表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪鬼羅刹〜違法麻薬と変態に立ち向かう2人の少年〜  作者: 橋本衣


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

3/10

トラウマの1人



(ひかり)、荷物運んでくれてありがとうな」


「全然、これぐらい普通だよ。それに頼ってくれるのは嬉しいし」


「そうか、(かおる)もありがとうな」


「いえ!!俺アルバの手伝い好きなので!」


唐突な出会いから3日後、アルバと光の関係は少しだけ変化が見られていた。

放課後、太陽が落ちかけている時間に中等部の廊下で段ボールを運んでいるアルバと光の2人に加えて、日本人のアルバより年下で中学1年生の少年こと薫だ。

アルバの仲間で慕っている。

あの日からアルバは、光になるべく関わる様にした。光も光でアルバと関わるのが嬉しいと思ってい流。

それが、まさかの守る為の行為だとは気付いていないが。


「それにしても、アルバってここら一体の不良を纏めているリーダーだったとは、ビックリ」


「つっても半分はアメリカに居た時の奴らが着いて来たのも殆どだけどな」


「アルバは慕われているからね!」


「へぇ、、、、カッコいいなぁ」


「!、、、そうかよ」


光の素直な反応に調子が崩れてしまうアルバ。普通は怖いだろ、と言う疑問があるが光にそんな感情はないのが分かる。

薫はそんなアルバの様子を見て、初めて見たと驚いた顔をしている。


「でも、何でそんな不良のリーダーなんてしてるの?」


「それは、」


「まぁ、聞いた所でアルバの見方が変わる訳じゃないか!」


「!、、、、光ってお人好しとか言われるだろ」


「ヤダ、、、、良く知ってるね」


「俺、アルバの気持ちちょっと分かりますよ」


光の質問に言葉が詰まっていたアルバ。だが、すぐに光の純粋な発言を聞いて、絆されそうになってしまう。

この男は自分をどれだけ信用して怖がってないんだと思う。

そのアルバの気持ちに同意をする様に頷く薫。

段ボールを頼まれていた教室に運び終わった3人は帰宅しようと外を見ると既に太陽が落ちきり、暗くなっていた。


「早く帰らないとだな。光は迎え呼んであるんだろ?」


「一応、遅くなるとは言ってるけどね」


「俺は遅くなっても何も言われないけど、アルバはお坊ちゃんだから大変だろ」


「薫は黙ってろ」


和気藹々と楽しそうに話している3人は階段を降りながら昇降口に向かっている。だが、そんな空気を壊す様な音が階段を降りている3人まで届く。

その音はパリンと言う何かが割れる音で、それを聞いた3人は足を止め、不思議そうな顔をする。


「?、何か割れた?ガラス、かな?」


「誰が?先生は今高等部に居るんだよな、薫」


「はい!アルバ、、中等部には他に誰も居ないはずだよ!」


「だったら、誰だ?、、、、光と薫は此処で待ってろ」


「え、でも」


「何かあったらすぐに戻る。薫は光を頼んだ」


「任せて!」


光の心配を他所に、アルバは光を薫に任せて1人階段を降りる。その後ろ姿を見る光は、不安と疑問を感じながらただ見送るしか出来なかった。

アルバはと言うと、心配されているのがむず痒いと考えながら、誰が来たのか、と頭の中で巡らせ懐に入れた拳銃に手をかけながら1階の途中まで降りきり、1階の様子を覗き込む。


「、、、、!チッ」


覗き込んだ先に居たのは、5人のスーツを着た男達とふくよかな50代の男性が当たりを見渡したいた。

その様子を見たアルバは動揺してしまった。何故なら、そのふくよかな50代の男性は過去にアルバに深いトラウマを与えた人物の1人であり、バーンズの部下の1人のブルックスと言う男だ。

ブルックスの顔を見て、恐怖を覚え過去の記憶を思い出した、がそれよりも自分が狙われていると言うのを察し、冷静になって光と薫の所に戻ろうと上がろうとしたら、物音を響かせてしまった。


「ッ!」


「行け、他の所からも回り込め」


ブルックスの命令を聞いた5人の男達は頷いて1人はアルバのよう居る階段を、残りの4人は2人ずつに分かれて左右の端の階段の方向に向かった。

ブルックスはニヤリと笑みを浮かべながらゆっくりと、歩き始める。

アルバは少し焦りを含んだ表情をさせながら、階段をなるべく音をさせない様に駆け上がる。


「ハァ、ハァ、ハァ、」


「アルバ!どうしたんだ?」


「凄い汗」


「シッ、、、、逃げるぞ」


「逃げるって」


「良いから、、、、薫、光を命をかけて守れ」


「!、、、、はい、リーダー」


「???」


息を荒げながら、2人の元に戻ったアルバ。そんなアルバを心配する光と薫にすぐに命令に似た口調で言う。アルバの様子を見て不思議がっている光を他所に、今最善の行動を考えた。

それが薫に命をかけて光を守らせると言う事だ。今狙われているのは自分だ。でもブルックスがもし光の存在に気付いたらと言う気持ちを優先した。


「此処に隠れれば、大丈夫、か」


「誰が来たのさ、アルバ」


「マフィア、、、、俺を狙ってる」


「ま、マフィア、、、、本当に居るだ」


「極道の養子に言われてもなんだけど」


「確かに」


「え、光って極道の養子なの!?」


「実はそうなんだ」


4階の一角の教室に隠れた3人は声のトーンを抑えながら会話をする。

外はすっかり暗くなっており、若干寒さを感じる温度になって来た。

マフィアに狙われているアルバに驚く光も光で、極道の養子と言う立場に驚く薫。だが、そんな3人の空気をすぐに壊す様に廊下から足音が聞こえてくる。


「声、抑えるんだぞ。何かあったら、、、、最悪」


「!、それはダメだよ、アルバ」


「大丈夫、薫。俺は、」


「、、、、まさか、アルバ」


「光は知らなくて良い」


光の考えている事は、口にもしたくない程の事だと言うのはアルバも分かる。

アルバの顔立ちとスタイルを見れば分かる、、そう言う目で見る者達が居るのが簡単に分かる。それがバーンズやブルックスなどの者達だ。

ガタンと言う音がすると3人は動きを止めると、教室の扉が開けられる。


「、、、、居た。ボス!居ました!」


「ッ、こっち逃げるぞ」


「ぅ、うん!」


「デカッ」


1人のスーツの男が開け、ボス、ブルックスに声をかけているうちに、アルバ達は3人は反対の入り口に向かって逃げる。

それを追う様に銃声が校内に響く。それを避ける様に逃げる3人。


「アイツら、銃まで使うのかよ」


「アルバ、どうしますか?」


「1階に降りる?」


「そうだな。とりあえず、逃げよう」


ハァ、ハァと息を上げながら逃げる。だが、追手達は足が早く、段々と追い詰められているのが伝わる。

アルバは最悪の選択を取らないと行けないのかと頭を巡らせる。

その瞬間、バンッと言う音がしたと同時に、光が苦痛の表情と声を漏らす。


「クッ、、、、」


「光、?、、、、光!」


逃げている途中で、立ち止まり、苦痛の声を漏らす光に疑問を浮かべながら近づくアルバ。

光の二の腕が銃弾で撃たれた事により、少し深く切れ血が出ている。

その姿を見たアルバは血の気が引き、強い怒りを覚えたと同時に此処までやるのかと言う怒りで体を震わせる。部屋の空気が若干、悪くなっている。

それに気づく光は安心させる様に、アルバに言う。


「、アルバ、大丈夫。逃げよう?ねっ?」


「俺のせいだ」


「そんな訳ないから!自分のせいになんてしないで」


「そうですよ!アルバ!、とりあえず、ハンカチで血押さえましょう!」


アルバを励ます光と薫。そのおかげか空気が柔らかくなった。アルバも少し表情が柔らかくなったが警戒し続けてはいる。

光の腕に薫のハンカチを縛り付けて逃げるが、追いかけられているのには変わらず、そしてとうとう、行き止まりに追い詰められてしまったアルバ、光、薫の3人。


「ッ、クソッ」


「クックックっ、アルバ久しぶりだなぁ、、、お前の養父は死んだんだろ?なら、ボスの所に戻って来い」


「ハッ、そんな選択取る訳ないだろ。あんな所に戻りたくもない」


「ほぉ、そんな軽口叩くなんてなぁ、、、、少しは考えた方が良いぞ」


ブルックスのニヤついた性的な目でアルバを見つめるその視線に嫌悪感を感じながらも、軽口を叩く。

やはりこの男は変わっていないんだな、と感じながらどうすれば良いのかと考える。後ろは窓しかなく、此処は4階で飛び降りても怪我をするのが目に見えて分かる。

アルバは、どうすれば良いかと考えながらこんな事になるんだったら光と仲良くならなかったら良かったと思う居ながら頭の中で巡らせる。

光はアルバを心配に感じながらも目の前の男の視線を気付いて少し怒りを覚える。


「(なんか、、、、ちょっと嫌かも、俺。アルバにあぁ言う視線は)」


「そうだなぁ、、、、そこのガキ2人は手を出さない代わりに、その体を、、、、なぁ、分かるよな。今日はそれで見逃してやるのを考えてやる」


「ッ、、、、、、」


「アルバ、俺は大丈夫だから」


「そうだ!」


「、、、、スゥ、フゥ、、、、本当に手を出さないん、だな?」


「!、アルバ!」


「良いから」


「良い選択をしたなぁ、アルバ。じゃあ行こうか、、、、ガキは適当に帰れ」


ニヤニヤとした表情を浮かべ、自分の元からなんて逃げられないんだ、と考えているブルックスの元に近づくアルバ。

その目つきだけで体が震えるが、光と薫を守る為なら軽口を叩く。


「ふっ、優しくしろよな」


「それはどうだろうな」


アルバの腰を掴み、耳元で囁くブルックス。それだけでも身震いをしてしまうが、それを我慢する。その様子を見ている光は怒りを感じる。

自分の為に自己犠牲をしているアルバもそうだが、脅しをするブルックスにも怒りを感じ今すぐにでも殴りたい。でもそんなのが叶わないと分かっている光は無力な自分に怒りを感じている。

そんな薫は光の感情を感じ取り、背中を撫でる。そんな2人の感情を表すかの様に、窓の外では夜風が強く吹いている。


「薫、光をちゃんと守るんだぞ」


「ッ、、、、はい!」


アルバの命令を聞いた薫は涙目になりながらも、返事をした。

そしてそのままアルバはブルックスに連れられて行かれた。そこは保健室だった。その後に起こった事は言葉にもしたくない行為だった。


「、、、、俺何も出来なかった。1番年上なのに」


「光が悪い訳じゃないよ。とりあえず、学校から出よう?ね?」


「ううん、、、、アルバと一緒に学校を出たい」


「!何言ってるの!危ないよ」


「大丈夫、、、、俺、今ガチギレてるから、、口が悪くなりそう」


「!」


光の今の姿を見た薫は驚く。何故なら先ほど見せた笑顔とは違い、怒りが露わになった表情だったからだ。それは、誰も止められない。

終夜光(しゅうやひかり)の異能が暴走する可能性がある事は本人を気付かない程に怒りに支配されている。

それを表す様に、電気の蛍光灯が切れる。

光の右目には5つの薔薇が輝いている。


「その前に、、、、よし、これでオッケー」


「?誰に電話したんだ?」


「俺のカッコいい、、、、護衛、かな」


スマホを操作した光はそう言ってポケットにしまった。

そしてそのまま、時間の経過を待つ2人。

1時間後、保健室の近くに待つ2人は、スッキリしたような表情をさせながら出てくるブルックスを嫌悪の目で見てから、保健室に入って行った。

中に入ってすぐに視界に入った姿を見て、光と薫は目を見開いた。その姿は到底目を向けたいとは思う光景ではない。


「光、薫、なんで外出てないんだ」


「だって、アルバと一緒に逃げたかったから」


「!馬鹿か!危ないだろ」


「大丈夫だよ、気を逸らす事は、、、、出来るから」


「ッ、、、、あぁ、本当に気が狂う、そこまで言うんだったら、完璧に逃げらせろよ?」


「任せて!」


「俺も頑張る!」


光の圧倒的な純粋なオーラも相待ってアルバは言いくるめられた。

だがそれが嫌ではないと感じているアルバ。先程までされた行為なんか忘れるぐらい、光の存在が強かったからだ。

それから、3人は4階に向かった。それが光の目的だったからだ。


「?此処から逃げ出すのか?どうやって?」


たどり着いたのは、先ほどまでいた4階の端の壁だった。アルバは疑問を光に投げかける。


「大丈夫 「おいおい、何やっているんだ」、、、、」


「ッ」


「保健室行ったら居なかったが、まさかなぁ」


「用は無くなった、だろ」


「考えてやる、と言ったんだよ。さっ、来い」


ブルックスはニヤニヤしながら部下5人と一緒に3人を追い詰める。

アルバはヤバいと、思って光を守ろうと腕で隠し、下唇を噛む。

すると、光がブルックス達に衝撃の言葉を言った。


「ショタコンの女装させる趣味持ちの変態野郎がアルバに近づくなよ。気持ち悪い」


「「「「「「!!?!?」」」」」」


「ひ、光?」


「???」


普段とは真逆な口調で光の口から出た言葉にブルックス達は目を見開き、固まる。アルバも予想外の発言に、二度見をして自分の耳を疑い、薫は少し恐怖を感じるぐらい今の光が光に見えないと思っていた。

だがアルバは気付いた、何故光が彼がブルックスの性癖を知っているのか、と言う事に。

今、光の目には、無数とカラフルな糸が溢れている。それはアルバ達の体にも巻き付かれている。

これが何を示しているのかは、すぐに分かる事だろう。
































評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ