■ 第五話 「パーティーでの戦い」
三人で歩き始めてから、どれくらい経っただろうか。
森は静かだった。
いや――静かすぎた。
「……なんかさ」
竜星が小声で言う。
「モンスター少なくね?」
俺も同じことを思っていた。
しかしこいつがまともなこというとは異世界で学習したんだろうか?
コブリンを倒してから、しばらく歩いているがそれらしい気配がない
涜朱が周囲を見回す。
「逆に考えれば」
「ここが安全圏の可能性もある」
「もしくは」
「もっと強いモンスターの縄張り」
竜星がピタッと止まる。
「……それ怖いこと言ってない?」
「事実だ」
さらっと言う涜朱。
俺は軽く息を吐いた。
「とりあえず情報が少なすぎる」
「まずは地形把握だな」
そう言って、近くの少し高い岩に登る。
森。
森。
森。
遠くまで木しか見えない。
だが――
「川があるな」
少し離れた場所に光るものが見える。
涜朱も登ってきた。
「水源か」
「生活するなら最優先だな」
竜星は下で叫ぶ。
「おーい!何見えたー!?」
「川!」
「マジか!」
元気だなこいつ。
そのときだった。
――ガサッ
森の奥で音がした。
三人同時に止まる。
竜星が棒を構える。
「……来るか?」
低い唸り声。
「グルルル……」
次の瞬間。
茂みから飛び出した。
灰色の影。
「ウルフ!?」
犬より一回り大きい。
牙が剥き出しだ。
「一匹じゃない」
涜朱が言う。
左右の草むらも揺れる。
「三……いや四」
竜星が笑う。
「おもしれえじゃん!」
「お前だけだよ」
俺はハサミを握る。
チェーンがカチャリと鳴る。
ウルフが低く姿勢を落とす。
来る。
次の瞬間。
一匹が竜星に飛びかかった。
「うおっ!」
竜星は棒を振る。
ドゴッ!
顔面に直撃。
だがウルフは止まらない。
噛みつこうとする。
「っ!」
その横から――
ザシュッ
俺のハサミが首元に刺さる。
ウルフが悲鳴を上げる。
竜星が蹴り飛ばす。
「ナイス!」
だが残り三匹が同時に動いた。
「囲まれてるな」
涜朱が拳を鳴らす。
「男は拳だ」
「いやそれスキルなのか?」
竜星が突っ込む。
一匹が涜朱へ突進。
涜朱は避けない。
一歩踏み込み。
――ドンッ
正拳突き。
ウルフの顔が横に弾ける。
「うわ強」
竜星が引く。
残り二匹。
俺は息を整える。
体が少し軽くなる。
ウルフが跳ぶ。
俺は横に避ける。
首元へ――
ザシュッ
手応え。
【ウルフを倒しました】
表示が浮かぶ。
最後の一匹。
竜星が走る。
「俺の獲物!」
棒を振り下ろす。
ドゴッ!
ウルフは地面に倒れた。
しばらく静寂。
「……」
「……」
竜星が笑う。
「俺ら」
「意外と強くね?」
涜朱が息を整えながら言う。
「いや」
「普通に危なかった」
俺は倒れたウルフを見る。
そして気づく。
「……魔石あるぞ」
ウルフの体の下に、淡い青色の石。
竜星の目が光る。
「マジ?」
涜朱もしゃがむ。
「モンスターごとに色が違うのか」
俺は石を拾う。
ポケットに入れるフリをし、空間魔法で作ったアイテムボックスに入れる。
そのとき。
竜星が叫ぶ。
「お!」
「俺レベル上がった!」
涜朱も頷く。
「俺もだ」
2人同時。
レベルアップ。
竜星が棒を肩に担ぐ。
「よし」
ニヤリと笑う。
「もっと狩ろうぜ」
俺は空を見る。
森の奥。
まだ見えない世界。
だが確実に言える。
この世界は――
「ゲームより危ない」
涜朱が言う。
「だが」
「面白くなってきた」
こうして。
俺たちの異世界探索は、少しずつ本格化していくのだった。
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