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■ 第三十二話 「城門のざわめき」

 午後。


 街道の先に城壁が見えてきた。


 高い石壁。


 門の前には長い列ができている。


 隊商や旅人、冒険者。


 いろんな人間が並んでいた。


 竜星が口を開く。


「やっと街だな」


 青森が肩を回す。


「結構歩いたな」


 隊商は列の後ろについた。


 門の前には兵士が並んでいる。


 槍を持った兵士。


 鎧を着ている。


 検問だ。


 護衛の一人が言った。


「ここは身分確認がある」


「カード見せれば通れる」


 列が進む。


 しばらくして。


「次!」


 兵士の声。


 俺たちの番だった。


 兵士がこちらを見る。


「隊商か」


 商人が頷く。


「東から来た」


「護衛は?」


「この四人だ」


 兵士が手を出す。


「冒険者カード」


 俺たちはカードを出した。


 兵士が一枚目を取る。


「タイキ=アオヤマ……」


 そして。


 動きが止まった。


 一秒。


 二秒。


「……S級だと?」


 後ろの兵士が聞き返す。


「何?」


 カードを覗き込む。


「本当だ」


 兵士が顔を上げる。


 青森を見る。


「この年でS級か……」


 青森が軽く笑う。


「まあな」


 兵士は次のカードを取る。


「リュウセイ=カンナヅキ……」


 そして。


 また止まった。


「……おい」


 後ろの兵士が言う。


「まさか」


「こっちもS級だ」


 空気が変わる。


 列の後ろの冒険者たちもざわめく。


「S級?」


「若くねえか?」


 兵士は三枚目を取る。


「セイヘキ=トクシュ……」


 視線が止まる。


 沈黙。


 そして。


「……またS級」


 兵士が思わず呟く。


 後ろの兵士が顔をしかめる。


「おいおい」


「三人目だぞ」


 周囲がざわつく。


 兵士は最後のカードを取った。


「リュウガイ=カンナヅキ……」


 そして。


 静かに言った。


「……S級」


 完全に手が止まる。


 兵士が顔を上げた。


 四人を見る。


 もう一度カードを見る。


 そして。


「……全員S級か?」


 竜星が笑う。


「そうなるな」


 後ろの兵士が呟く。


「なんだこのパーティ」


「ありえねえ」


 兵士は四人を見比べた。


 顔。


 体格。


 どう見ても若い。


「……この年齢でS級が四人」


 少し黙る。


 そして。


 小さく言う。


「最近の噂……」


 後ろの兵士が低い声で言った。


「王都の通達」


「ああ」


 兵士はカードを返す。


「通れ」


 だが視線は鋭かった。


 門をくぐる。


 その時。


 城壁の内側。


 一人の男が立っていた。


 黒いコート。


 腰に細剣。


 兵士ではない。


 だが。


 ただの冒険者でもない。


 門の兵士が男に近づく。


「確認しました」


「例の年代です」


 男がこちらを見る。


 四人。


 S級。


 若い。


 男が小さく笑う。


「なるほど」


「確かに異常だ」


 兵士が聞く。


「どうします?」


 男は首を振る。


「今はいい」


「報告だけでいい」


 そして言った。


「王国が動く」


 男は踵を返す。


 街の奥へ消えた。


 俺たちはそのことを知らないまま。


 街の通りを歩いていた。


 人が多い。


 屋台。


 店。


 肉の匂い。


 竜星が言う。


「とりあえず飯だろ」


 青森が笑う。


「賛成」


 朱は街を見ていた。


 建物。


 人の流れ。


 全部見ている。


 青森が俺の短剣を見る。


「武器屋寄るか?」


 竜星が言う。


「三刀流改造したいしな」


 確かに。


 チェーンはまだ短い。


 改造できるならしたい。


 朱が言った。


「先に宿」


「荷物置く」


 竜星が肩をすくめる。


「はいはい」


 俺たちは街の中へ歩いていく。


 その背中を。


 遠くから見ている者がいることを。


 まだ知らなかった。

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