。
出てきたのはカインさん。
その隣には厳ついおっさん。
そして、さっきの可愛い受付嬢。
どうやら――
偉い人が来たらしい。
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朱、お前そんなやつだったのか⋯。
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