■ 第二十二話 「醒めない熱」
朝食を終えた四人は、ギルドへ戻ってきていた。
掲示板の前には人だかりができている。依頼書を見上げながら、冒険者たちがあれこれ言い合っていた。
「盗賊砦の件、もう張り出されてるぞ」
竜星が紙を指差す。
討伐済み、と赤い印が押されていた。
青森が覗き込む。
「仕事早いな」
「まあ父親が証言してるしな」
竜星は肩をすくめる。
ギルド職員が四人に気づくと、慌てて近づいてきた。
「皆さん、少しよろしいですか」
奥の机へ案内される。
座ると、職員は書類を並べた。
「盗賊砦の件ですが……正式に討伐依頼として処理されます」
「報酬はこちらになります」
袋が四つ置かれる。
竜星が目を丸くした。
「おお」
「結構あるな」
青森が中身を覗く。
「確かに」
「これは良い数値」
竜星が眉をひそめる。
「金を数値って言うな」
青森は笑った。
「数学好きなんで」
手続きが終わり、四人は席を立つ。
その時、受付の奥で別の職員が言った。
「そういえば、今日の午後から護衛依頼が出ます」
青森が振り向く。
「護衛?」
「商人の隊商です。街道の途中までですが」
竜星が言う。
「ちょうどいいじゃん」
「次の仕事に」
龍凱も頷く。
「経験にはなる」
青森が考える。
「街道なら計算もしやすいしな」
「何の計算だよ」
竜星が突っ込む。
そのやり取りを聞きながら、朱は掲示板を見ていた。
依頼書が並んでいる。
討伐。
採取。
護衛。
普通の仕事だ。
竜星が声をかける。
「朱」
「護衛でいいか?」
「……いい」
短く答える。
それで決まった。
受付で依頼を受けると、集合は昼過ぎだという。
少し時間が空いた。
青森が言う。
「武器屋寄らない?」
「装備ちょっと見たい」
竜星が笑う。
「お前ほんとオタクだな」
「いいだろ別に」
四人はそのまま街の通りを歩いた。
武器屋の扉を開けると、金属の匂いがする。
壁には剣や槍が並び、棚には防具が置かれていた。
店主が顔を上げる。
「いらっしゃい」
竜星が店内を見回す。
「おー」
青森は真っ先に短剣の棚へ行った。
「これいいな」
「軽い」
店主が言う。
「新しく入ったやつだ」
龍凱は剣を手に取り、重さを確かめている。
朱は拳甲の棚を見ていた。
同じような形の武器がいくつか並んでいる。
店主が近づいてくる。
「拳甲か」
「使うやつは珍しい」
朱は一つ手に取る。
重さを確かめる。
拳を握る。
感触は悪くない。
「今のより丈夫だぞ」
店主が言う。
朱は少し考えてから、棚に戻した。
「……まだいい」
竜星が振り向く。
「買わないのか?」
「壊れてない」
「そりゃそうだけど」
青森が笑う。
「まあ節約も大事」
店を出ると、昼の光が街に広がっていた。
集合の時間が近い。
竜星が言う。
「よし」
「護衛行くか」
四人は街の門へ向かった。
門の外では、すでに隊商の馬車が並んでいる。
荷台には木箱。
商人らしき男が護衛の冒険者に挨拶していた。
朱はその光景を見ていた。
何も言わず。
ただ静かに。
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