2度目のティークルス
テリスを助けた翌日を迎え、発つ支度をしていると客室の扉がノックされた。
「はぁい」
「テリスです!お姉さんですよね?テリスです、カステ村をもう出るって聞いて——」
私はベッドから降り、歩いて扉を開けた。
「お姉さん達はもう発つよ。来てくれただけで嬉しいよ——」
「私も連れて行って、お姉さん!!」
「お父さんに良いよって言われた?そうなら連れていくことは構わない」
「言われた、良いよって」
「うぅ〜ん……」
私は唸ってから、テリスの自宅に赴いた。
「おはようございます。メグリです、昨日娘さんを助けた者です」
テリスの自宅の玄関扉をノックして、そう言った。
「おぉおわぁ!テリスぅぅ、何も言わずに出ていくのはやめてくれぇ!!メグリさんが困ってるだろ、早く入りなさい」
「私、お姉さん達についていく!」
「テリス、昨日言っただろ。お姉さん達について行くのは危険なんだ。死んじゃうかもしれないんだ。テリスはいい子だ。なぁ、テリス?」
「行きたい、私ぃ!」
駄々をこねるテリス。
「うぅ〜ん……あぁーメグリさん、テリスを守ってくれますか?また笑顔が見れるように守ってくれますか?」
「テリスちゃんを守ります。また会えるように守ります。もし帰りたいと言ったら帰しますので」
「わかりました……はい。テリスを預けます、どうぞよろしくお願いします」
テリスの父親は頭を下げた。
「しっかり守ります、テリスちゃんを」
私はそう宣言して頭を下げた。
私はテリスを連れて、宿屋に戻った。
ジェルズやリリヤ、クチェーリスは起きていて、挨拶を交わした。
「彼女はテリスちゃん。今日から一緒に旅をする子だ」
「よろしくお願いします!テリスです」
「私はリリヤよ。隣のジェルズの妻です。よろしくね」
「俺はジェルズだ。よろしくな」
「俺はクチェーリス。御者をやってるおじさんだ、よろしくな」
自己紹介を済ませた私達は宿屋を出て、停めていた馬車に乗り込む。
馬車が進み出した。
「ジェルズさん、これゴブリンを倒した報酬。銀貨40枚は私の分で良い?」
「銀貨60枚か。ああ、構わないぜ」
「テリスちゃん、これだけで20日くらいもたせてほしい。良いね」
「うん!えぇっ金貨!?金貨なんて見たことないよ、私。こんなに貰っちゃダメだよ」
私はテリスの父親から受け取ったゴブリンの報酬の銀貨100枚の内の60枚を渡し、テリスに金貨3枚を渡した。
「テリスちゃんに金貨3枚はやり過ぎだぜ!銀貨100枚くらいでも多い方だし……」
「メグリちゃん、流石にあげすぎじゃ無いかな。金貨3枚は流石に……」
「良いんです。銀貨をそんな持ってないですし、ちまちま与えるのは面倒くさいですから」
ジェルズとリリヤはテリスに金貨3枚をやることに納得せずにティークルスに到着した。
ティークルスに到着して入り口で二人分の入国料を払った。
やっぱり冒険者証を作った方がいいな。
馬車を停めるスペースまで馬車を進ませ、馬車を停めるクチェーリス。
「テリスちゃん、服を買いに行こっか?」
「行くぅー!お腹ぺこぺこー」
一度宿屋に行って、リリヤとクチェーリスを置いて、私達3人は街へと出かけた。




