あの娘
アウストルミのブリーヴィーバが、国になる以前の小さな村だった頃。
ある村の人々に、ブリーヴィーバの村人達が虐殺される事件が起きた。
「あの忌まわしい少女を殺すついでだ!やれぇ!!」
リーダーらしき中年男性が片腕を空に突き出し拳をつくる。
号令を出した中年男性の周りにいたある村の人々が、ブリーヴィーバに住む村人を躊躇なく長剣で斬りかかり殺していく。
鎌で斬り殺していく村人もいて、ブリーヴィーバの一帯の地面は、ブリーヴィーバに住む村人の血液で赤く染まっていく。
「うぎゃー、やめぇ……」
「やめろぅ。俺達は……」
「娘は関係ない。やめぇー……」
地獄の様相なブリーヴィーバで逃げ惑う少女とある1人の女性はある家屋の中に逃げていた。
「皆死んでいく……どうして?」
「アウストラス様を匿ったからじゃ」
「私のせい……?なんで?私が何をしたっていうの!」
アウストラスが身体を丸めたまま両手で頭を抱えて、答えの返ってこないことを呟いた。
「アウストラス様は何もしておらん。だが、殺そうとするまで憎まれてはおる。アウストラスがこんなとこで死んではならん。私が——」
「今ぁ、物音が聞こえたような」
家屋の外から敵の声が聞こえた。
アウストラスの隣にいたラガナスが家屋から飛び出し、家屋の外にいた敵に襲い掛かった。
ラガナスのアイコンタクトで、アウストラスも家屋から飛び出した。
ブリーヴィーバの村人でまだ敵に捕まっておらず逃げ惑う青年が私を見つけ、叫んで知らせた。
「アウストラスならあそこだ!俺らは見逃してくれ!ぎゃー」
私は裸足で、血で滑る地面を必死になって走っていく。
背後から追いついてきた敵に片腕の手首を掴まれ、地面に倒れた。
敵も倒れ、私の右の肋骨辺りを斬りつけられたが、赤い地面を這って、逃げた。
「うぅぅ……あぁぁあああぁぁぁぁぁあああぁぁぁああぁぁぁああああっっっっっ!!!!!」
私は呻いて、悲痛に叫んだ。
私がお前らに何をやったっていうんだ。
ラガナスさん、死なないで。
私は脚に力が入らず、赤い血の海とかした地面を這って、ブリーヴィーバの村から逃げた。
アウストラスは命からがらに逃げた。
ラガナスが心配だったが、ブリーヴィーバに戻ろうとはしなかった。
◇◇◇
ラガナスも怪我は負ったが致命傷は避けられ、杖代わりになるような枝を見つけ、付きながらブリーヴィーバから逃げた。
「アウストラス様ぁ……どうかご無事で生きてますように。もし、アウストラス様と再会できたら……」
ラガナスは、後にアウストラスという暁を復活させる為に《五恐指》という組織を創った。




