関わりたくない
アトビルという青年に襲われた翌日。
貰い忘れたオークの解体のお金を受け取りにジェルズと共に冒険者ギルドに赴いた私だった。
「昨日は最悪だったな。今日は無事であれば良いが……そう言えば、メグリさんは珍しい物を良く食ったな」
「ジェルズさんが居てほんと良かったです。私一人だったらと考えたら恐ろしいです……あれは炒飯は美味しんですよ、私が生まれた国では人気で——」
私はジェルズに返答しながら周囲を観察した。
「あれがちゃーはんがメグリさんの国では人気なんですか。へぇ〜」
炒飯はまだこの異世界では浸透していないようだった。
ジェルズに聞いたことを説明すると、アトビルは水の矢を放ってきたらしい。
アトビルが連れていた水精は、ジェルズや他の人間には視認出来ないらしい。
大通りを進んで冒険者ギルドに赴いた。
冒険者ギルドに脚を踏み入れ、魔物の解体コーナーに歩み寄った私とジェルズだった。
「おはようございます。メグリですけど……」
「おはようさん!オークを大量に持ち込んできたお二人さんだな。昨日待ってたんだが来なかったな、なんかトラブルに巻き込まれたのかい?」
「アトビルっていう青年に殺されかけましたよ、昨日!」
「アトビルかい。そりゃ大変な目に遭ったな!!アトビルか……《哀れな舞踏》のメンバーの一人なら、今此処に居るぞ!ケーデ!アトビルが面倒掛けた二人組なら来たぞ!!」
解体のコーナーに居たおじさんが、受付カウンターで声を掛けていない受付嬢と話している少女に叫んだ。
少女が解体コーナーに居る私たちの方に顔を向けた。
少女が笑顔を浮かべて私たちに歩み寄ってきた。
「やあ、初めまして。私はケーデといいます。《哀れな舞踏》に所属しています。昨日はウチのアトビルが面倒掛けたことを謝ります。すみませんでした。お詫びにこちらを」
ケーデと名乗った少女は、頭を下げてから黒い袋を私に渡してきた。
私は袋を受け取り、中を確認したら金貨が30枚あった。
「こんなに良いんですか?」
「足りないと言われると思ったのですが……それだけですが受け取ってください」
「はあ……はい」
「では私はこれで」
また頭を下げて受付カウンターに戻っていくケーデだった。
「で、どれくらいになりました?」
「あぁ、話を変えて悪かったね。オークの将軍と王を合わせてこのくらい——どうだい?」
「構わないよ」
ジェルズがおじさんに頷いて返答する。
ジェルズがオークの買取のお金を財布にしまっていく。
「またな、お前さんら!」
「ありがとうございました」
「ありがとう」
私とジェルズは冒険者ギルドを後にして大通りを歩いていく。
私は歩きながらケーデから受け取った黒い袋から金貨を10枚取り出し財布にしまって、ジェルズに黒い袋を押し付けた。
「ジェルズさん、金貨10枚貰って良いかな」
「構わないよ。幾らか貰えただけ有難い」
薬屋に寄って、回復薬を10個以上を購入した。
宿屋に帰る前に食事を済ませた。




