■ 第三十五話 「試される鋼」
武器屋の空気が変わった。
男たちは店の中央で止まる。
先頭の男がこちらを見る。
視線は胸元のカードに向いていた。
「……S級?」
仲間の一人が笑う。
「おいおい」
「四人ともじゃねえか」
男は腕を組んだ。
「若いな」
「本当にS級か?」
竜星が肩をすくめる。
「証明いるか?」
男はニヤリと笑う。
「ちょっとな」
朱が一言。
「外」
短い言葉。
鍛冶屋がため息をついた。
「店壊すな」
男が笑う。
「わかってる」
数分後。
武器屋の裏。
少し開けた空き地。
冒険者たちが数人集まっていた。
「何だ?」
「喧嘩か?」
そんな声が聞こえる。
男が剣を抜く。
「ちょっと試すだけだ」
竜星が笑う。
「俺がやるか?」
青森が首を振る。
「いや」
俺を見る。
「龍凱だろ」
朱も何も言わない。
俺は剣を抜いた。
男が構える。
「じゃあ」
「始めるか」
男が踏み込む。
速い。
剣が横に走る。
俺は受ける。
金属音。
火花が散る。
男が笑った。
「ほう」
もう一度斬る。
今度は縦。
受ける。
重い。
腕に衝撃が来る。
男はB級くらいか。
そこそこ強い。
だが。
竜星たちほどじゃない。
男が踏み込む。
三連撃。
横。
突き。
斜め。
俺は全部受けた。
男が距離を取る。
「……悪くない」
「でも」
剣を回す。
「S級ってほどじゃねえな」
周囲の冒険者もざわつく。
「確かに」
「普通だな」
竜星が笑った。
「まあそう見えるよな」
青森も腕を組んでいる。
俺は剣を軽く振る。
まだ試していない。
あの戦い方。
籠手に魔力を流す。
チェーン。
短剣。
男が突っ込んでくる。
「終わりだ!」
その瞬間。
魔力を流す。
籠手から。
チェーンへ。
短剣へ。
短剣が浮いた。
「……っ!?」
男の目が開く。
短剣が横から飛ぶ。
男が慌てて避ける。
「何だそれ!?」
俺は踏み込む。
剣。
短剣。
同時に動く。
男は剣を受ける。
その瞬間。
短剣が背後から迫る。
「ちっ!」
男が強引に後ろへ跳ぶ。
観客がざわつく。
「浮いてる!」
「魔法か!?」
青森が言う。
「違う」
「魔力操作だ」
竜星が笑う。
「三刀流」
俺は構える。
右手に剣。
空中に短剣。
チェーンがわずかに揺れる。
男の額に汗が浮いた。
「……面白え」
剣を握り直す。
「もう一回だ」
そして。
もう一度踏み込んできた。
今度はさっきより速い。
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