《猟犬》の迷宮攻略へ
メグリがティークルスに滞在している間、《猟犬》がデベシスを離れ、迷宮の攻略を進めた。
《猟犬》という冒険者パーティの面々が、迷宮の27層で全長10Mあるレッドシーサーペントを倒しに掛かっていた。
青髪のロードスターがリーダーであるフェノメノに声を荒げて聞いた。
「ジェスコだけで王を護れるか?あの少女も弱いだろ!」
「我々の部下共も置いてきたのだ。迷宮攻略も陛下からの命令を受けたのだ。レッドシーサーペントに集中しろ、ロードスター!」
フェノメノがロードスターを怒鳴りながら、叫んだ。
「ズヴァイグズネ帝国が何でしたか……あぁ《五恐指》という組織に襲われたのを聞きましたが、そいつらが襲ってきたらヤバいのでは。ジェスコらとルシアでは——」
シアンが眉を顰め、声を潜めて発した。
「ズヴァイグズネ帝国の件か……詳細は知らんが迷宮攻略を片付けて戻ろう」
フェノメノが長剣を構えて、返答する。
「シアン、雷を海へ落とせ!!」
海に身体を隠したレッドシーサーペントに、攻撃を与えるように指示を出すフェノメノだった。
シアンが詠唱をして海の上に雷を落とす。
雷が落ち、レッドシーサーペントが身体を出し、ロードスターが攻撃を仕掛ける。
ロードスターが森の樹に載りながら、弓を引いて矢を放った。
矢が身体に突き刺さり、反撃しようと向かってきたレッドシーサーペントを長剣で斬ったフェノメノだった。
フェノメノ達はレッドシーサーペントを狩り終え、ドロップ品を鞄に収め、28層に向かった。
デベシスの王宮内では《猟犬》のメンバーであるジェスコがフェノメノやロードスターの部下達を前に愚痴っていた。
「数だけ多くてもなぁ……敵が強者では陛下を護れんだろう」
「……」
「フェノメノさんらはいつ戻るんです?」
ルシアがジェスコに聞いた。
「さぁな……最近、話題を掻っ攫う《五恐指》がこっちまで来りゃ大変になる。迷宮攻略に行けたらこんな暇に身体を置かずにいられたのに……少女のおもりなんざシアンに押し付けられりゃよかったんだが」
ジェスコが溜め息を吐いて天井を仰ぐ。
ルシアは、《猟犬》のメンバーに入って三ヶ月も経っていない新加入メンバーだ。
ジェスコはルシアと居たくなくて、待機場から出ていく。
「何か起これば出るんですから外には——」
「うっせぇ!ついてくんな」
ルシアがジェスコに着いていこうとする。
ジェスコの後をついていくルシアの光景を見送りながら、ヴァルカンの部下の一人である青年が顔色を曇らせ下唇を噛んだ。
《猟犬》は冒険者パーティでありながら国の騎士団でもあります。




