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■ 第二十三話 「凪の街道」

 門の外には、三台の馬車が並んでいた。


 荷台には木箱が積まれていて、布で覆われている。商人らしい男が忙しそうに動き回り、護衛の冒険者たちに声をかけていた。


「出発はもうすぐです!」


「準備ができた方から並んでください!」


 竜星が伸びをする。


「護衛って初めてだな」


 青森が馬車を眺めながら言う。


「戦闘より退屈な仕事って聞いた」


「何も起きないのが一番だろ」


 俺はそう言いながら、周囲を見回す。


 護衛は全部で八人くらい。俺たちを入れて十二人ほどだ。


 そこまで大きな隊商ではないらしい。


 竜星が小声で言う。


「盗賊とか出るのか?」


「街道だし、たまに出るらしい」


 青森が答えた。


「でも確率は低い」


「また数学かよ」


 竜星が笑う。


 その横で、朱は馬車の車輪を見ていた。


 特に理由があるようには見えない。ただ、静かに立っている。


 俺は声をかけた。


「朱」


 顔を上げる。


「護衛の配置、どうする」


 朱は少し考えてから言った。


「前と後ろ」


「分かれるか」


 青森が頷く。


「合理的」


 竜星が言う。


「じゃあ俺と龍凱が前」


「朱と青森が後ろ?」


 青森が笑う。


「了解」


 朱も小さく頷いた。


 商人が手を叩く。


「それでは出発します!」


 馬車の車輪がゆっくり動き始めた。


 街道は広く、両側に草原が広がっている。


 遠くに森が見える。


 俺と竜星は先頭の馬車の前を歩いていた。


 竜星が欠伸をする。


「平和だな」


「そうだな」


 剣の柄に手を添えながら歩く。


 後ろをちらっと見る。


 朱と青森が歩いている。


 青森は何か話しているようだが、朱はあまり返していない。


 竜星が言った。


「朱、やっぱ変だよな」


「……ああ」


 竜星は肩をすくめる。


「まあそのうち戻るだろ」


「そうだといいけどな」


 竜星はそれ以上何も言わなかった。


 街道を進む。


 時間はゆっくり流れていく。


 青空。


 風。


 馬車の軋む音。


 しばらくして、青森が前に来た。


「龍凱」


「ちょっといい?」


「どうした」


 青森は後ろをちらっと見てから言う。


「さっき計算してたんだけど」


「何をだ」


「護衛の配置」


 青森は指で街道を指す。


「この道さ、森が近い」


「だから伏せやすい」


 竜星が眉を上げる。


「盗賊?」


「可能性はある」


 青森は真面目な顔で言った。


「確率は高くないけど」


「ゼロでもない」


 俺は森を見る。


 風で木が揺れている。


 静かだ。


 何もいないように見える。


 その時だった。


 後ろから声がした。


「止まれ」


 振り向く。


 朱が立っていた。


 馬車の後ろ。


 森を見ている。


「どうした」


 俺が聞く。


 朱は短く言った。


「……いる」


 次の瞬間。


 森の中から矢が飛んできた。


 馬車の木箱に突き刺さる。


「敵襲!!」


 誰かが叫んだ。


 森の中から男たちが飛び出してくる。


 剣。


 斧。


 盗賊だ。


 竜星が笑う。


「来たな!」


 剣を抜く。


 俺も構える。


 青森が小さく言う。


「計算通り」


 朱はすでに拳甲を握っていた。


 盗賊たちが街道に飛び出してくる。


 護衛たちが武器を構えた。


 街道の真ん中で、戦いが始まる。

最後までお読みいただきありがとうございます!


(▭-▭)φカタカタ:ちなみに主人公は<気配察知>忘れてます。

(自分の再現っていう体の辻褄合わせ。一応自分の再現ていうのは本当)


ブクマ&反応&コメント待ってます!


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ゴホン、失礼。


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