『思い出』
ディエヌヴィディのメジョニークスで、ある組織と女性2人と男性1人が戦っていた。
緑の服で身体を覆っていた組織の50人ほどが前方を走っていて、女性2人と男性1人の後方にも緑の服で身体を隠す組織の構成員が50人ほど追いかけてきていた。
ジャングルの中で戦い難いがアプブールトは30歳を越えているが樹の幹を蹴って、他の樹の幹へ飛んで移動していた。
アイズラウトという女性は地面を走りながら、後方の敵を銃で倒していく。
トラクスという男性は、地面を走りながら弓を引いて敵を倒していく。
アプブールトとアイズラウトは息を乱さずに進んでいく。
「アプブールト、もうすぐ川だぞ!仕留められるなら仕留めないと面倒だ!」
「あぁ、分かってる!川か……」
アプブールトは樹の幹を蹴って、前方の樹の幹へと移動しながらクナイのような小型の武器を敵へと投擲した。
ジャングルでは銃声と弓を引く鋭い物音がするのと敵の悲鳴だけだった。
樹がなくなり、川があって、地面に降りたアプブールトだった。
彼女は裸足で切り傷など負ったが気にしていないようだ。
「攻めるか?」
追いついたトラクスに顔を見せ、アイコンタクトをしたアプブールト。
トラクスは川を渡って敵を追いかけた。
「まぁ、彼に任せれば半数は減らせるか。アプブールト、帰るか?」
「食料を集めてからにしよ」
またジャングルに入っていくアプブールトにアイズラウトがついていく。
「元気かなぁアウスカルス!」
「誰です?アウスカルスって」
「同郷の奴。久しぶりに過ぎったの」
「どんな奴です?」
「生意気で威勢のいい奴で、私に憧れてた。そんな奴、居なかった?」
「居ませんでした。憧れる方です、私は」
「そう」
◇◇◇
ティークルスの屋敷で、椅子に座るダイリシュが、隣で佇むアウスカルスに話しかけた。
「アウスカルス、ティークルスに来るまでに仲の良かった者はいるかしら?」
「唐突になんですか?ティークルスに来るまでですか……幼い頃なら居ましたな。ハックシュン、はぁー。急に鼻がむずむずしましてすみません」
盛大なくしゃみをしたアウスカルスだった。
「どんな子だったの?男の子、女の子どっち?」
「女の子でした。アプブールトというやんちゃな子でしたな。やんちゃな男子を叩きのめしたことは何度もありましたなぁ。懐かしいことを思い出しました」
「アウスカルス、もっとアプブールトさんのお話を聞かせて!」
◇◇◇
アプブールトは何度もくしゃみをした。
「くしゅんくしゅん……はぁっはぁっくしょん!!」
「大丈夫ですか?風邪を引いたんじゃ」
「そんなことない」
アプブールトは両腕をぶんぶん振り回して否定した。




