《熱中した蜂》との遭遇
教会へ赴いた翌日。
私はジェルズと共に冒険者ギルドに赴いた。
冒険者ギルドに到着するまでの道中、昨日の治療の事について話した。
「ジェルズさん、もう咳はしないね。もう完治したのかな?」
「ええ。魔素は抜けた感覚があります。苦しくないですし」
「そうか……じゃあジェルズさんが私の護衛をせずに済むという事だね。寂しくなるよ」
「俺の病が治るまでとは言っていたが早くないか!メグリさん、まだ護身術も学んでないだろ!死ぬかもしれないぞ、一人だと」
「ジェルズさんには大変迷惑を掛けたと思ってる。そろそろ他の冒険者に依頼をしても良いと思って——」
「俺を護衛につけるなら格安だ。他の冒険者なんて平気で金を獲りにくる。がめつい奴なんてごろごろいる。搾り取られる可能性なんて高い!良いのか!?」
「そういうのを聞くと揺らぎそうだ……う〜ん、ジェルズさんがそんなに言うならまだ同行してくれていいかな」
私は彼が思案する最善の行動がどうであれ、まだ一緒に行動した方が良いようだ。
冒険者ギルドに到着して脚を踏み入れると、既に冒険者ギルドにいた冒険者から声を掛けられた。
「ようよう、《哀れな舞踏》のアトビルに喧嘩をふっかけられて持ち堪えたおっさんってアンタかい?」
「……ぁあ?《哀れな舞踏》のアトビル……そうだが、それがどうした?」
私ではなくジェルズに声を掛けた冒険者だった。
「アトビルの強大な水魔法を凌げる実力があるように見えないが」
「傷は負ったぞ。無傷じゃない、死ぬわけにいかなかったから普段よりも力を出したつもりだ」
「ふぅ〜ん。俺は《熱中した蜂》っていう冒険者パーティのドヴィーニだ。弓使いだ。よろしくな」
「おう……よろしく」
ジェルズはドヴィーニの差し出した片腕におそるおそる片腕を出し、握手を交わす。
「ドヴィーニ、また迷惑をかけているか!」
「ラウヴァか、なんだ……まだ何もしてねぇよ。ラウヴァ、何しに来た?」
ラウヴァと呼ばれたロングの金髪の少年が呆れたようにドヴィーニと自己紹介した少年に歩み寄って、肩に手を置いた。
「《熱中した蜂》という冒険者パーティに属しているラウヴァです。彼は血の気が多いものですから、迷惑を掛けますが許してくださいドヴィーニが主張したように何もしておりませんか、貴方方に?」
「喧嘩は売られてないな」
ジェルズが応える。
「そうですか。それは安心しました。ドヴィーニ、戻りますよ」
「いやっ、まだコイツらには——」
「行きますよ、まったく」
ラウヴァがドヴィーニの腕を掴んで歩いていく。
「なんなんだ、あいつら」
「さぁ……」
私とジェルズは受付カウンターに歩み寄って、汚染された湖や池がどこにあるのか伺った。
エルコニスにあると聞いて、そこに赴く私達だった。




