護衛を依頼しに冒険者ギルドへ
私は翌日に冒険者ギルドに赴いた。
昨夜はスキルの効果を見ただけで試してはいない。
受付嬢は受付カウンターに在らず、白髪のおじさんが肘を突いて眠そうに居た。
「あのぅすみません……近くに汚染された池とか無いですか?」
「汚染された池かい……?スニエスに汚れている池は聞いたことないねぇ。スニエスにそんなとこはないよ、お嬢さん」
「スニエスには汚染された湖とか無いわけですね。どこか汚染されて困ってる国とか無いですか?」
「汚染されて困った国ってかい……そうだなぁ、リエトゥミ近辺に行けばそういう汚れた池や湖があるんじゃないかい」
「リエトゥミ近辺ですか……ありがとうございます。あのその辺りまで護衛を冒険者に依頼したいのですが——」
「護衛依頼か……報酬は高額になるが良いか?」
「あぁはい!どのくらいになるでしょう?」
「相場は銀貨70枚になるが一ヶ月は掛かる場所だからなぁ金貨3枚は出して貰うことになるが……いくら出す?」
「信頼出来る冒険者に依頼してもらえるなら、金貨8枚は出します」
私は金貨を8枚受付カウンターに置いた。
「そんな大金迷わずに出せるとは!信頼出来る冒険者だな。運良くこの街におるわ、今日はまだ顔を出しておらんから来たら伝えておくわ。いつ頃出発するか、聞いて良いか?」
「昼前には出発したいです」
「出発する前に冒険者ギルドに来てくれ。あいつらを待たせておくから安心せい」
「ありがとうございます」
護衛の依頼書に署名して、おじさんに渡す。
冒険者ギルドを後にした私は街を散策することにした。
財布にしては不安な麻袋をズボンのポケットにしまっていると金貨20枚もあり重い。
店も朝早いのであいてないところが多く、噴水のそばで体操をしていると近付いて来た筋骨隆々の青髪の青年に声を掛けられた。
「やぁお嬢さん!こんな朝早くからどうしたんだい?親と喧嘩して追い出されたか」
「おはようございます。親は遠くに稼ぎに行ってます」
「そうか。聞いちゃ悪かったな……えっと、名前はなんていうんだ?」
「メグリです。貴方は?」
「あぁ俺はザルシュだ。冒険者やってるんだ、困ったことがあったら言ってきてくれて構わないからな」
「ありがとうございます。困ったことがあったら頼むかもしれません。そのときはよろしくお願いします」
「あぁ。俺はもう行くよ、襲われないとも限らない。気を付けてな!」
「ありがとうございます」
駆け足で離れていったザルシュに頭を下げ、あいている店を探しに歩き出した。




