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■ 第二十七話 「倒れる一つの影」

 四人同時に踏み込んだ。


 竜星が正面から斬りかかる。


 盗賊の頭は斧を振り上げて受け止めた。


 だがその瞬間。


 青森の刀が腕を狙う。


 男は反射的に体をひねる。


 避けた。


 だが。


 その動きが隙になった。


 朱が踏み込む。


 拳。


 腹。


 鈍い音が響く。


「ぐっ……!」


 体が前に折れる。


 そこへ。


 俺は剣を振った。


 斜めに。


 全力で。


 刃が肩口に食い込む。


 血が飛ぶ。


 男の目が見開かれた。


「……ガキが」


 斧を持ち上げようとする。


 だが腕が上がらない。


 朱の拳がもう一度入った。


 顎。


 骨の鳴る音。


 男の体が揺れる。


 竜星が叫ぶ。


「今だ!」


 青森の刀が閃いた。


 横一文字。


 首元。


 深くはない。


 だが致命的だった。


 盗賊の頭は二歩よろめく。


 斧が手から落ちた。


 地面に刺さる。


 そして。


 ゆっくりと倒れた。


 土煙が上がる。


 誰もすぐには動かなかった。


 静寂。


 次の瞬間。


「頭がやられたぞ!」


 盗賊の一人が叫ぶ。


 その声で流れが変わった。


「撤退だ!」


「逃げろ!」


 盗賊たちは森へ走り出す。


 護衛の冒険者が追おうとしたが。


 隊商の商人が叫ぶ。


「追うな!」


「護衛が優先だ!」


 盗賊たちはそのまま森へ消えた。


 街道に残ったのは。


 俺たちと。


 倒れた盗賊たちだけだった。


 しばらくして。


「……勝ったのか?」


 誰かが呟く。


 次の瞬間。


「勝ったぞ!」


 歓声が上がった。


 護衛たちが武器を掲げる。


 商人たちも馬車から出てきて喜んでいる。


「助かった!」


「ありがとう!」


 竜星が肩を回す。


「ふー……」


「結構きつかったな」


 青森も息を吐く。


「計算より強かった」


 朱は何も言わず、拳甲を外していた。


 俺は地面を見た。


 倒れた盗賊。


 血。


 さっきまで戦っていた男。


 もう動かない。


 俺が斬った。


 俺が殺した。


 胸の奥に、重いものが残る。


 歓声が遠くに聞こえる。


 剣を見る。


 刃についた血。


 その瞬間。


 ふと、思った。


(……守れた)


 あの馬車も。


 あの商人も。


 仲間も。


 守れた。


 でも。


 そのために。


 人を殺した。


 胸の奥で、何かが静かに変わる。


 顔を上げる。


 朱がこっちを見ていた。


 ほんの一瞬だけ。


 目が合う。


 朱は何も言わなかった。


 ただ視線を外した。


 その時、竜星が肩を叩く。


「龍凱」


「やるじゃん」


 笑っていた。


「初めてだろ?」


 俺は剣を鞘に戻す。


「……あたりまえだろ」


 空虚な苦笑をし答えた。


 空は青かった。


 街道に風が吹く。


 だが。


 俺の中で。


 確実に何かが変わり始めていた。

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