光にも闇にも
「ぁ、、それが違うって言うんだったら、、、、フェラさせるのが好きな短小野郎」
「「「「「「!!?!?」」」」」」
「ひ、、光???」
完全に怒りに包まれた目と低い声をブルックスらに向ける光。
光の性格から予想に出来ない発言を聞かされたアルバと薫は目を見開きながら、なんで知ってるんだ?と言う疑問を抱きながら光を見つめている。
冷たい目をしながらも一歩下がり、動揺しているブルックス達を煽るように言葉を続ける光。
「なんで俺がそんな事知ってるかって?、、、、俺の異能力【合縁奇縁】、まぁ簡単に言ったら人から生えてる縁の糸が見え触ったり出来る。透明な糸を触るとその人の情報が見えるんだよね。だから知ってた訳。あとは、人から向けられている感情とか人に向けている感情の糸も分かるよ」
「、、、、凄い能力、じゃんか、光」
「ありがとう、薫」
「そんな異能力があったのか」
「うん、、、、だからさ、マフィアだろうと人を傷つける変態に、アルバをこれ以上傷つける訳には行かない」
光の説明に明らかに驚いた顔をする薫とそんな能力を持っていたのかと、驚くアルバ。
光の視界には無数のカラフルな糸があり、それが常に見えている状態になっているのだ。それが彼にとっては常識であり、日常なのである。
ブルックスは光の容赦ない言葉に動揺していたが、こんなガキに舐められてたまるかと怒りに手を振るわせ握り締めて、睨み付けニヤリと笑みを浮かべながら言葉を発する。
「ハッ、だがどうやって此処から逃げる。此処は4階、飛び降りたら怪我は免れない。目の前には俺らが居る、どうやって逃げるんだ」
「、、、、こうやって、逃げるんだよ、バーカ」
ブルックスの煽りのような言葉を気にする事もせず、舌を出して逆に挑発する発言をした光。
言葉を言い終わった光は、振り返って窓を完全に開け切るとそこに勢いを付けて飛び乗り座る。
その一連の行動を見たアルバはすぐに何をするのかに気付いたと同時に顔面蒼白の表情をして光に駆け寄ろうとする。
「光、辞め」
「アルバ、、、、俺は、光にも闇にも行けるよ。アルバの為なら。怖がらないで」
光はそうアルバに諭す様に言い、腕に縛り付けているハンカチを握り締めたと同時に、窓から落ちた。勢い良く髪が上にいき、目を瞑る。全身が冷たい空気に包まれる。
落ちた、その言葉通りにアルバの視界から消えた。その瞬間、アルバは目が見開き輝いた。何故ならその姿が、
「(綺麗、だ)」
ただその感情になり、光の最後の優しい表情に目を奪われた。
だがすぐに不安になった。目の前で光がどうなったか、を。アルバと薫はすぐに窓枠に近づき外に顔を出して下を見ると、大きなクッションに仰向けで倒れている光の姿を見てホッと安心する。
だが、そのクッションは何処から?と言う疑問を覚える2人。
「アルバ、薫、、、、来い!」
「ッ、一緒に行くぞ、薫」
「はい」
「待て!お前は光の道になんかいけない」
「、、、、いけなくても、行ってみたいんだよ」
光の言葉に勇気づけられたアルバと薫は窓枠に手を置いて力を入れる。
そんなアルバを引き止めたいのか、ブルックスはジリジリと近づきながら、言うが、一瞬顔を暗くしたが光の明るさが頭の中で過ぎ去り、、あるかもしれない未来を考えても良いかもしれないと思いながらブルックスに言い放つ。
その姿を見た薫はカッコいいと思いながら、2人は窓枠に座り、光がした様に落ちる。
その姿を見たブルックスは急いで駆け寄り、下を見る。その表情は焦りと怒りが含まれている。
「、、、、バーカ」
「ッ〜、逃げられると思うなよ〜、アルバ!!」
「その発言を言う前に、、、、警察来るけど」
「は?」
光同様にクッションに仰向けで倒れていたアルバと薫。アルバはブルックスに向けて煽る様に舌を出し、目の下を引っ張って、貶す。
それを見て怒り浸透した表情でアルバに怒りを向けるが、そんなの気にしない様な表情をしながら、アルバはパトカーのサイレンの鳴る方向に視線を向ける。
サイレンの音に気付いたブルックスは動揺した表情をする。
流石のマフィアだが、警察までは予想していなかったらしい。冷たい風が光、アルバ、薫の頬を掠める。
「クソッ、お前達は逃げるぞ」
「「「「「はい!」」」」」
ブルックスは即座に部下に命令して逃げる洗濯を取った様だ。
その様子を見て、勝った、と思って余裕のある表情に戻るアルバ。
だが、すぐに複数の疑問が浮かび上がって、クッションから降り光に近づき声をかけるアルバ。
「光、ちょっと良いか?」
「ん?何?」
「どうやってこのクッション用意したんだ?」
「ぁー、これね、、、、双葉〜」
「はい、何でしょうか、光様」
「!!?!?」
「誰??」
アルバの質問にぁー、と言う質問の意図を理解して、とある人物の名を呼ぶと一瞬で光の隣に遭わられるスーツを着た男性。
それは光と出会った日に居た男性と同一人物だった。アルバはいつの間に、と言う驚きで言葉を失い、薫は初対面の為ビックリする。
双葉こと穿野双葉はセンターパートの髪型をして三白眼の無表情で光を見つめている。
その視線は優しさに溢れている。
「双葉にお願いして用意して貰ったんだ」
「光様から連絡が来た時は驚きましたよ」
「ごめんな」
「じゃあ、警察もか?」
「いや、多分これは銃声聞いた近所の人だと思うけど」
「と、とりあえず、俺達逃げないとだよ!捕まっちゃう!」
「ぁ、確かに!」
先ほどスマホを触っていたのは、双葉に連絡をしていたのだ。
薫は警察の事を思い出して、段々とサイレンの音が近づいているのに焦りを覚えながら3人に伝える。
光も焦って、逃げる様に近くに双葉が運転する濃い赤い色の車に乗り込んで逃げる。
無人の学校を背にして、4人は後にする。
暫く走られて、車が止まり降りるとアルバと薫の視界に入ったのは、とても広く大きい純和風建築の大きな屋敷だった。
その迫力に息を呑むが、自分の住む家の大きさを知っているアルバは何も言えず気持ちを飲み込む。
そんな2人の様子を気にせず、家の中に入ろうとしている光を止めるアルバ。
「ちょ、ちょっと待て」
「ん?何?アルバ?」
「此処、お前の家か?」
「ぁ、うん。そうだよ」
「、、、、マジで?」
「マジだよ。変?」
「変、ではないけど」
「でしょ、一旦入って」
「分かった」
アルバと光の掛け合いは、まだ知り合って3日しか経ってないとは思えないぐらい自然で、優しさに溢れていた。
光の何か問題でも?と言う表情を見て何も言えず、受け入れるアルバ。
何故かこの表情を見ると強く言えない、と思ってしまうらしい。
受け入れるアルバを見て、素直じゃないな、と思う光。
それを横目で見ながら、何やっているんだか、と考えながら屋敷に入る双葉。
「ただいま〜」
「光」
「!、お義父さん」
「何をやっていt、、、、その怪我はどうした」
「ぁ、ちょっと、ね」
「ちょっと、、、、その後ろの者らのせいか?」
「「ッ」」
屋敷に入ると、着物を着た70代で白髪頭の凛々しい表情をした老人が現れた。それが光の養父であり極道の組長である終夜明正であった。
光の怪我をすぐに気づき、問いかけると光は誤魔化す様に目線を逸らす。その様子に気づきまた何かに巻き込まれたのかと呆れながら光の後ろに居るアルバと薫に冷たい視線を送りまた問いかける明正。
それに気付いた光は、一歩前に歩んで訂正をする。
「違うから!アルバと薫のせいじゃない!勝手に2人のせいにしないで」
「「光」」
光の強い否定に驚くアルバと薫。
アルバの内心はまだ3日しか知り合ってもない年下のそれも不良グループのリーダーでマフィアになんか狙われているの人間にそれに自分まで巻き込まれたはずなのに、強い否定に驚きが隠せず、馬鹿なのか、と思ってしまう。
薫もこんな自分の為に怒ってくれる姿に嬉しさを感じる。
明正も光の強い言葉に動揺もせずにただ聞いて、少しため息をしてから、一言発して、振り返って歩き立ち去り1人部屋に戻った。その内心は、光に想われているなんて、、、、良かったな、と思っている。
「それなら良い」
「、、、、よし、とりあえず、夜ご飯食べる?」
「良いのか?」
「大丈夫。双葉が作ってくれるしね、ね?」
「ハァ、、、、ハンバーグで良いですね。後その前に傷の手当てしますよ」
「はーい。2人とも、俺の部屋に休憩しておいて。2階の部屋だから」
「あぁ、、、、勝手に入っても良いのか?」
「全然良いよ。ぁ、勝手に棚とか開けないでね」
「分かったよ!」
いつの間にかキッチンに向かっていた双葉に声をかける。そんな光の言葉にため息をつきながら上着を脱ぎながら了承して、傷の心配をしながら言う。
それに同意して、やっぱり双葉は頼りになるなぁ、と思いながらアルバと薫の2人に部屋に行って良いよと指示をする。
部屋に勝手に入っても良いのか、と不安を思いながら問いかけると大丈夫だと言う。
それを聞いて安心するアルバと薫。部屋の木の香りに慣れないアルバは少し緊張しながら、2階の階段を上がる。
外の夜風が強く風吹、玄関の扉がガタガタと音をする。
「光様、、、、あの者達を信用しているらしいですが、、不良などに信用など、良く出来ますね」
「調べたんだ、双葉」
「えぇ、、光様に近づく者は調べよ、と旦那様から言われておりますから」
「そっか」
キッチンで手当を受けている光と黙々と消毒液を付けて手当てをする双葉。
アルバと薫の2人の事を話題に出し、調べたと分かった光は呆れを感じながら会話を続ける。
「何故、光様は彼らと仲良くなどしようとしいてるのですか。危険な目に遭ったのにも関わらず」
「、、、、だって、孤独な目をしてたんだ、アルバが」
「孤独な目?」
「うん。沢山の人から慕われてるって薫は言ってた。だけど、、、、人を本当に信用している目はしてないと思う。何かを諦めているのが分かるんだよね」
「それなのに、殆ど知らない俺を守る為に自己犠牲を払って、、、、ただそれだけで、あぁ、アルバを守りたいって思った。勿論薫もね、、、、で仲良くなりたい。ただそれだけ、、、、」
「ハァ、、、、お人好し、ですね。光様」
「そう?」
目の前で自分を差し出す姿を見た時、光の心に翳り(かげり)が出た。その姿を見るのが心の中で嫌だと思っていたからだ。
光の言葉を聞いてこの人はどれだけ人に優しいのか、純粋なのかと呆れ続けながら、包帯を巻き終わり手当てを終わらせる。
「変な事に自ら巻き込まれよう、なんて考えてませんよね?」
「、、、、バレた?」
「馬鹿なのですか?過去のトラウマを思い出しても良いのd 「だって!アルバ、多分自分の命とか簡単に切り捨てるのが分かる!だから、、、、良いでしょ」、、、、、、、、本当に、光様は馬鹿ですね」
「馬鹿で結構、じゃっ、夜ご飯お願いね」
「、、はい、分かりました」
馬鹿馬鹿言われ過ぎて、呆れながら話を終わらせる光。
終夜光にも過去に何かトラウマがあるらしい。それはまだ判明されていない。
光の過去を知っている双葉はまた傷付くのではないか、と考えてしまうが行っても効かないのを知っている為、これ以上話題に出さない様にした。
椅子から立ち上がった光は、2階の自分の部屋へと向かった。
「薫」
「ん?何ですか?アルバ」
光の部屋に入って数分、光のベッドに座り込むアルバと部屋を物色しながら窓の換気をし始めた薫。
何かを考えていたアルバは、薫に話しかける。
アルバの声かけに薫は動きを止めて振り返り返事をする。
「お前は光の事どう思う?」
「光?、、、、ん〜、優しくてカッコよくて怒ると口が悪い、人かな。ぁ、お人好し!」
「ふっ、、、、確かにな」
「何で急にそんな事を?」
「いや、、、、アイツ。躊躇なく窓から降りただろ?」
「それは下にクッションがあるのを知ってたからじゃ?」
「それでも、俺達も下に降りる時少し躊躇しただろ?」
「確かに」
「それに殆ど初対面でマフィアに狙われてる俺の為に身の危険を挺して、ブルックスに反抗した。薫気付いてないと思うけど、光の奴震えてたんだよ、ブルックスを貶してた時」
「え」
アルバは先程の光景を思い出しながら、手を握りしめて震えていたのに気付いた。
その光景を見た時、アルバは光の内心に気付いて、色々な感情が溢れた。
その時の気持ちを思い出しながら、両手を握りしめて下を見つめる。
「あぁ、コイツは怖いのに殆ど初対面の奴の誰かの為に怒ってやれる奴なんだって気付いた時、、、、本当にお人好しだなって思った」
「アルバは、、光の事が好きなんですね!」
「!、好き?、、、、どうだろうな。好き、かは分かんない。だが、守りたい、いや守らないとはいけないとは思ってる」
「、、、、今はそう言う事にしておきます!」
「何だよ、それ笑」
アルバは薫の言葉に動揺するが、好きと言う感情は分からないが養父の遺言の通りに守り抜かないといけないと、思っていのだ。
冷たい夜風が頬に当たり、初めてのタイプだった光を目の当たりにした時、確実にアルバの人生が変わった瞬間だったのだ。




