■ 第十二話 「ステータス共有」
かなり頑張りました
「美味しかった〜……」
「……ああ。でもお腹が苦しいな」
カインさんの『今日は俺が奢るぜ!』という言葉に甘え、俺たちは好き放題食べまくっていた。
その結果がこれだ。完全に食べ過ぎである。
まさに――バチが当たった。
俺は横でうめいている二人を見て、心の中で笑う。
へっ、愚か者共め。
……まあ、その愚か者の中に自分も含まれているのだが。
「ついたぞ」
カインさんの声で顔を上げる。
「ここが俺のおすすめの宿屋だ。接客もいい、立地もいい、飯もうまい。いいことずくめだ」
おおー、と心の中で歓声を上げた。
……なんだろう、この紹介。
CMに出られそうなレベルである。
宿の外観は小綺麗で、なかなか立派だ。
木造だがよく手入れされており、落ち着いた雰囲気がある。
しかも場所は――
冒険者ギルドから徒歩二、三分。
確かに立地は最高だ。
「今日は一日付き合ってくださってありがとうございました!」
俺はしっかり頭を下げた。
「おう!またな!」
カインさんは豪快に手を振る。
どうやらまだ用事があるらしい。
こうして俺たちはカインさんたちと別れ、宿の中へ入った。
◇
「いらっしゃいませ!お食事ですか?ご宿泊ですか?」
受付に立っていたのは――猫耳の少女だった。
猫耳。
猫耳だ。
異世界って感じがしてきたな……。
「宿泊の方です。とりあえず今日は三人部屋を一つお願いします」
「ありがとうございます!」
猫耳の受付嬢は明るく微笑む。
「お食事は一食、銀貨五枚でお付けできますがいかがなさいますか?」
「うーん……」
少し考える。
さっき食べ過ぎたばかりだしな。
「ひとまず、明日の朝の分を三人分お願いします」
「了解です!」
元気よく頷いた。
「また後からでもお食事は注文できますので、その時はお声がけください!」
「すぐには作れませんが、用意いたします!」
完璧な営業スマイル。
思わず見とれそうになる。
……いやこれ、勘違いする馬鹿が出そうなレベルだ。
「分かりました。ありがとうございます」
俺は軽く会釈した。
「行こうか。竜星、朱」
◇
部屋に入ると、三人ともベッドに腰を下ろした。
木造の落ち着いた部屋だ。
窓もあり、そこそこ広い。
普通に当たりの宿である。
「さて」
俺は呟いた。
「ステータスオープン」
=============
名前:神無月 龍凱 13才
種族:人類♂
レベル:Lv.3
職業:【■■■】
スキル
<剣術Lv.2>
<速読Lv.5>
<算術Lv.7>
<言語理解Lv.2>
<記憶力上昇Lv.4>
<短剣術Lv.3>
<空間魔法Lv.3>
<気配察知Lv.2>
<火魔法Lv.1>
ユニークスキル
<創造魔法>
<器用貧乏>
=============
「ふむ」
やはり問題は魔力だ。
何のスキルを作るにしても、魔力がなければ始まらない。
ならば――
「創造魔法」
空間が、ぽちゃんと水面のように揺れる。
そして声が響いた。
「汝、どのような能力を望む?」
ならば答えは決まっている。
尽きることのない魔力。
<無限魔力>
しかし――
「汝にその能力を授けるには力不足だ」
ですよね。
「代替案として――」
「<最大魔力量増加Lv.1>」
「<魔力回復速度上昇Lv.1>を授けよう」
「使いこなせば、いずれ<無限魔力>にも届――」
「よっし!」
途中で遮った。
大成功である。
「竜星!朱!」
俺は二人を呼ぶ。
「互いのステータスを把握しよう!」
「ステータスオープン!」
『ステータスオープン!』
==================
名前:神無月 竜星(自称)13才
種族:人類♂
レベル:Lv.5
職業:【剣士】
スキル
<剣術Lv.3>
<速読Lv.3>
<算術Lv.1>
<言語理解Lv.1>
<記憶力上昇Lv.2>
ユニークスキル
<愚者の極致>
==================
<愚者の極致>
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「バカは風邪を引かない」
状態異常耐性
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「バカは風邪に気付かない」
状態異常無視
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「バカの一つ覚え」
一つのことしか極めることができない
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「バカは死んでも治らない」
レベルが上がっても知能ステータスは上昇しない
装備補正も無効
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「バカにつける薬はない」
自然回復以外の回復無効
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『お、おう……』
俺と朱は微妙な顔になった。
強い。
強いのだが――
回復無効はやばい。
「うん!次行こ!」
竜星はまったく気にしていない。
まあ、こいつはそういうやつだ。
=============
名前:涜朱 成壁 13才
種族:人類♂
レベル:Lv.5
職業:【拳闘士】
スキル
<剣術Lv.2>
<速読Lv.3>
<算術Lv.8>
<言語理解Lv.6>
<記憶力上昇Lv.6>
<男は拳だLv.3>
ユニークスキル
<ロリフェチ>
=============
『……』
俺はそっと手で目を隠した。
――しかし。
指の隙間からガン見する。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<ロリフェチ>
ロリからの好感度上昇
ロリの捕獲率上昇
ロリがパーティーにいる場合
ステータス上昇
100%+(50%×ロリ人数)=X
全ステータス X%上昇
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『…………』
沈黙。
俺と竜星は――
かなり引いていた。
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