異世界ものでみるイベント発生
私たちはカステ村を発ち、草原を急ぐ事なくのんびりと馬車で移動していた。
太陽が空の頂点?に来た昼頃にクチェーリスが馬を止める前に金属がぶつかり合う物音が聞こえていた。
「おぉーい、メグリさんジェルズ!!貴族様が盗賊に襲われているぞ!!助けるかい?」
「はぁーい、助けましょう!ジェルズさん、お願いしても?」
「そうだと思った。行ってくるぜ!」
クチェーリスが馬を止め、馬車が停まるとジェルズが飛び降り、貴族の馬車が停まっている場所に駆け出す。
貴族の馬車は片方のタイヤがないようで傾いていた。鎧を着た貴族の護衛らしき人達とジェルズが協力して、盗賊達を鎮圧した。
ジェルズが鎧を着た護衛達と会話を交わしていた。
護衛達の隊長らしいまとめ役の男性がジェルズとこちらに向かってきた。
私は馬車を降りて、ジェルズと共に来た男性を迎えた。
「あなた達のお陰で我々は助かりました。ありがとうございます。我々が乗ってきた馬車があの通り大破しており、あなた達の馬車に乗せては貰えないだろうか?」
「私は構いませんよ。ジェルズさんも良いんですよね?」
「俺も良いぜ」
「私はヴァルディート伯爵に仕えるアウスカルスと申します。ヴァルディート様の御息女であるダイリシュ様の護衛をしています」
私とジェルズは馬車に乗り、ダイリシュ様やアウスカルスらが乗るのを待った。
アウスカルスが仲間の護衛達が盗賊らを縄で拘束しているそばに歩み寄った。
アウスカルスが傾いた馬車の陰に声を掛けて、ピンク髪の可愛い少女が姿を現した。
「彼女がダイリシュ様?」
「そうだろうな」
ジェルズが返答した。
アウスカルスがダイリシュ様と護衛の一人を連れてこちらの馬車に歩み寄った。
3人が馬車に乗り込み、馬車が進み出した。
「僕らではお護り出来ずにどうなるかと思いましたよ、アウスカルス様」
「なにをへらへらと呑気なことを!」
アウスカルスが同乗した護衛の青年を叱る。
「すみません!」
叱られた青年がアウスカルスとダイリシュに頭を下げて謝る。
「この度は我々を助けてくださりありがとうございます。ヴァルディート様が治める国に到着したら——」
私は頷くだけで、ジェルズはアウスカルスと私を交互に見あうので忙しそうだった。
馬車の周りは捕まった盗賊の人達がいて、徒歩で進んでいる。
外は相変わらず空気が汚染されており、紫色がかっている。
馬車内は貴族のお嬢様と護衛の二人がおり、会話が弾まずに無言でいた私とジェルズだった。
早く彼らが住まう国に到着しないかな、と思う私だった。




